ジョジョの奇妙な冒険3部に登場した花京院典明。承太郎に命を助けられ、旅に同行した仲間でした。
DIO戦で散った花京院でしたが、もし生き残っていたらその後のストーリー展開はどんな変化が起きるのでしょうか。考察してみました。
1. もし花京院が3部の終わりに登場したら
まずは3部終了時から考えてみます。空港で承太郎たち3人が別れるラストシーンが印象的でしたが、もし花京院がいたとすれば…この台詞も変わってきますよね~!
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』28巻 集英社(184頁)
「そして小生意気な年下よ!フランスにも遊びに来いよ!」とかついちゃう。テンポ悪~~~~!
さらに花京院からポルナレフへの返しもあるからますます長いし、なんだか間延びしまくるこのシーン。3人しかいなかったからこその名場面なことがよくわかりますね~…「イギー!アヴドゥル!終わったよ……」もなんか物足りないしな~…
花京院の家族関係の変化
それはさておき気になるのは帰国後の話です。家出のような形でエジプトに旅立ったらしい花京院。さぞ両親も心配しているかと思われますが、帰ってきたら友達を作ってくるわ、その爺ちゃんは不動産王だわ、SPW財団をバックにつけてくるわ…アンタ騙されてない?と別の意味で不安になりそうです。でも嬉しいよね、息子が友達を連れて帰ってくるんだもの。
両親は恐らくスタンド使いではなく、花京院は自分の能力、孤独を選ぶ理由を説明しづらい部分があったのではないでしょうか。でも承太郎たちがいる今、スタンドの存在を証明できるはず。友人を作らなかった理由もこれを機に説明したとすれば、両親の息子に対する理解や、家族間の絆も深まるのかもしれません。
ただもし花京院が両親とホリィを比較したとすれば…承太郎が警察沙汰になろうが、花京院を抱えてこようが、余計な口出しを一切しなかったホリィ。その時の心境についてこのように描かれていました。
荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(115頁)
心配はするものの優しい性格と信じているそうな。血だらけでやってきた見知らぬ人間を布団で寝かして世話できたのも、承太郎への絶対的な信頼があるためですが、そんなホリィの姿勢を見たからこそ、両親には自分のことも心配だけではなく、口数少なくとももっと信頼して欲しい、なんてちょっとした不満が生まれたりして…
いずれにせよ旅により家族関係に変化が生まれそうな花京院。どんな描写がされたのか、ちょっと見たかったよな~…
2. 4部で花京院が杜王町にやってきたら
次に4部についてです。3部では転校生としてやってきた花京院ですが、康一くんと似た制服のところを見るに、杜王町出身でぶどうヶ丘高校に通っていた可能性がありそうですよね~…杜王町が舞台の4部と8部では仙台市の地名が由来のキャラクターが数多く登場しましたが、花京院も実在する町名だし…
もし本当に杜王町出身なら、鈴美ちゃんが殺害された事件を知っていたのかもしれません。前情報を持っている上に土地勘もあるとくれば、吉良事件の捜査には逸材になりそうなんだよな~!
そして追跡から逃れるために見た目を川尻浩作に変えた吉良ですが、これも花京院がいれば即見破れる展開もあり得そうです。恋人戦ではハイエロファントグリーンを使って本物のスタンドを見つけ出していたもんね~!
荒木飛呂彦(1990年)『ジョジョの奇妙な冒険』18巻 集英社(44頁)
ここではダミーか本物かを判定しているだけでしたが、もし人格を含めた中身まで詮索できるのであれば、吉良がいくら外見を変えようがバレてしまうんですよね~…露伴が写真撮影をしていた駅周辺でも張っていれば、すぐに見つかりそう。勝ったッ!第4部完!
