ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したペッシ。暗殺チームにいながらも殺人経験がなく、弱気な一面もある人物でした。
そんなペッシはなぜギャングになったのでしょうか。プロシュートとの関係性から過去を想像してみました。
1. ペッシの過去とプロシュート兄貴との出会い
まずはプロシュートとの関係から考察してみます。んま~~~~ギャングに向いてないわ、殺人を犯したことがないわと、もはやチームの足手まといになりかねない性格のペッシ。それでもプロシュートが見守り続けていたのは、彼が見つけてきた人材だからなのかもしれません。ものすごい世話焼いてたもんね~!
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』53巻 集英社(35頁)
オカンと息子やん。ペッシ、すごい嬉しそうだ…
仮にプロシュートが拾ってきたとして、その理由を想像してみます。まず考えられるのがペッシに見捨てられない事情があったこと。5部のキャラクターたちが犯罪や家族問題などが原因で表社会に居場所がなかったところを見るに、ペッシもそんな事情の可能性はあるよね~!
ただ殺人のような罪は犯していないようで…なんせプロシュートがミスタの頭を撃った時の顔がこれだもんな~!
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』53巻 集英社(25頁)
反応がカタギの人間すぎる。本当、なんでギャングやってるんだ…
とすれば人間関係の問題なのかもしれません。例えば両親の死亡や家庭内不和に、友人関係の崩壊などが重なり、行き場がなかったところを拾われたとかね。孤児院などに頼る選択肢もありますが、もしペッシにスタンド能力の片鱗が開花していたのをプロシュートが目撃してたとすれば…チームに加入させよう!なんて思うのではないでしょうか。なんせ兄貴は能力をめちゃくちゃ褒めてたもんな~!
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』53巻 集英社(34頁)
確かに強いし、アシストにも向いてる能力だもんね。即戦力にはなれなくとも、あのスタンドを見たら育ててみたくなるのかもしれないですよね~…
あとはカンの良さを買っていたとかね。プロシュートの任務中や入団試験中にペッシに出会って助けられた、など何らかの経緯で目をつけていたのかもしれません。いずれにせよ兄貴の世話焼きっぷりと5部のキャラクター事情を見るに、居場所を失ったペッシをプロシュートが連れてきたという過去はあり得るのではないでしょうか。

2. ペッシとプロシュート兄貴のスタンドから考える過去
次にスタンドと過去との関係についてです。アニメ版では輪切りのソルベを「これ以上見たくない」と訴えるシーンが追加されたりと、死やグロテスク、殺しへの耐性が低そうだったペッシ。ただ人体や内臓を扱うことへの抵抗がある訳ではないんですよね~…体内に潜り込むスタンドだもんな~!
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』53巻 集英社(34頁)
こんなん手術やんけ。けっこう器用ですよね、ペッシ先生。
他にもブチャラティの心臓をえぐろうとした時には「必ずやると決めた時は直線」と最短距離で攻められることを宣言していたり…グロが絶~~~~っ対に無理!という人ならこんな能力も発言も出ないよね~!つまりペッシは臆病で殺しへの抵抗はあれど、人体への知識をある程度持っており、体内を探ることは得意のようです。
そんな性格から過去を想像してみると…例えば家系が医者や漁師で仕事を継ぐ予定だったとかね。医者なら人体の知識を持っていても不思議ではないし、漁師だって魚を捌くために内臓の位置や働きに詳しいはず。名前もペッシ(=イタリア語で「魚」)だし。
でもさ、死やグロテスクが苦手な性格なら、医者も漁師も向かないはずでね。生物の命に向き合い、時に解体や解剖もする訳だからな…そんな理由で家督を継げず両親との関係にヒビが入り居場所を失った、なんて想像もできるのではないでしょうか。おおかわいそうなペッシ…
あとは医療系を目指して生物を助けようとするも、自分の失態で死亡させ、道は閉ざされ厄介者扱いを受けたとかね。トラウマとまではいかなくとも、暗殺チームにいながら殺しの経験がなかったり、命を奪うことに慣れない様子は、そんな過去が原因なのかもしれません。

ペッシの釣り竿から想像できる家族との過去
今度はスタンドから、ペッシと家族との関係をもう少し考えてみます。ビーチ・ボーイは獲物を引っかけて捉えられる能力で、誰かを引き留めたり、連れ回すことが可能です。これがペッシの過去に由来しているなら、誰か繋ぎとめていたい相手がいたのかもしれないですよね~…ブチャラティのジッパーが両親を繋ぎ合わせることを連想させるように、ペッシも家族や友人など大切な存在と繋がっていたけれど、こじれてしまった過去があるとかね。
しかもビーチ・ボーイは攻撃に優れたスタンドで、防御は不得意。臆病な性格なのでもっと自分を守れるスタンドが発現してもよさそうに見えますが、攻撃型の能力だったのは、周囲との関係にある程度恵まれていたからではないでしょうか。虐待やいじめなどで傷ついた経験があれば、もっと防御型が出てくる気がするし…幸せな人間関係を継続させたかったゆえの能力なんじゃないかな~…
ただしネガティブな経験をしたからこそ、攻撃型になったとも考えられます。なんせビーチ・ボーイには、最強とも謳われるティラノサウルスらしき頭蓋骨がついているからね~!強くなりたい!という願望が由来のスタンドであれば、人間関係が悲惨だったという線も捨てきれないかな…いずれにしても、釣り竿からは周囲の人々との関係性の問題が見えるような気がします。

3. ペッシの過去とプロシュート兄貴のスタンドとの関係
最後に兄貴に関連して音楽ネタも少しだけ…プロシュートの過去の考察回で、ザ・グレイトフル・デッドの元ネタは妖怪のテケテケなのでは?という話になりましたが、テケテケという響きから連想できるのがギターのテケテケ奏法(正式名称はクロマチックラン奏法)。その名の通りテケテケとした音を奏でる技で、サーフ・ミュージックでよく使われています。
このテケテケ奏法で有名なのが、ザ・ベンチャーズです。サーフ・ミュージックの先駆けとも言われるバンドですが、同じくサーフ・ミュージックのミュージシャンとして必ず挙がるのが、ザ・ビーチ・ボーイズ。ペッシのスタンドとほぼ同名で、「Surfin' U.S.A.」(Youtube)などが代表曲です。これ、どこかで聞いたことがあるのでは…?
だからザ・グレイトフル・デッド→テケテケ→テケテケ奏法→サーフ・ミュージック→ビーチ・ボーイと、2人の間には不思議な繋がりがあるんですよね~!偶然だとは思いますが、もし意図的だったらすごいよね…!ちなみにザ・ビーチ・ボーイズには「スループ・ジョン・B」「ファン・ファン・ファン」「バーバラ・アン」などジョジョとの関連が深い曲がたくさんあります。荒木先生のお気に入りなんだろうか…?

まとめ:ペッシの過去は居場所をなくしたところをプロシュート兄貴が拾い上げたのでは
ペッシの過去をプロシュートとの関係から考察してみました。
気弱な性格にも関わらず、暗殺チームに所属していたペッシ。そんなペッシの成長をプロシュートが促していたのは、自分が見つけてきた人材ゆえに責任持って面倒見ていたのではないでしょうか。
そしてペッシのスタンドからは引き留めたかった人間関係や、医学や漁師など様々な経緯が想像できそうです。順風満帆な過去じゃなさそうですが、彼なりに一生懸命プロシュートの気持ちに応えようとしていたのには、拾ってもらった恩ゆえなのかもしれないですよね~…5部のキャラクターの過去、みんなほの暗いよな…
5部の話はこんなのもあります


