ヴァニラ・アイスの敗北を心理学的な理由から考察してみた

ジョジョコラム
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ジョジョの奇妙な冒険3部に登場したヴァニラ・アイス。ジョジョ屈指の強力なスタンド、クリームの使い手でした.

今回はそのヴァニラ・アイスが敗北した理由を、心理学的な理由から考察してみました。


1. 心理学的に見るヴァニラ・アイスの性格と敗北理由

まずは心理学的な観点から見た、ヴァニラ・アイスの性格と敗北理由についてです。ここではMBTI(16タイプ)を用いて考えてみます。MBTI大好きブログで本当すいません。面白すぎるのでつい…

ヴァニラ・アイスの16タイプは恐らくISTJ寄りのISFJ、あるいはISFJ寄りのISTJじゃないかな~!MBTIは完全にこっち!とは言い切れない、むしろ状況次第で別のタイプに寄ることはよくあるのだそう。DIOとのやり取りやポルナレフらとの一戦だけを見れば、ISTJ、ISFJのどちらともとれるイメージかな~…

でね、16タイプには心理機能というものがありまして。1番得意なこと、それを補助する機能、遊びの機能、苦手な機能を使いながら、各タイプはどのようにものを考えて動いているのか?ということを示すものです。全8種類のうち各タイプごとに4種類を持っているのですが、ISTJ、ISFJはこんな感じ。

ISTJ ISFJ
第一機能(=得意なこと) Si(過去の経験、習慣を重視) Si(過去の経験、習慣を重視)
補助機能(=第一機能を動かすガソリン) Te(効率性、客観的データ、客観的論理性) Fe(他人の気持ち、他人との調和)
代替機能(=遊び的な要素、少し暴走しやすい) Fi自分のこだわり、美学、気持ち Ti(自分自身の中での論理性、納得感)
劣等機能(=苦手なこと) Ne(様々な選択肢、可能性を考える) Ne(様々な選択肢、可能性を考える)

ここで注目したいのは、どちらのタイプに分類されようが、第一機能はSi、劣等機能はNeであること。Si(過去の経験、習慣を重視)が第一機能であることがよくわかるのが、このシーンです。


荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(19頁)

はい喜んで!と言わんばかりにためらいなく首を差し出していましたが、これは習慣的に積み上げられたDIOへの信仰心ゆえなんでしょうね~…

一方でNe(様々な選択肢、可能性を考える)が劣等機能だからこそ、アヴドゥルやイギーが仲間を助けるといった可能性が見えてなかったのではないでしょうか。特に死にかけた犬が人間を助けるなんて、あまりに想定外だったんだろうな~… が機能していれば「イギーが手を出すかも」「ポルナレフが策を持っているかも」など様々な可能性に気づけたはずだよね。

DIO様のために!というSiの気持ちが強く、Neはリタイヤという機能の偏りがあったヴァニラ・アイス。DIOを上に見る一直線な信仰心を持っていたからこそ、仲間同士の関係は平等で助け合う事態を想定できなかったことが、敗北に繋がったのではないでしょうか。

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2. アヴドゥルがヴァニラ・アイスを敗北に導いた突き飛ばしの心理学的な理由

今度はジョースター御一行が勝利できた理由について、まずはアヴドゥルから考えてみます。16タイプは恐らくENFJ、あるいはもしかしたらESTJかな~…ネット評はISFJが有力視されていますが、どうしても性格、スタンド能力、占い師という職業などどこを切り取っても心理機能と矛盾が出てしまう…ということで今回はENFJと仮定してみます。

ENFJ
第一機能(=得意なこと) Fe(他人の気持ち、他人との調和)
補助機能(=第一機能を動かすガソリン) Ni(未来を見据える、計画を立てる)
代替機能(=遊び的な要素、少し暴走しやすい) Se(今この瞬間を捉える力、機動力)
劣等機能(=苦手なこと) Ti(自分自身の中での論理性、納得感)

