スクアーロとティッツァーノの関係をスタンドや性格から考察してみた

ジョジョコラム

ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したスクアーロとティツィアーノ。ディアボロの親衛隊の2人でした。

一筋縄ではいかなさそうなただならぬ雰囲気を醸し出すコンビでしたが、今回は両者の関係性について考察してみました。


1. スクアーロとティツィアーノのコンビとしての相性

まずはスクアーロとティツィアーノの相性について考えてみます。なんだかとっても仲の良さそうでしたよね、この2人。


荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』56巻 集英社(174-175頁)

敵を観察しているだけなのにこれ。相変わらず近いな~~~~~!

荒木先生曰くカップルではないとのことですが、深い絆で結ばれているのは間違いなさそうです。戦闘面では良いコンビネーションを発揮していたのも印象的でした。

でね、この2人って互いに不足している部分を補うことができるからこその名コンビなんですよね~!例えばティツィアーノのトーキング・ヘッドはチームのかく乱や信頼関係の破壊を得意としており、直接的な攻撃力は弱いスタンドです。というかスタンド使いにトーキング・ヘッドを取り付けるのでさえ一苦労なのでは…?

一方でスクアーロのクラッシュは水中間の移動スピードが売りで、牙で急所を狙って相手を殺害することも可能なスタンドでした。作中では速さを生かしてトーキング・ヘッドをナランチャの舌に仕込んでいましたね~!ティツィアーノにしてみればありがた~~~い能力であり、両者とも短所を補い長所を生かした攻撃を展開できるのがコンビとしての強みではないでしょうか。

また性格面も見てみると…スクアーロは「任務遂行には自分だけで十分と思っていた」と語っていたように、自信が伺える人物です。でもレストランの外に飛び出してきたナランチャを見て焦るなど、予想外の事態にはテンパりがちなところも…

そんなスクアーロを上手になだめていたのがティツィアーノでした。例えばナランチャが「本体を見つけた」と宣言しながら2人に近づいてくるシーンでは…


荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』57巻 集英社(81頁)

説得力のある説明でスクアーロを落ち着かせようとしていました。観察力や状況を把握する力に長けているティツィアーノは、どこか気弱になりがちなスクアーロの精神安定剤的な役割も担っているとも言えそうです。

互いに補い合える能力、性格を生かしていたこの2人。だからこその名コンビであり、息の合ったプレーができるんでしょうね~…それで死線を潜り抜けてくれば、自然と絆も深まるんだろうな~…

ボス親衛隊のもうひとつの息のあった(?)コンビの話もあります

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ボスの命令遂行という目的が一致していたスクアーロとティツィアーノ

次に任務に対する姿勢から、名コンビの理由を考えてみます。ナランチャ戦では、命をかけて指令を全うしようとしていたこの2人。スクアーロは意図的に撃たれ大量出血しながらも、ジョルノを海に沈めようとしていたりとかね。そしてティツィアーノも…


荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』57巻 集英社(95頁)

身を挺してスクアーロを救うだけではなく、出血によりクラッシュを出現させるための水分を作り出していました。命を犠牲にしてでも勝利を掴もうとする強い意志が伺えますよね~…

つまり両者ともにボスの命令に忠実に従い、任務遂行に一生懸命だったのも名コンビの理由なのではないでしょうか。花京院が「死んだ仲間を思うと鳥肌が立つのは、目的が一致していたから」なんて述べていたように、同じゴールを目指す中で自然と連帯感が強まっていたのかもしれません。

でもね~~~~スクアーロは最後はボスの命令を放り投げちゃうんですよね~~~~…その話はまた後で…

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2. スタンド発現の経緯や過去から考えるスクアーロとティツィアーノの関係

次に2人の間柄と、スタンド発現の経緯を探ってみます。2人のスタンド発現はポルポの入団試験時だと思われますが、ここでは出会いと入団のタイミングを中心に、スタンドとの関係を考えてみました。

