ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したジョルノ・ジョバァーナ。初期はダメージを相手に跳ね返す、感覚を暴走させるといったスタンド能力でしたが、その後は登場しなくなりました。
メタ的には能力の設定変更だったとは思われますが、もし変化に意味があるとすればどのような理由が考えられるでしょうか。考察してみました。
1. ゴールド・エクスペリエンスの反射の能力の理由
まずは初期ゴールド・エクスペリエンスの能力の発現理由を考察してみます。初期はこんな内容の能力でした。
能力ー生命を与える事のできる力
①物質を殴ると、小動物や植物として産む事ができる。
そして それへの攻撃は、攻撃した者に戻ってくる。
(殴れば殴られ、切れば切られる。)
②人間を殴ると、その者の感覚だけが暴走してしまい、自分を含め動きが超スローに見える。痛みまでも。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(9頁)
生み出した生物への攻撃を跳ね返すというのは、「やられたらやり返す」と言い換えることもできるわけで。自分の幼い時の防衛本能、あるいは幼い頃から味わってきた恐怖や痛みを味わわせるというダークな気持ちの反映だったのかもしれないよね。初期ジョルノ、康一くんの荷物を奪って逃走したりと超善人ではなかったしな…
また人間への攻撃は跳ね返らず、感覚が暴走して痛みや動きがスローになるのも面白いですよね~!スローになるというのは、その分恐怖を感じる時間が長いということ。ジョルノが長年受けてきた暴力、恐怖を相手に存分に味わわせてやりたいというドロドロとした気持ちが詰まっていたんじゃないかな~…という気がします。
一方でカエルや木など自分が生み出した生物が無傷であるところは、弱者に当たる存在は守ってあげたいという気持ちも感じられるところ。ジョースター家らしい黄金の精神が現れた能力なのかもしれないよね。ジョルノの優しさと心の闇が混ざっていたのが、ゴールド・エクスペリエンスの最初の姿だったのではないでしょうか。

ゴールド・エクスペリエンスの反射の能力が消えた謎
次に跳ね返る能力が消えた理由についてです。敵への攻撃、体の部品の生成など様々な能力を披露するも、反射の能力が消えてしまったジョルノ。一体なぜ…?
この能力が消えたのはブチャラティらと合流後のこと。スタンドが本体の精神の反映であれば、チーム加入がジョルノに気持ちの変化を与えていたことになります。そして反射は「やられたらやり返す」というどこかダークな能力だった一方、敵への直接攻撃や体の部品の生成は、自分の正義を通したり、仲間を救うために必要なポジティブな能力に見えるよね。
とすればチーム加入前のジョルノは、正しいギャングスターに憧れつつも「この世に心から信用できる人はいるのだろうか」「信頼できるのは自分だけなのではないか」と警戒網を張って生きていたのかもしれません。そこにブチャラティという信頼に値する男が現れたことで、「この仲間と共に夢を叶えたい」と気持ちも能力も変わっていった、なんて理由があったんじゃないかな~…
攻撃をはね返し長時間苦痛を与える能力から、仲間を治療し命を救い、最終的にはブチャラティの魂すら繋ぎとめることができたほど強烈なスタンドへ変化したジョルノ。反射の能力が消えたのは、ギャングスターを目指す覚悟とチームへの思いやりが生まれたゆえなのかもしれません。

2. ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムと反射の能力の関係
次にゴールド・エクスペリエンス・レクイエムとの関係についてです。能力の説明はこちら。
スタンドが「矢」に貫かれることによって発現するスタンドパワー。
攻撃してくる相手の動作や意志の力を全て「ゼロ」に戻してしまう。
この力に攻撃された者は「死んだこと」さえ「ゼロ」に戻ってしまうため、何度でも無限にくり返し「死」に続ける。
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』63巻 集英社(126頁)
今もどこかでディアボロが大パニックに陥っているであろう、トンデモ能力でしたよね~!
でね、ディアボロのように死にたどり着かないというのは、無限に死ぬ間際の苦しみを味わい続けることで。これは苦しみをできる限り味わわせるという、初期のスロー再生の能力と近いとも言えるのではないでしょうか。自分が受けてきた苦しみが反映されたのがスロー再生だったとすれば、ブチャラティらと歩み、悪を成敗する正義の力としてより強力な能力に進化したのがゴールド・エクスペリエンス・レクイエムなのかもしれないよね。
一見消えたように見える反射やスロー再生の初期能力ですが、実はレクイエム化と繋がっていたのかもしれません。もし荒木先生が意図的に設定していたとすれば、めちゃくちゃ面白いよな~!