Feが第一機能のあたり、ベスト・パートナーのジョセフの娘を救おうと協力し、ポルナレフの大暴走にはブチギレていたのを思い出しますよね~!そして何よりこれね。

荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(27頁)

大ウソつきめ…(大号泣)

助けない宣言をしたにもかかわらず、熱い手のひら返しをかましたアヴドゥル。この時点でどこまで本気で助けないと思っていたのかは不明ですが、Feが得意で傍点までついているあたり「ああ、俺は2人のピンチに手を出すかもしれないな…」くらいには思っていたんじゃないかな…

でね、劣等機能や代替機能は安定して使える機能ではない一方、大ピンチの時などここぞという瞬間に不安定な形で表れることがよくありまして。実際に大ウソつきが発動したシーンを見てみると…


荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(42頁)

自分がよけるのではなく、2人をふっ飛ばしたアヴドゥルさん。それは第一機能がFe(他人の気持ち、他人との調和)ゆえに仲間を大事にしていたのはもちろん、「今よけなければやられる!」とSe(今この瞬間を捉える、機動力)が危険を瞬間的に察知し、「今ここで誰かが絶対に犠牲になる、それならウソつきと言われても仲間を助けるのが俺の正義だ」とTi(自分の中の納得感)が働いたんじゃないかな~…

もし下位機能が不能であれば、Fe(他人との調和)が「仲間との約束は絶対だ!しかし友を失うのは…」と言い出したり、Ni(計画を立てる)で「ポルナレフとイギーをよけさせれば俺が死ぬし、スタンドで出せば…」とあれこれ計画を練り出しかねないはず。結果、どうなるかって?「ポルナレフッ! イギーッ!!そこは危ないッ! 俺たちの友情はまだ終わってはいけな(ガオンッ!)」よ。

つまりこのシーンはアヴドゥルが得意なNiをSeやTiが追い越した瞬間だったのではないでしょうか。そしてそれこそがあのシーンでは究極のFeの形だったのかもしれないよね。アヴドゥル、最期まで優しいんだよな~…

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3. イギーがヴァニラ・アイスを敗北に導いた理由

次はイギーについてです。16タイプは恐らくISTP承太郎と同じタイプになります。

ISTP
第一機能(=得意なこと) Ti(自分自身の中での論理性、納得感)
補助機能(=第一機能を動かすガソリン) Se今この瞬間を捉える力、機動力
代替機能(=遊び的な要素、少し暴走しやすい) Ni(未来を見据える、計画を立てる)
劣等機能(=苦手なこと) Fe(他人の気持ち、他人との調和)

TiやSeが上位機能のあたり、自分の思うがままに今を生きるイギーの性格が良く表れていますよね~!

そんなイギーですが、ヴァニラ・アイス戦の最後に見せたのはTiやSeだけではなかったはずで。自分だけ残されてもヴァニラ・アイスに勝利するのは難しい、いずれ死ぬだろうとNi(未来を見据える)で死期を悟り、それなら仲間を救うぜ!とFe(他人との調和)が機能したんじゃないかな~…

とすればイギーもアヴドゥル同様に、代替機能や劣等機能という普段は得意ではない機能をフル回転して、ヴァニラ・アイスを出し抜いたと言えるのではないでしょうか。両者とも己の全てを出し切って戦い抜いたことがよくわかりますよね…泣ける…

https://bijutsujojo.com/iggy-dassou/

4. ポルナレフがヴァニラ・アイスを敗北させた理由は論理と計画性!?

