ジョジョの奇妙な冒険に登場したDIOとプッチ。6部ではプッチがDIOから天国に行く計画を暴露されていました。
DIOの後を継ぎ天国を目指したプッチですが、この2人は本当に仲良しだったのでしょうか。関係性を考察してみました。
DIOの目指した天国については、こちらで考察してみました。
1. プッチから見たDIOとの関係
まずはプッチから見たDIOとの関係についてです。DIOの意志を引き継ぎ、天国に行くことを目指していたプッチ。全人類を巻き込もうとするなど、盲目的なまでに行動していたのが印象的でしたよね~!
でもDIOに強い感情を抱くのも無理はない訳でね…プッチは妹を失った悲劇の後、DIOが授けた矢によりぺルラの記憶をDISCで入手していました。その体験は衝撃的だったのはもちろん、心の慰めにもなったんでしょうね~…そりゃ~~~DIOの力や言動を信じたくもなるのかもな~…
さらにDIOとの再会後には「ザ・ワールドのDISCを奪えば最強になれるんだからやれよ」と挑発されるも、こう返答しています。
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』11巻 集英社(72頁)
DIOに歯向かうつもりはないどころか、「ついて行きたい」「愛している」という言葉まで使っています。本当に大好きそう。
またDIOの天国に行くという目的について、ヴェルサスへの発言を見てみると…
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』14巻 集英社(143頁)
判事のババアと同じタイプの口してる。この口の時、大体煽りシーンだな。
プッチを阻止しようとするアナスイにも「安っぽい感情で動くな」と述べており、DIOと自分の天国に行くという目的は高尚と考えていることが伺えます。だからプッチはDIOのことを大切に思うだけではなく、崇拝に近い感情すら持っていたのかもしれません。神は神でもDIOを信じちゃう神父様なのね…
プッチがDIOの息子たちに優しくない理由
DIO大ファンらしいプッチですが、ここでDIOの息子たちへの接し方も見てみます。大切な人の友人や家族には丁寧に接するものですが、プッチはなんだか横暴でしたよね~!なんせ初対面からこれだし…
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』13巻 集英社(70頁)
上から目線だな~~~~!!!いきなりこんな態度の人、なんか嫌だよな~~~!もしDIOが生きていたらもう少し丁寧に接しそうな気もしますが、大切なのはあくまでもDIOだけであり、DIOの息子たちだろうが天国に行くために使えるものは全て使う!というスタンスなんでしょうね~…息子たちの心の成長なんかどうでもいいんだろうな~…
ヴェルサスにも偉そうによォ~とウザがられていたように、DIOが大好きなあまり、周囲の人間の感情には気が回っていなさそうなプッチ。天国に行きたい!という煩悩に溢れているようですが、そこまで心酔させるのがDIOのすごいところですよね~さすが悪のカリスマだ…
2. DIOから見たプッチとの関係
今度はDIOから見たプッチとの関係についてです。手を差し伸べてくれたジョースター卿を毒殺しかけ、ジョナサンは傷つけ…と他人と協力したり、心を開くようなキャラクターではなかったDIOですが、プッチとの関係を見てみると…
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』11巻 集英社(69頁)
すごいゴロゴロしてる。あ~あ~寝てるだけで天国に行ければな~ゴロゴロ~ゴロゴロ
人様のベッドで寝転びながら互いに読書をするなんて、一見気心知れた仲に見えますよね~!でもDIOは心許した友人を演じるためにゴロゴロしていたともとれそうなところ。あれだけスタンドの相談に乗ってもらっていたエンヤ婆も殺害しちゃったからね~!したたかだからな、DIOは。
そんなDIOはプッチとお互いのもとを訪問し合っていたそう。太陽が苦手なDIOが外に出るなんて、プッチのこと大好きじゃ~ん!と言いたくなりますが、プッチのことを知っておきたい、関係を維持したいと考えていたからこその行動とも言えますよね~…後述しますが、無欲で神の法を尊ぶ信頼できる友を探すのってかなり難儀っぽいからな~…
あとはプッチに謝るシーンね。ザ・ワールドのDISCを抜けよと挑発するも、プッチに流された後の台詞を見てみると…
