ジョジョの奇妙な冒険5部はジョルノがパッショーネの新たなボスとして君臨するシーンで幕を閉じます。
アニメ版ではブチャラティらを象徴するアイテムが出てくるなど、追加の演出がありましたが、今回はそのラストシーンの意味についてアニメ版を中心に考察してみました。
1. 5部ラストシーンでジョルノへのキスとミスタが開ける窓の意味
まずはジョルノが手にキスをされ、ミスタが窓を開けるシーンについてです。こちらは『ゴッドファーザー』のラストシーンのオマージュとして有名ですよね~!『ゴッドファーザー』は、マフィアのドンとなったマイケル・コルレオーネが忠誠を誓うキスを受ける様子を、不安げな表情の妻が外から見守る中、部屋のドアが閉められます。マフィアという隔絶された世界に夫が入ってしまった…という演出でした。
一方5部ではミスタが窓を開け、窓の先には美しい庭園が広がり、風と共に黄色い粒子が吹き込んできます。キスをされるジョルノの後ろのドアも開いたままと、ほぼ真逆なオマージュですよね~!
津田尚克総監督.ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 Vol.10. ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント,2019(Blu-ray)
風が窓からドアまで流れていく様子は、ディアボロの頃にはなかった風通しの良いギャングになったという意味ではないでしょうか。黄色い粒子が吹き込んでくるのはタイトルの『黄金の風』の比喩に見えるよね。
また『ゴッドファーザー』は妻の不安げな顔で幕を閉じるという終わり方ですが、5部はドアも窓も開け放れた空間でキスを受けるジョルノを見守るミスタとポルナレフが描かれました。『ゴッドファーザー』のような不穏な空気ではなく、新生パッショーネとしての未来を感じさせるところも、正反対のオマージュだったのではないでしょうか。

2. 5部ラストシーンでの弔いのアイテムの意味
次にブチャラティらの弔いのアイテムについてです。これね。
津田尚克総監督.ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 Vol.10. ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント,2019(Blu-ray)
花瓶にはナランチャ死亡シーンでジョルノが咲かせたクレマチスらしき白い花、アバッキオの死亡シーンで登場したイエローサルタンが飾られています。ブチャラティのジッパーは本人の服から拾ってきたものなのかもしれないよね。その隣にはアバッキオを連想させるワインボトル、そしてポルナレフ(半死)。
気になるのがワインボトルですよね~!「Castle SILENT」と表記されており、同じ作り手のワインは「ガッツのG」のお食事シーンでも登場しました。でも形状がちょっと違うようで…
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みんなで飲んだ思い出のワインじゃないの、なんで???
考えられる理由のひとつがアバッキオのワインの好み。プロフィールで好物と記載された「グレコ・デ・トゥーフォー」は白ワイン。「ガッツのG」で登場したのは赤ワインなので、それとは違うアバッキオ好みのワインを用意したという意味なのかもしれないよね。
もうひとつはワインボトルの形状です。「ガッツのG」のボトルは「いかり肩」と呼ばれており、赤ワインの場合、超~~~一般的にはパワフルでしっかりとした味わいとなる傾向があります。一方ラストシーンの形状は「なで肩」と呼ばれており、エレガント、繊細な味わいが特徴的です。
このワインの形状、味わいから考えてみると…「ガッツのG」では「いかり肩」という力強さを感じる呼び名や形状、パワフルな味わいのワインを飲んで決戦に備えよう!というイメージなのかもしれないよね。ラストシーンの「なで肩」は全てが終わった後の静寂で味わうワイン、アバッキオが天国で肩をなでおろした姿、彼の心の繊細さなどが象徴されているのではないでしょうか。
「Castle SILENT(=「静かな城」)」の意味も違って見えてきますよね~!「ガッツのG」では自分を脅かす者を排除し、絶頂という揺るがぬ状態を維持し、秘密主義でひとり静かにすごすディアボロという城、ラストシーンでは全てが終わった平穏の中で築かれた新たな城というイメージなのかもしれません。

3. 5部ラストシーンのジョルノとミスタの服の意味
最後にジョルノとミスタの服の意味についてです。ジョルノは黒ですが、日本と同じく黒はイタリアでも喪服の色。テントウムシの緑色はイタリアでは若々しさ、希望を象徴するそうです。
ミスタは紫を基調とした服装でしたが、イタリアにおいて紫は葬儀などの際に司祭が着用する色で、地域によっては喪に服す際に紫のものを着用することもあるのだとか。一方でかつて古代ローマで愛用された紫色として有名なのが、巻貝から色を抽出する貝紫色。莫大な量の巻貝を使う高価で作業の手間がかかる色、歴代の王たちが着用したことから「権力」「高貴」のイメージを持っています。パッショーネの上層部らしい配色に見えてきますよね~!
パッショーネの新たな旅立ちらしく、服装も一変したこの2人。シックな色遣いは一回り成長した姿を感じさせると同時に、仲間への弔いの気持ちが詰まっていたのではないでしょうか。

まとめ:ジョジョ5部ラストシーンには弔い、希望、安堵などの意味があるのでは
ジョジョ5部のラストシーンについて考察しました。短いシーンながらもブチャラティらを象徴するアイテム、服の色、窓からの風などに、様々な意味がこめられていそうです。
特にアニメ版でオリジナルシーンが追加され、彩色も施されるとますます色々な意味が見えてきますよね~!新生パッショーネの光と仲間への優しさが感じられる、シンプルながらもドラマチックな最後だったのではないでしょうか。




参考文献
花で彩るお葬式 とむらび「【葬儀の世界】イタリアのお葬式は教会で服装マナーがない。喪服が不要な国です。」https://tomuravi-sougi.jp/funeral/world/20210622103307-918/(2026年1月9日確認)
Debra Wilson「Born to the Purple」Carnegie Museum of Natural History https://carnegiemnh.org/born-to-the-purple/(2026年1月9日確認)
Football Channel「イタリア代表、65年ぶりに"緑"のユニフォームでプレー。その意味とは」 https://www.footballchannel.jp/2019/10/13/post342616/(2026年1月9日確認)
tezomeya「貝紫染め ~帝王紫のこと」
https://www.tezomeya.com/jpblog/2003/07/2021-08-28-1347/(2026年1月9日確認)