最後にポルナレフについてです。16タイプはESFPで、心理機能はこちら。

ESFP
第一機能(=得意なこと) Se(今この瞬間を捉える力、機動力)
補助機能(=第一機能を動かすガソリン) Fi(自分の気持ち、美学、正義)
代替機能(=遊び的な要素、少し暴走しやすい) Te(損得勘定、効率性、論理性)
劣等機能(=苦手なこと) Ni(未来を見据える、計画を立てる)

第一機能のSeはクリームの通った軌跡の察知などにも生かされていましたが、こんなところにも表れていました。


荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(86、124頁)

比喩の大バーゲン。

やたら比喩を使っていましたが、これはSeが第一機能ゆえに目の前の情報を、瞬時に別の形に翻訳できるからこそ。大根おろし、トムとジェリーのチーズと普段からたとえを連発していたのは、Seのせいじゃないかな~!ちょっと面白い比喩にすることで、最悪な状況の中で脳のパニックを防ぐ効果もあったのかもしれないよね。

またFi(自分の気持ち)もよく出ていましたよね~!普段から感情表現豊かでこだわりも強いタイプではありますが、アヴドゥルの死直後には「アヴドゥルを殺したなどとウソをつくな」「俺のことなんか放っておけばよかったんだ!」とブチギレ。Fi!!!といわんばかりに純粋な気持ちをさらけ出していました。

とはいえ彼もまた下位機能のNi(計画性)やTe(効率性)も冴えまくっていたわけで。アヴドゥルの死に悔しさをあらわにしつつも、館の外に出るのではなく2階で対戦することを選んだのも、「仲間の死を無駄にしないためには、ここでやるしかない」という現実的な計画を立ち上げたからではないでしょうか。

他にもDIOの砂人形、砂で軌道を読むなど次々と策を生み出していましたよね~!最後はヴァニラ・アイスが致命傷を負っても死なないのはおかしい→DIOと同じ吸血鬼なのでは?→日の光を浴びせれば勝てる!という勝利までの論理的な道筋を描き切りました。普段のポルナレフであれば、なんで死なねえんだチクショ~~~~!と悶えていたかもしれませんが、大ピンチだからこそ下位機能が表に出てきたんじゃないかな~…

アヴドゥルやイギーと同様に、全ての機能を動員してヴァニラ・アイスを敗北させたポルナレフ。心理学的に見れば、ヴァニラ・アイスの劣等機能が停止していた一方で、ポルナレフらは全員が己の力を出し切ったからこそ勝利を手繰り寄せられたのではないでしょうか。

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ヴァニラ・アイス戦後のポルナレフの涙の心理

それでもやっぱりNiやTeはあくまでも下位機能なわけで。呼吸をするように使えるSeやFiの方が強いんですよね~…それがよくわかるのがこちら。


荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(167頁)

これね~上位機能のSeFiが、下位機能NiTeを上回った涙じゃないかな~…

「DIOの所へ行かなくては」「悲しみで泣いている時間はない」という言葉には、Ni(未来、計画を立てる)やTe(効率性、損得勘定)がよく表れています。でもね、アヴドゥルとイギーの死というリアル(Se=現実を捉える)、仲間の損失という寂しさや悲しさ(Fi=自分の気持ち)を感じる機能が上位だからこそ、ドライになり切れず感情があふれてしまったのではないでしょうか。

泣く暇はないことは理屈でわかっている、それでも仲間を失った悲しみには耐えられない…必死にNiとTeで抵抗するも、やはりSeやFiには抗えなかったというESFPらしいこのシーン。戦闘中は涙を見せつつもそれを攻撃に昇華していましたが、戦う敵もいない今、声を上げて泣いたんじゃないかな~という気がするよね、ポルナレフだし…

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まとめ:ヴァニラ・アイスの敗北理由は心理学的な機能を使いきれなかったからでは

ヴァニラ・アイスの敗北を心理学的に考察してみました。MBTIで見ると、不得意としていた機能などまで必死に使って勝利したポルナレフらに対し、ヴァニラ・アイスは劣等機能のリタイヤゆえに敗北したと考えることができそうです。

ジョジョ屈指の涙を誘うヴァニラ・アイスとの一戦ですが、心理学的にもポルナレフらが仲間を思い合い、不得意な力まで必死に使っていた姿がよく浮かび上がってくるのではないでしょうか。本当、いいバトルだよな…

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荒木飛呂彦 関島眞頼 山口宏




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