まず両者が入団前から仲良しだったとすれば…互いに助け合うことができる能力や、片方のスタンドに相性がいいスタンドを望んだのかもしれません。どちらが先に発現したのかは不明ですが、スクアーロの能力が先に発現していれば、ティツィアーノはクラッシュが致命傷を与えられるよう場をかく乱できる能力を、逆ならスクアーロはスタンド使い相手でもトーキング・ヘッドを取りつけることができ、殺傷能力もあるスタンドを望んだとかね。

またスタンドの外観も見てみると…クラッシュはサメ似、トーキング・ヘッドはタコの吸盤のような足がついていました。両スタンドともに水中生物に関係する外見なのは、2人が仲良しだからこそだったりして。海辺でいい思い出でもあるのか…?

そしてもし入団後に知り合った仲であるなら、スタンドには本体の精神性がよりダイレクトに反映されていることになります。スクアーロはパニックになりやすいからこそ、1対1で対峙するのではなく、自分に有利な状況から瞬間的にとどめを刺せるスタンドが現れたなんてことも考えられそうです。

でね、クラッシュのモデルは甲冑魚だそうですが、全体的な造形はちょっとネコザメっぽくも見えるんですよね~…これがクラッシュで…


荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』56巻 集英社(172頁)

これがネコザメね。体長は約1.2mまで成長するそうですが、サメの中では小型になります。

ドンピシャではありませんが、大きな背びれと付随するトゲ、饅頭のような顔の形あたりがな~~~んか近い気が…

そんなネコザメは人間を襲わない大人しい性格でも、貝殻を割ることができるほど噛む力は強いのだそうです。もし本当にネコザメが参照されているとすれば、クラッシュが肉弾戦のような激しいバトル向きではなくとも、人間を殺害できるほどの咬合力があるのも筋が通ることにはなります。まあでもドンピシャではないからな~、一応ね…

ティツィアーノはね~~~~難しいですよね~!優れた観察力と冷静な判断力があるため、前線を張るよりサブに適した能力が生まれたのだとは思います。でもなぜ嘘を吐かせるのかというのがね~…過去に嘘が必要な状況があったのか、自分の性格をギャングでも生かせる能力が欲しいと思ったのか、本人の性格がよっぽどアレなのか。人がパニクってるのを楽しむタイプ的なね…

ただ入団前から仲良しだったという前提に立つのであれば、スクアーロを取り囲む人間を遠ざけたい願望があった、なんてことも想像できそうです。親友を取られるかもという嫉妬から、スクアーロの前で嘘を吐かせて信頼をなくし、人間関係を壊したい!と思ったとかね。あれだけくっついてる2人だしな~…

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3. なぜスクアーロはティツィアーノの敵討ちをしようとしたのか

最後はスクアーロがティツィアーノの敵討ちに挑んだシーンについてです。ディアボロの命令を遂行する強い覚悟を見せていた2人ですが、ティツィアーノが倒れると「ボスの命令はもうどうでもいい」「お前のためにナランチャたちを皆殺しにする」と復讐を目的にしたスクアーロ。その変化の理由について考察してみます。

まず考えられるのが、ティツィアーノに対する情や恩義です。絶妙なコンビプレーで任務を遂行しながら絆を深めていたであろうこの2人。大切な相棒がやられれば、怒りや悲しみが戦う姿勢に現れても不思議ではありません。しかも熱くなりがちなスクアーロの横で、冷静で的確な判断を下していたのがティツィアーノであり、その言動に命はもちろん精神的にも救われることが何度もあったはず。そんな恩もあればなおさらプッツンするのではないでしょうか。

でもスクアーロはディアボロへの忠誠心を捨てたわけではないんですよね~…ナランチャにとどめを刺された際の台詞を見てみると…

こんな………圧倒的な『精神力』………「裏切り者のくせに」……ボスに始末される運命の…未来に絶望しかない者のくせに………なんなのだ?こいつらをつき動かす………まるで希望があるかのような精神力は い… 一体?
荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』57巻 集英社(102頁)