君を侮辱してしまったか…すまない……思ってもみなかったのだ 話をしてると心が落ちつく人間がいるなんて……君がいなくなるのが怖かったのだ…君は気高い聖職者になれるだろう荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』11巻 集英社(69頁)
本当かよ~~~~~!?な~んか嘘っぽいよね~…
自分の心の弱さを打ち明けているのは、信頼できる友だからこそなのかもしれません。でもスタンド使い博士のアヴドゥルさん曰く「DIOの言葉には危険な甘さがある」とのこと。つまりDIOは自分を惹きつけるための魅力的な言葉を吐く才能に長けており、この台詞も本心とは言い難いのではないでしょうか。あくまでもプッチを引き込むための言葉なんだろうな~…
とはいえルーヴル美術館やマイケル・ジャクソンを話題に挙げたり、サバイバーについて喋りまくったりと、プッチとの会話を全く楽しんでいなかった訳でもなさそうなDIO様。エンヤ婆にも「生きるとは…」って語っていたように、人と話すのは嫌いじゃないんでしょうね~…
でもこれだって天国に行くために「信頼できる友」が必要だからこそ、友らしいことをしていただけかもしれません。やっぱりDIOは天国に行くという目的を常に忘れず、プッチのことも利用したいという気持ちが一番にあるのではないでしょうか。
プッチが「信頼できる友」かテストしていたDIO
最後にDIOがプッチに仕掛けたテストについてです。DIO曰く天国に行く目的のためには、無欲で人より神の法を尊ぶ信頼できる友が必要とのことですが、本当に見合う人間か否かを審査しなくてはいけないはずです。
で、DIOは恐らく色々な教会に忍び込んでは神父らと接触して、信頼できる友に適任かを判断していたと思うんですよね~!だって教会に潜んでいたシーン、見てよ…
荒木飛呂彦(2001年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』15巻 集英社(12頁)
見つけてくれといわんばかりの足の出し方。この後スッと隠すのも面白いよね。
人との出会いは引力と話していたDIOですが、たまたま足に気づく人がいれば、それが引力が働いた人と判断していたのではないでしょうか。で、接触出来たら太陽アレルギーだの日没まで休んでいただのと説明し、信じて親切にしてくれればキリスト教の隣人愛の概念を実践している者=人より神の法を尊ぶ者として、天国に行くための友に適していると判断していたと。
逆に攻撃や通報をされれば、神より人の法を尊ぶ者としてその場で始末していたんじゃないかな~…そしてテストに合格した人には、矢という重要アイテムを手渡すつもりだったのではないでしょうか。
また「ザ・ワールドのDISCを抜けばいい」とプッチを試していたのも、天国に行くために必要な「権力欲や名誉欲、金欲、色欲のない人間」として適しているのかテストしていたのかもしれません。これね。
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』11巻 集英社(71頁)
DISCを奪うことなく、DIOへの親愛の情を伝えていたプッチ。権力などの欲もなく信頼できる友としては満点回答でしたが、その行動を見るや今度は右足の骨を渡していました。合格するとなんかくれるんだな、DIO様。
この骨は緑色の赤ちゃんを生み出す重要アイテムだった訳ですが、ここまで大事な物を手渡すのは、それだけ天国に行くための条件に当てはまる友が少なかったということなのかもしれません。そんな中でプッチに出会えたのなら、絶対に関係を維持しておきたいはずですよね~!矢や骨を惜しみなく渡し、わざわざアメリカまで訪ねてくるのもわかる気がします。
だからDIOから見たプッチは友人というより、「信頼できる友」として利用できる人材と考えていたのではないでしょうか。でも船の模型をいじったり、それなりに楽しそうでもあったよねDIO様。
まとめ:DIOとプッチの関係は一方的な仲良しの可能性が高そう
DIOとプッチの関係を考察してみました。
プッチはDIOを本当に信頼しているようでしたが、DIOから見たプッチは天国に行くために利用したい人物と考えていたのではないでしょうか。あれだけ心酔していたプッチと協力するのではなく、自分のために使えるものは使うというスタンスなのがDIOらしいというか…
ちなみに2024年現在、カイロからフロリダ州行きの直行便はなく、最低1回乗り継ぎをして約16時間かけて行くしかないらしく、乗り継ぎの時間帯や現地到着時刻など必ずどこかで日の当たる時間帯にぶつかるようです。DIO様、超リスキーな旅してるな~!
DIOとプッチの話はこちらもどうぞ~!