3. ゴールド・エクスペリエンスの反射の能力とMBTI(16タイプ)との関係
最後にMBTI(16タイプ)と心理機能の関係から考えてみます。心理機能とは16タイプごとに1番得意なこと、それを補助する機能、遊びの機能、苦手な機能を4つにわけて、各タイプはどのようにものを考えて動いているのか?ということを8種類のうち4種類で示すものです。INTJであろうジョルノはこんな感じね。
Te(補助機能=第一機能を動かすガソリン):効率性、論理性、客観的データの重視
Fi(代替機能=遊び的な要素、ちょっと暴走しやすい):自分のこだわり、美学、気持ち
Se(劣等機能=苦手なこと):未来を予測しすぎて今を見て動くのが苦手
NiやTeで論理的に考えて未来を創り上げるのが得意な一方、劣等機能がSeであるため、論理を介さずシンプルに今を感じて動くことを苦手としています。ちなみにSeが得意な一例は、ESFPのポルナレフや億泰。可愛い女の子を見ればすかさず声をかけ、美味しいものを食べてゥンまああ〜いっ!と絶叫するアレね。愛されし直情タイプ。
でね、劣等機能はその名の通りコントロールに苦労する機能ではあるものの、機能として持ってはいるわけで。人間が成長するにつれて、少しずつ上手に扱えるようになる才能でもあります。もしジョルノがブチャラティら信頼する人間に出会い、チームで助け合いながら成長を遂げていたとすれば、Seの操作も上手くなっている可能性は高いはずだよね。
とすれば初期の反射やスロー再生の能力は、このまだ制御されず暴走状態だったSe(今を感じて動く)を相手に叩き込んだ能力、なんて考えることもできるのではないでしょうか。「殴られたら殴り返す」という反射は、論理を介さない脳筋的な防御能力なのかもしれないよね。能力が未完成であり、本能に忠実な防衛本能であることはジョルノのこの台詞からも読み取れます。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(109頁)
またスロー再生は、Se(今を感じて動く)が叩き込まれたことで現実をキャッチする感度が異常に上がった状態なんて解釈することもできるのではないでしょうか。見てよ、あの冷静なブチャラティのこの顔と叫び。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(191頁)
なんというか、こっち見んな的な面白さがある。歯折れてたのに、なんかごめん。
この後「お前の異常な能力に触れるのはもうコリゴリだ」なんて話してたとおり、本当にイヤだったんでしょうね~!Seが叩き込まれていたとすれば、通常なら一瞬感じて終わりというパンチの痛みも、感度が上がってパンチの痛みの最高点がず~~~~っと続いているように感じられたのかもしれないよね。

Seの安定とゴールド・エクスペリエンスの能力との関係
じゃあさじゃあさ、ジョルノのSeが安定したらスタンドはどう変化したのってこと?というのも気になるところ。これね~~~生物に命を与えて生み出す能力の精度が上がっていたんじゃないかな~!
ゴールド・エクスペリエンスには「その環境に適応した生物しか命を吹き込めない」という条件がありましたが、これを満たして適切な生物を生み出せていたのは、ジョルノの周辺環境を即座に判断するSe(現実をキャッチする)の能力が花開いたからこそ。もしSeがイマイチなら生物を生み出すことに失敗するか、生み出してもすぐに死滅させていたはず。あるいはこの条件自体なかったかもしれないよね。
気温、湿度、敵のスタンド能力を正確に捉え、生物を生み出す能力に変化したことから読み取れるジョルノのSeの成長。最初から完成された人間性のように見えたジョルノですが、ブチャラティチームへの加入をきっかけに内面のアップデートがされていたんだろうな~!

まとめ:ゴールド・エクスペリエンスの反射の能力はジョルノの精神と関係が深いのでは
ゴールド・エクスペリエンスの能力について考察してみました。一見消えたように見えた能力ですが、その後のレクイエムまで繋がっていたと考えることができるのも面白いところ。これ、意図的に作り込まれた設定だったらすごいよね…!
MBTIの視点で見ても解釈可能なところも興味深いですよね~!能力の変化はジョルノの人間的な成長とも連動しており、スタンドが本体の精神を反映していることがよくわかるのではないでしょうか。
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