「裏切り者のくせにという言葉から、ブチャラティチームは反逆者で自分は違うこと、そしてボスに付き従う者よりも卑しい存在と認識しているようにも聞こえます。なんせボス直属の親衛隊だもんね~!裏切り者を軽蔑的な目で見ていたのかもしれません。

そんな下等な相手に大切な人を殺されれば、そりゃ~腹も立つ訳でね…ボスの命令のためではなく、ブチャラティチームを跡形もなく殺害したいとキレまくっているのもわかる気がします。しかも予想外の出来事には取り乱しがちなタイプのスクアーロなので、ショッキングな状況にはなおさら冷静に対処できないんでしょうね~…

ティツィアーノへの情、ブチャラティたちへの軽蔑、スクアーロの性格など様々な理由が考えられそうな敵討ちの理由。でもボスではなくティツィアーノのために皆殺しにするとは言っていたものの、結果的にはディアボロの命令を遂行していることには変わりないんだよな~理由はさておきボスのために尽くしていることにはなるんですよね~!エライッ!

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スクアーロがブチャラティチームの精神力を理解できなかった理由

スクアーロのブチャラティチームの精神力が理解できない発言について、その理由をもう少し考えてみます。「未来が絶望的なのに希望があるかのような精神力を持てるのはなぜ?」とのことでしたが、まあそりゃそうなのよ。だってスクアーロは絶望的な状況だとパニックになっちゃうもんな。希望どころの話じゃないのよ…

でも最大の理由は人生を歩む姿勢と目的にあるのではないでしょうか。まずブチャラティチームは皆、絶望の中でも希望があることを知りながら未来へと踏み出していました。居場所がない中で名もなきギャングに出会ったジョルノ、ジョルノの夢に賭けたブチャラティ、ブチャラティに手を差し伸べてもらったチーム員たち…など、望みを見出した経験をしています。

スクアーロだって絶望の中にも希望があることは知っていたはずです。だってピンチになれば、何度もティツィアーノが助言してくれたんだもの…それでも理解不能だったのは、ブチャラティたちほど夢や目標のための強い意志を持って生きてはいなかったからなのかもしれません。なんせ全員が自分の決断でボスに反旗を翻して、よりよい未来を目指したチームだからな~!ディアボロに忠義を尽くすばかりの人間とは覚悟が違うよね~…

スクアーロも最後の敵討ちは自分自身で決めたことでした。でも仮にブチャラティチームを始末してボスの下に戻ったとしても、その先の明るいビジョンがイマイチ見えないんですよね~…ティツィアーノを失った怒りと悲しみに暮れ続けるとか、そんな命令を下したボスすら恨むのではないかとか、暗い想像はできるんだけどね…

だからスクアーロはボスの命令を聞いた先に目指す夢や未来がなかったのかな~という気がします。というかスクアーロの望みはティツィアーノと共にあることなんでしょうね~…ボスの命令を遂行していれば、ずっとティツィアーノと一緒にいられる訳でね。彼にはそれだけで良かったのかもしれません。そんな安泰な人生だったからこそ、反逆者の覚悟は理解できなかったりして…

だからスクアーロがブチャラティチームの気持ちに疑問を持っていたのは、ボスの命令に忠実な人生ゆえなのではないでしょうか。夢に向かって覚悟が出来ているかどうかが描かれた、5部らしいテーマのシーンなんだよな~!

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まとめ:スクアーロとティツィアーノの強い関係はスタンドや性格の相性、深い情や絆があるからこそ

スクアーロとティツィアーノの関係について考察してみました。

ただの友人以上の仲にさえ見える両者ですが、深い関係なのはスタンド能力はもちろん、性格の相性の良さや戦闘で築き上げた絆などが理由なのではないでしょうか。

ソルベとジェラート、プロシュートとペッシ、チョコラータとセッコなど、数多くのコンビが登場する5部ですが、中でもこの2人は同等な立場の相棒であり、コンビネーションにも優れていたのが印象的でしたよね~!物理的な距離は近いし、バンダナもつなぎファッションもサンダルもお揃いだし。本当に仲がいいんだろうな~…

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