もうひとつ気になるのが、仗助との関わり方です。荒木先生曰く「花京院は承太郎より仗助と仲良くなれるのでは」とのこと。承太郎とは相撲の話でスマートな会話をしたり固い握手を交わしたりと、大人びた男の友情を築いていましたが、仗助とはもっと明るく、口数の多い関係になりそうですよね~!お互いゲームもできるし…この辺りも見どころになったのかもしれません。
3. 5部前後での花京院
お次は5部ですが、まずジョルノの調査に行くのが康一くんではなく花京院の可能性がありそうです。康一くんを選んだ理由について、承太郎はこう述べていました。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(76頁)
花京院でええやん。イタリア語をしゃべる花京院爆誕。
花京院なら康一くんと同じ遠隔操作型の上に、DIOとの関係性を頭に入れてから出発するのではないでしょうか。ジョルノにもかなり警戒して挑むはずなので、スムーズに肌の一部を切り取って帰れた気がします。というか承太郎も最初から康一くんにDIOの子供かもって教えてあげればよかったんじゃ…
ところで康一くんはイタリアに到着して早々、早速ジョルノに荷物をスられていました。でもね、インドでやらかした花京院なら大丈夫。スリなんて慣れてるのよ。財布をとられた経験を生かして、スリ大国のイタリアでは用心するんじゃないかな、多分…
花京院が生きていたらポルナレフの運命はどのように変化するのか
そして5部ではポルナレフが登場しますが、もし花京院が生きていたら物語はどう変化するのでしょうか。
DIO撃破後の承太郎とポルナレフは矢の調査をしており、アニメ版では承太郎はアメリカとアジア方面、ポルナレフはヨーロッパとアフリカ方面にいたことが補完されていました。この調査に花京院も加わっていたとすればアジア担当になるか、どちらかとチームを組むか、臨機応変に動いて2人に加勢するのではないでしょうか。矢の秘密や行方が判明するタイミングももっと早くなりそう。
またディアボロ戦後に身を隠すことになったポルナレフですが、捜索が得意な花京院がいれば居場所を特定して援護していた展開もあり得ます。というかポルナレフが音信不通に追い込まれる前に、異変を察知して見つけ出せる可能性も…!ただしかなりの手間と時間がかかる上にディアボロも必ず邪魔してくるはずなので、簡単な話ではなさそうです。花京院が死ぬパターンもあるよね…
で、もし花京院がポルナレフの捜索に成功したとすれば…承太郎と共にパッショーネやディアボロに挑むことになりそうです。時を止めるvs時を飛ばす戦いも気になりますが、もしポルナレフが矢の秘密に気づいた後に合流したとすれば、矢を使用するのが承太郎の可能性もありますよね~!スタープラチナ・ザ・ワールド・レクイエムね。名前が長い。
こうなるとジョルノたちと合流する話自体、なくなっていたのかもしれません。仮に合流するとしても体の自由が利く花京院や承太郎が待ち合わせに行き、ポルナレフが命を賭けて矢の秘密を伝える展開はなし、亀エンドも回避されそうです。ダメだ、花京院がいると話がスムーズになりすぎる。全然受け継がれる意志ないじゃん…
4. 花京院の活躍で6部の結末は変わるのか
最後に6部の話の変化についてです。衝撃的な結末を迎えたストーリーでしたが、終盤の描写がかなり変わってきそうですよね~!
