岸辺露伴はなぜ康一くんが大好きなのか考察してみた

ジョジョコラム

ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した岸辺露伴。我の強い漫画家のキャラクターでした。

性格的にクセが強い岸辺露伴ですが、そんな彼が大好きなのが広瀬康一でした。でもなぜあんなに気に入っていたのでしょうか。考察してみました。


1. 露伴の好きな人柄だった康一くん

まずは康一くんの人柄についてです。初期のヘブンズ・ドアーが効いたり、露伴が「気が合う感じがする」と直感的に感じた康一くん。第一印象から好印象だったようです。

でもヘブンズ・ドアーが効いたなら億泰も好きなんじゃ…と言いたくなりますが、そうはいかないようで…


荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』40巻 集英社(56頁)

息をするように悪口が出てくる露伴先生。

ウマが合わない、頭が良くない、精神的に荒れやすい人と関わるのが嫌そうですね~!そういう意味では、穏やかでありながら勇気があり、機転を利かせられる康一くんは、やっぱりドンピシャなのかもしれません。

しかも康一くんのことはただの好きではないんですよね~…チープ・トリック戦ではこんな発言も…


荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』44巻 集英社(182頁)

尊敬なんて言葉が出る奇跡よ…!

というのは、露伴の登場時の公式プロフィールでは「自分以上にスゴイ人間はいないと思っている」「誰であろうと小バカにしている」と書かれているのです。ここでは状況が状況だけに、康一くんが来てくれたことに興奮しすぎて、つい「尊敬」なんて言ってしまった…という可能性もあります。が、露伴は杉本鈴美のいる小道に入る前にも、康一くんに「尊敬の気持ちを感じた」なんて言っているんですよね~!だから多少なりとも、本心が入っていたのかもしれません。これは大事件だよな~!

このように康一くんは露伴が嫌いなタイプの逆をいくこと、尊敬の気持ちを覚えた可能性があるからこそ、気に入られていたのではないでしょうか。しかし露伴先生は気に入るとベタベタくっつくタイプだな…気が合う人間が少ないからこそ、康一くんに出会えたことがめちゃくちゃ嬉しいのかも…!?

露伴のヘブンズ・ドアーについては、こちらで触れています~!

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露伴が描きたかった主人公像だった康一くん

次に露伴の漫画と康一くんについてです。さて露伴は康一くんの人柄を読んだ時に、このような発言をしていました。


荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』34巻 集英社(153頁)

髪が穴だらけの初期康一くん。お花とか刺してみたい。

漫画の主人公向きで最高だよ康一くん~!と言う露伴先生。一見漫画の主人公としてのみ、康一くんの人格を判断しているように見えますが、漫画には人一倍こだわる露伴のことなので、自分が心から気に入ったものを描くはずです。仮に仗助が主人公として面白くても、描きたがるかはかなり微妙だろうし…

さらに間田を読んだシーンを見てみると…


荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』34巻 集英社(159頁)

読まれた3分の2が下ネタという悲劇。しかも3分の1は犯罪やんけ…

ここで注目したいのは、「漫画にしても好かれない」だけではなく「最低な男だ」と発言していることです。つまり露伴は、漫画の主人公として、少なくとも一人間として素晴らしいと言えない人間は描きたがっていないことが伺えます。だからやっぱり康一くんのことは、人としても本当に気に入っていたのかもしれません。

このように考えると、露伴は漫画の題材としてはもちろん、康一くんを純粋に素敵な人間と感じたからこそ大好きだったのではないでしょうか。やっぱり「尊敬している」発言も、本音なのかもな…

康一くんが優しい話は、こちらでも考察しています~!

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2. 露伴の扱いが上手すぎる康一くん

次に露伴に対する康一くんの言動を見てみます。注目したいのは、露伴が振り返ってはいけない小道を調べようとするシーンです。散々迷惑をかけた康一くんに調査の動向を頼む露伴ですが、断られるとこの態度。


荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』34巻 集英社(159頁)

あふれ出すどの面下げて感。メンタル鬼強い。

だけど康一くんは、「5分だけ」と言ってついてきてくれるのです。康一くん本来の人の良さなのでしょうが、もし「僕には僕の事情があるんですよ!!!(大激怒)」なんて断られていたら、露伴は康一くんのことを気に入っていなかったのかもしれません。なんせ自分が1番の人だし…コントロールできない人とは付き合わないんじゃないかな~…

だから正面からぶつからず、妥協点を見つけながら付き合える康一くんは、ナチュラルに露伴の扱い方が上手いタイプなのかもしれません。

そんな康一くんですが、露伴の言うことを受け入れてばかりではありません。ここからはそんな康一くんの態度に注目してみます。

露伴のファンでも媚びない康一くん

次に康一くんが露伴のファンであることに注目してみます。あの露伴先生が杜王町に!と、喜ぶほどのファンだった康一くん。大好きな有名人と知り合えたなら、嬉しさや縁を切られる怖さから、何でも相手の思い通りに動いてしまうことだってあり得たはずです。

ところが康一くんはそうはなりませんでした。


荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』44巻 集英社(139頁)

あの露伴先生がうろたえてるだと…?超図星だったんだろうな~!

