ジョジョの奇妙な冒険の第1部「ファントムブラッド」のに登場したディオ・ブランドー。ジョースター家との長きにわたる因縁に関わる男です。
そんなディオ・ブランドーの名言は、英語でどのような訳だったのでしょうか。英語吹替版アニメでの聞き取りに挑戦です!
ジョナサン・ジョースターの名言の英語訳はこちら。
このきたならしい阿呆が!
このきたならしい阿呆がァーッ!!
荒木飛呂彦(1987年)『ジョジョの奇妙な冒険』1巻 集英社(35頁)
ジョナサン・ジョースターに泣くまで殴り続けられたディオが発した名言。ディオの貴重な泣き顔が見られるシーンでした。英語訳はこちら。
filthy=不潔
cur=卑怯者
「後悔させてやる、この不潔な卑怯者がァーッ!」のような直訳でした。
I'll make you regret thatが日本語にない部分です。「後悔させてやる」のような意味合いですが、まさかジョナサンだけではなく、世代を超えた戦いになるとは…
あんなクズに名誉など…
あんなクズに名誉などあるものかァーッ!!
荒木飛呂彦(1987年)『ジョジョの奇妙な冒険』1巻 集英社(161頁)
ジョナサンに「自分の父親の名誉にかけて、身の潔白を誓ってほしい」と言われた時のディオの名言です。英語訳はこちら。
swear on=誓う
honor of=名誉、誇り
直訳としては、「何も持ってない男の名誉をどう誓えとーッ!」のような訳になりそうです。
クズの部分はwho didn't have anyと、「何も持っていない」と訳されているのが興味深いところ。人格的にもちょっと問題のあった父親でしたが、ディオにとってクズとは、名誉はもちろん物理的にも精神的にも「何も持ってない」人間だったのかもしれないですよね…
酒!飲まずにはいられない!
酒!飲まずにはいられないッ!あのクズのような父親と同じことをしている自分に荒れているッ!クソッ!
荒木飛呂彦(1988年)『ジョジョの奇妙な冒険』2巻 集英社(21頁)
ディオが父に毒薬を盛った証拠を探そうと、危険な食屍鬼街へ訪れたジョナサン。それを聞いたディオが野垂れ死にしたと安心するも、証拠を掴まれたのではないかと不安を抱き、酒を飲み始めた時の名言です。英語訳はこちら。
nothing but a drunken fool like my bastard father. Damn it!
swill down=酒などを大量に飲む
nothing but=~にほかならない
「飲んだくれている俺を見てくれ!酔っぱらいで愚かでしかない俺の父のようだ!ちくしょう!」のような直訳になります。
先ほどの「あんなクズに名誉などあるものかァーッ!!」と同様に、英語訳では「クズ」の部分が、とても詳しく説明されています。こちらののクズは、nothing but a drunken foolと「酔っぱらいで愚かでしかない」のように訳されました。
この辺りのディオは非常に人間味がありますよね~!DIOの圧倒的なカリスマ性とは違った良さがあります。
今まで食ったパンの数をおぼえているか
おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?
荒木飛呂彦(1988年)『ジョジョの奇妙な冒険』3巻 集英社(149頁)
ツェペリ師匠に対してのディオの名言。イギリスだとめちゃくちゃ食べてそうですよねぇ、パン。英語訳はこちら。
loaves of bread=切り分けられる前のパン
意味的にはほぼ同じです。
地味に違うのが、日本語だと「パンの枚数」と切り分けられたパンの数を指すのに、英語訳では、loaves of bread=「何斤食べた?」と切る前のパンの数を聞いています。
海外の1斤ってすごく大きいのがありますよね~!日本の倍くらいあるやつとか…
おれは人間をやめるぞ
おれは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!
荒木飛呂彦(1988年)『ジョジョの奇妙な冒険』2巻 集英社(61頁)
ジョージ・ジョースターに毒を盛ったことがバレたディオ。大人しく逮捕されるかと思いきや、突如この名言を発します。英語訳はこんな感じ。
be about to=~しようとするところ
so much more=はるかに大きな
直訳としては「ほら、おれはもっと大きくなるぞ!」のような意味合いです。
最後がso much more!で切れていますが、恐らくso much more than humanのように「人間よりはるかに超えた存在になるぞ」のニュアンスが感じられます。野心がすごいぜ…!
ディオにとってのモンキーなんだよ
猿(モンキー)が人間に追いつけるかーッ!おまえはこのディオにとってのモンキーなんだよジョジョォォォォーッ!!
荒木飛呂彦(1988年)『ジョジョの奇妙な冒険』5巻 集英社(56頁)
ジョナサンとの対決時のディオの名言。人間の努力には限界があると、ジョナサンを見下した一言ですが、英語訳はこちら。
In comparison to my power. You're but a mere monkey, Jojo!
mere=単なる、~に過ぎない
直訳としては、こんな感じでしょうか。「猿ごときがライオンを倒せるわけがない!おれの力に比べれば、お前はただの猿だジョジョ!」
猿とライオンという言葉のチョイスが面白いですね~!
「ディオ=ライオン」には、「ジョナサンたち人間=猿」が追いつけるわけがない!という比較で、力の差を表しています。自分をライオンと例える辺り、ディオの自信満々な感じが伝わってくる訳でした!
まとめ:ディオ・ブランドーの名言は英語だと凝ってる!
ジョジョの奇妙な冒険の第1部「ファントムブラッド」における、ディオ・ブランド―の名言の英語訳をご紹介しました。原作に比べて、詳しく説明されていたり、ユニークなたとえが使われるなど、英語ならではの訳を楽しめる名言ばかりです!
日本語のシンプルな言い回しと、英語版の凝った言い回し。比べながら、ディオの名言を楽しんでみてくださいね~!
3部のDIOの名言の英語訳はこちら。
参考教材:
津田尚克, 2020, 『Jojo's Bizarre Adventure Set 1: Phantom Blood And Battle Tendency』, Warner Bros.