ジョジョの奇妙な冒険3部のJ・ガイル戦では、ポルナレフに花京院が肘打ち(肘鉄)を食らわせるシーンがありました。
今回はなぜ花京院は肘打ちをしたのか、花京院の心理状態から考察してみました。
1. 花京院の肘打ちに見えるポルナレフへの共感の心理
まずは肘打ちシーンの花京院のポルナレフに対する心理について考えてみます。あれだけ突っ走り、アヴドゥルも犠牲にしたポルナレフに対し、花京院は戦力外を突きつけることもできたはずです。それでも肘打ちで済ませたのは、旅の目的に必要な戦力、仲間として認めていたのはもちろん、ポルナレフの復讐の動機に賛同していたからではないでしょうか。
たった一人の家族である妹を惨殺されたポルナレフの気持ちを、花京院は完全に理解していたわけではないはずです。それでもJ・ガイルは悪であること、シェリーの最期があまりに気の毒だったこと、そして何より状況は違えど肉の芽に甘んじてしまうほど辛い過去を持って生きているということに心から共感していたんじゃないかな~…
とはいえやっぱり簡単に許すことはしたくないわけで。それもそのはず、花京院のプロフィール見てよ…
人に頭を下げたり、従属したりすることを非常に嫌う 尊敬するところのある者とだけ友人になると思っている その場合、寛大でやさしく、相手を立て、思いやる 率直でやさしいということは、一方で、秘密や心の裏に陰謀のある人間を徹底して嫌う 彼は、ひかえ目だが、チームの和を保とうとする気持ちは、だれよりも強い
荒木飛呂彦(1990年)『ジョジョの奇妙な冒険』15巻 集英社(7頁)
そりゃ肘打ち飛んでくるわ。
相手に無理矢理合わせることを嫌い、チームの和を大事にする性格なら、ポルナレフの行動なんてこのスットコドッコイが!って怒りたくもなるよね~!でもね、友人には寛大で優しいらしいから、肘打ちだって花京院の精一杯の優しさだったんじゃないかな。なお顔面から大量出血の破壊力。

2. ポルナレフへの肘打ちを決断した花京院の心理的状況
肘打ち決断時の花京院の心理的な状況も考察してみます。アヴドゥルが倒れた瞬間を目の前にした花京院。かなりのショックだったはずですよね~…でも悲しんでばかりでは敗北しかねないわけで。あの時は一度悲しみと決別する必要がありました。そんな中でパンチ力のある肘打ちという行為は、自分の悲しみを断ち切って強制的に気持ちを切り替える効果があったんじゃないかな~!
またポルナレフは花京院に助けてもらった立場ではありますが、ここで花京院が望むのは恩返しではなく、共にJ・ガイルを倒すこと。対等な関係で戦うのがベストなはずなので、肘打ちという暴力行為は花京院(助けた)>ポルナレフ(助けてもらった)という立ち位置から、花京院(肘打ち)=ポルナレフ(助けてもらった)に変える効果があったんじゃないかな~!
だから生易しくない肘打ちという選択こそ、あの場では効果的だったんでしょうね~頭脳派の花京院も、それをわかった上で肘を繰り出していたんじゃないかな~という気がします。

花京院が肘打ちに込めたポルナレフへのメッセージ
次に花京院が肘打ちに込めたポルナレフへのメッセージについてです。さて肘打ちの直前に、ポルナレフは反省の弁を述べており、花京院は本当にわかったのかと確認をとっていました。
荒木飛呂彦(1990年)『ジョジョの奇妙な冒険』16巻 集英社(25頁)
この時点で花京院はポルナレフの台詞を信じてはいたと思います。が、仲直りの握手の代わりとして肘打ちを食らわせることで「絶対守れよ!二言はないぞ!」とあらためて決意を固くさせたはず。同時に「絶対に一緒に倒すぞ!」という共闘スタートの合図にもなったのではないでしょうか。
また肘打ちの際、花京院は目に涙を浮かべていました。怒りだけではなく悲しみも伝わってきますが、ここで花京院は「僕だって悲しいんだ!」とポルナレフに言葉で伝えることだってできたはずです。ただ普段穏やかな花京院が肘打ちという行為で表現することで、言葉以上に強烈なメッセージとなっていたのではないでしょうか。
それでも「こいつ痛いことしやがって…」と、後に恨みを持たれそうな相手に肘打ちは危険なわけで。花京院はポルナレフの気持ちの切り替えの早さを見抜いていたからこそ、肘打ちをできたはずだよね。だってJ・ガイル戦後にこれだもんな~!
荒木飛呂彦(1990年)『ジョジョの奇妙な冒険』16巻 集英社(85頁)
お前が言うな。モンスターメンタルすぎる。
あれだけのことをやらかした記憶がどこかへ飛んで行ってしまったかのようですよね~…ブラボーすぎる潔さですが、そんなさっぱりした性格のポルナレフゆえに、花京院は強烈すぎる仲直りの方法を選んだのではないでしょうか。

3. J・ガイル戦後の花京院とポルナレフの心理の比較
最後にJ・ガイル戦後の花京院とポルナレフの心理状態を比較、推測してみます。ポルナレフは復讐が完了した達成感、それでもシェリーは返ってこないという虚しさ、アヴドゥルを犠牲にした罪悪感など様々な気持ちが入り混じっていたはずです。それでも先述したとおり、比較的後に引きずりにくく、切り替えの上手なタイプに見えるよね。
一方花京院はアヴドゥルを失ったショックを打倒J・ガイル作戦に昇華し、その場では肘打ちと少しの涙で強制的に処理しただけ。悲しみと向き合う時間を後回しにしてしまったことになるので、戦いが終わって現実に引き戻された瞬間、ドッと悲しみが押し寄せるんじゃないかな~…
両者とも悲しみや虚しさといった感情を抱えていたとは思います。ただ少なくともアヴドゥルの死という点に対しては、ポルナレフよりも花京院の方が、後から一気にダメージを食らうイメージではないでしょうか。だからこそ次の日にアヴドゥル生存を知った花京院は、きっと大喜びだったんじゃないかな~!ポルナレフに秘密にしたろ!というあの作戦、喜びすぎたノリで思いついたのでは…?

まとめ:花京院のポルナレフへの肘打ちは両者の心理的にも最も有効な作戦だったのでは
花京院の肘打ちについて考察してみました。一見かなりパワフルな行為に見えますが、ただ怒りや悲しみが爆発したのではなく、3部きってのブレーンだった花京院らしい精密な計算があったのではないでしょうか。
しかし花京院、肘打ちにあて身、強硬手段といざという時には大胆な手段をとりますよね~!繊細な内面とスタンドを持ってはいますが、実は本体はけっこう武闘派なのでは…!?
花京院のお気持ちなどいろいろ