漫画の大ファンでも、露伴に臆することなく物申す康一くん。しっかり者だよな、本当…

そして極めつけは、杉本鈴美と別れる場面でのことです。「寂しくない」と素直な気持ちを言えない露伴に対し、康一くんが無言の圧力をかけていました。


荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(182頁)

間田だったら「そ、そうですよね~!」って媚びてただろうな。

ここで言わなくていつ言うんですか~!今でしょ~~~~!!!!と言わんばかりの形相です。こんな態度で露伴に迫ってくる人、今までいなかったんじゃないかな~!しかも年下だし…やっぱりすごいな、康一くん!

つまり康一くんと露伴は、もはや先生とファンの間柄ではなく、対等な関係で付き合っていたのではないでしょうか。今までチヤホヤされたことも多かったであろう露伴には、康一くんの真摯な行動は新鮮だったはず…だからこそ媚びずに接してくる態度に、好感が持てたのかもしれません。

杉本鈴美に素直になれない露伴先生については、こちらで詳しく触れています~!

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3. 露伴の嫌いな仗助と大好きな康一くんの違い

最後に仗助と康一くんの違いについて比較してみます。仗助を嫌いとまで発言していた露伴ですが、大好きな康一くんとの違いはどこにあるのでしょうか。

スタンド使いとしての素質が不足していた康一くん

まずは康一くんと仗助のスタンド使いとしての違いを見ていきます。仗助はジョースター家の血を引いていたことで、スタンド能力に目覚めました。一方で、形兆の矢に射られるも死にかけた康一くんは、スタンド能力者の素質に恵まれていた訳ではありません

ここでスタンド能力者の素質として、ジョジョで言及されてきたことを思い出してみます。「犯罪者ほど向いている」「穏やかな性格は向かない」とのことでしたが、それは一癖ある人物こそスタンド使いに向いているとも解釈できるのではないでしょうか。実際に4部のスタンド使いを見ても、形兆に玉美、音石明、由花子ちゃん…と一筋縄ではいかない人物ばかりだしな…

そして性格的にスタンド使いの素質が不足していた康一くんは穏やかで、我が強くも、癖があるタイプでもありません。いかにも素質不足なタイプですが、これこそが露伴の好みにぴったりだったんじゃないかな~!

というのも露伴は仗助の行動を見て、こんな発言をしていたんですよね~…


荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』41巻 集英社(21頁)

仗助について「自分の考えていることと逆のことをするから嫌い」とのことですが、逆に考えれば「自分の考えている通りの人が好き」でもあるはず。だからアクが強いスタンド使いの素質にあふれた人間よりも、心が広く、自分の思い通りに動かしやすい康一くんが好きなのではないでしょうか。

だってねぇ…杉本鈴美のいる小道に同行してくれるし(嫌々だったけど)、カメユーデパートの取材に付き合ってくれるし(ほぼ誘拐だったけど)…

このように仗助と康一くんを比較すると、スタンド使い向きの性格か、というのが一つの分かれ目なのかもしれません。我が強く、思い通りに行動してくれない性格は、露伴としては嫌なんだろうな…自分の我が強すぎるからな…

仗助と露伴の仲については、こちらで考察しています~!

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負けず嫌いな露伴をハメる仗助と救う康一くん

最後に仗助と康一くんの露伴に対する行動の違いを見てみます。まず注目したいのは、チンチロリンでのこの台詞です。


荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』41巻 集英社(59頁)

ジョセフも入るのが意外だよな…漫画ファンを大事にしてるんですかね…(なお間田)

それはともかく、コケにされることが嫌な露伴先生。チープ・トリック戦でも、康一くんにスタンド攻撃を信じてもらえなかったことに対し、体を震わせて悔しさを滲ませていました。


荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』44巻 集英社(145頁)

プライドが高いからこそ負けたくないし、ハメようとされたくない人なんですよね~!だから小細工でだまして、金をふんだくろうとした仗助は、やっぱり好きにはなれないのだと思います。

一方で康一くんは、チープ・トリックに敗北しそうになり、さらなる屈辱を味わわされかけたところを助けに来てくれました。露伴にしたらそれはもう救世主な訳ですよね~!「尊敬」とか「親友」って言葉が出るのも納得かも…

このように見てみると、露伴が嫌いなことを見事なまでにやらかしたのが仗助で、露伴のプライドが傷つく窮地を救ったのが康一くんだったのです。だから仗助は毛嫌いしているし、康一くんにはウキウキなのかもしれません。露伴先生的には、神様仏様康一様だったりして…

承太郎にも好かれる康一くんのお手柄については、こちらでも考察しています~!

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まとめ:岸辺露伴が康一くんが大好きなのは好みの人柄で媚びないから

岸辺露伴が康一くんを大好きな理由を考察してみました。

露伴の好みの人柄であり、プライドが傷つくような事態にも手を差し伸べてくれた優しい康一くん。孤独を感じたことがないという露伴先生ですが、それでも気の合いそうな人間が現れたことはちょっと嬉しかったからこそ、大好きなのかもしれません。

でもあれだけ仲良く出来ていたのは、康一くんの懐の広さも大きいよな~!初対面であれだけやられたのにな…ある意味、露伴先生の何倍も大人なのかも…!?

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