荒木飛呂彦(2003年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』17巻 集英社(136頁)
ここに花京院もいるのか…大混雑やんけ…
でもやっぱりプッチには勝てないよね~~~~~…法皇の結界を張ってプッチの位置を掴めたとしても、動きが速すぎるからな~~~~…
頭脳派の花京院であれば承太郎が徐倫を最優先で守ること、そこをプッチが狙うことを予想し、承太郎らを守る、攻撃してきたプッチを狙うなどの対策を打つとは思います。でも勝利するのは難しいよね。承太郎と徐倫が生き残ったところで、ずっとプッチが狙って来るだけだし…
ただ話の結末自体は変わらなくてもラストシーンは変化するはずです。ほら、ここに花京院の顔も入れてみて…
荒木飛呂彦(2003年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』17巻 集英社(260-261頁)
花京院終わったよのアレみたいになっちゃう。ダメだ、笑ってしまう。
ということで花京院が6部に登場しても途中経過が違うだけで、結末はほぼ同じだった気がします。プッチ、強し。
花京院が生きていたら承太郎の愛情表現は変化したのか
次に承太郎の変化について考えてみます。無口なあまり徐倫に気持ちが伝わっていませんでしたが、もし花京院がいたら承太郎の愛情表現は変化していたのでしょうか。
これね~~~変化していた可能性がありそうですよね~!スタンド使いではなければ真に気持ちが通い合うとは思えなかったために、両親を「深くは思っていた」とはいえど、愛情を受け止め切れていなかったところがありそうな花京院。母親と先生のこんな会話まで耳にしていたらしいし…
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』27巻 集英社(127頁)
この言葉を聞いてしまった時、どれだけ寂しかったことか…スタンドの有無で人間関係に一線を引いていたのは花京院だとしても、「息子のことがよくわからん」とはっきり口にされたらやっぱり悲しいですよね~…
こんな辛い経験をしているのであれば、親との心の距離がもたらす寂しさを承太郎に伝えることはできるはずです。徐倫が高熱を出した時だって帰国までは難しくとも、もう少し家族の心のケアはすべき、傍にいられないことへの謝罪や愛の言葉を紡ぐべきという話くらいにはなっていたのかもしれません。
花京院は徐倫の悩みに共感できるのか
そして花京院が徐倫と出会った場合についても考えてみます。承太郎からの愛に飢えていた徐倫ですが、花京院はこの悩みを解決できるのでしょうか。なんか難しい気がするよな~…
まずアメリカ育ちで反抗期真っ盛りの女の子の悩みを、日本育ちで年の離れた中年男性に相談するか、と言われても…ねぇ…文化も年齢も性別も何一つ共通点のない相手になんて話したくないよね…花京院と長年の付き合いがあるなら、相談する展開もあり得たかもしれません。でも花京院が間に入っていれば、承太郎とのすれ違いがここまで深刻にならなかっただろうし…
あとは2人の親子関係の問題ってちょっと質が違うんですよね~…両者とも親子が互いを100%信頼し、感情をぶつけ合える関係ではなかったと思います。ただ花京院が死の間際に両親への謝罪の言葉を並べていた様子からは、両親とはどこか一線を引いてはいたものの、愛し愛されていたことが伺えました。
一方の徐倫は両親を愛するよりも、まず父親に愛されたい気持ちが先行しているタイプでした。愛情不足からか犯罪に手を染め、酒を飲み、男にも騙されるなど無計画で自傷的にも見える行動が目立ち、寡黙に過ごしていた花京院とは明らかに差異があります。
悩みの種類や本人の気持ちの向き方に違いがあるので、意気投合まではいかなさそうなこの2人。ただ花京院に出来ることがあるとすれば、親ともっと距離を縮めたいことへの共感と、承太郎の静かな優しさを伝えることなのかもしれません。受け入れてもらえるかは別だけどね。あんまり父親の肩ばかり持たれるのも嫌だろうし、本当に向き合わなくてはいけないのは承太郎だし…
でももし承太郎の愛情がもっと早くに伝わっていれば、「なんであんな事しちゃったんだろう」と後悔していた駐車場での事件も、ロメオとの付き合いもなかったよね~…6部はこういうところが切ないんだよな~…
まとめ:花京院が生存していたら3部以降の話が大幅に変化したかも
花京院が生きていたら話がどう変化するのか考察してみました。
スタンド能力、頭脳派、出身地などの影響で4部以降がかなりあっさりとした展開になりそうですよね~!話にドラマがなくなりそうですが、それは花京院のキャラクターが万能だからなんだろうな~!
そして死亡したとはいえ、4部以降の話に花京院がいれば…とつい考えてしまうのは、キャラが濃かったからこそ。ストーリーはもちろん、小ネタ的なところでも面白い変化が生まれそうですよね~!結婚の許しを乞うアナスイにも、タイミングが悪いってキレそうだし。時々短気だからな、花京院。
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