【スタンド論】虹村形兆の「バッド・カンパニー」を深読み!

ジョジョコラム

ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した、虹村形兆。
虹村億泰の兄であり、軍隊の群体型スタンド「バッド・カンパニー」の使い手でした。

今回はなぜ軍隊の形であるのか、そして「バッド・カンパニー」の強さと秘められた可能性について考えてみました。

【スタンド論】虹村億泰の「ザ・ハンド」を深読み!
ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した虹村億泰のスタンド「ザ・ハンド」について考察しました。右手で「削り取る」という強力なスタンド能力を持つザ・ハンドですが、なぜ「削り取る」のでしょうか。また無表情でユニークな顔立ちには、どんな理由があるのでしょうか。

1. なぜ「バッド・カンパニー」は軍隊なのか

バッド・カンパニーが軍隊の形である理由を考えてみます。
形兆の指示で兵士たちが規律正しく動くことが出来るスタンドですが、形兆の「几帳面さ」が影響したことは間違いはず。
「聞き終わったCDは元のケースに戻す」ほどのその性格が、軍隊型のスタンドを生んだと言えそうです。

高い殺傷能力の必要性

形兆は「自分の父を殺せる人間が欲しい」という願望を持っていました。
父を殺すことは、形兆が一目置いている億泰のザ・ハンドでも不可能だったため(億泰の性格上、殺せなかったのかもしれませんが…)、かなりの殺傷能力の高さが求められます。
そのため人を殺すことの出来る、銃、ミサイルなどの兵器を持った軍隊の兵士が現れたのかもしれません。

群体型である理由

そして群体型であるという点も気になります。
何でだろうな~~~~とちょっと考えてみたのですが、もしかして本当は味方がもっと欲しかったのかな…と。


荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』30巻 集英社(153頁)

このセリフから、形兆は8歳頃から肉の芽や「弓と矢」などについて調べ始めたことになります。
一般的な子供なら、友達と遊びまくっている時期なんですよね…しかもそこに父の世話や弟の面倒見もしなくてはならないし。

形兆のこれまでの発言と行動力を見るに、努力家で完璧主義なタイプなんだと思います。だから子供でも全部出来てしまった。

だけど本当は味方が欲しかったんじゃないかな~…
「父を殺してくれる」人はもちろんですが、「一緒にDIOや弓と矢について調べてくれる」「家族の世話を手伝ってくれる」、そして「自分に寄り添ってくれる」ような味方がもっと欲しかったのかも…というのは考えすぎでしょうか。

特に「一緒にDIOや弓と矢について調べてくれる」「家族の世話を手伝ってくれる」は体力・気力の要る作業。出来れば、何人も味方が欲しいところかもしれません。
そんな願望が群体型を生んだ…なんてことも想像してみました。

2. バッド・カンパニーは強いのか

バッド・カンパニーの強さについても触れていきます。
まず攻撃力と本体へのダメージフィードバックについては、仗助のこのセリフから伺えました。


荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』30巻 集英社(77頁)

パラメータも破壊力Bだし、結構強そうですね~!ライターを破壊するシーンもあるし…
そもそも別名が「極悪中隊」なので、攻撃力は高そうですよね…
ダメージフィードバックも数十体単位で倒さないと、形兆にダメージは与えられないようです。

また防御は基本的に迎撃の形をとっています。仗助の投げた釘は、一斉射撃で破壊されていました。


荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』30巻 集英社(91頁)

形兆が「鉄壁の守り」と発言していることからも、防御力が低い訳ではなさそうです。

ただ仗助の反撃で、自身のミサイルを食らっている描写もありました。恐らく形兆が焦ったのだと思いますが、スタンドを消すなど対策を講じれば防げたかもしれないところ。
この辺りは、形兆の機転の良さが問われるのかもしれません。

3. バッド・カンパニーのロマン

そしてバッド・カンパニーは外見や強さも含めて、ロマンあふれるスタンドなのではないかな…と思っています。
物語の中で描かれなかった部分について、少し考えてみました。

成長可能性のロマン

まず軍隊型で形兆が指示していることから、形兆の知識と戦略次第でいくらでも強くなれる可能性が考えられます。
例えば、軍隊の兵器や装備が最新のものにアップデート出来ること。形兆が兵器について最新の情報を仕入れていれば、それがスタンドに反映され、破壊力が増していくのかもしれません。
そして形兆が戦術を学ぶほど、戦略の幅も広がります

かつてエンヤ婆がスタンド能力は「できて当然と思うこと」で成長すると発言していることから、形兆の知識と精神力次第で強くなり得るスタンドではないでしょうか。

ただ成長性がCなんですよねぇ~…ここが何とも言えませんが、形兆が生きていればその後が楽しみなスタンドでした。

構成員のロマン

可能性が広がるという意味では、バッド・カンパニーの構成員も様々なものが考えられるかもしれません。

仗助と戦った際は地上戦でしたが、水中戦、空中戦の場合はきっと戦い方も変わるはずです。
海軍や空軍兵士はいるのか、後方支援部隊はいるのか、実は音楽隊もいたりして…

なんて色んなことが想像できるのがバッド・カンパニー。ロマンがあるスタンドですね~!

まとめ:「バッド・カンパニー」は形兆の精神性と、ロマンを兼ね備えたスタンド

虹村形兆のスタンド「バッド・カンパニー」を考察してみました。
形兆の性格はもちろんですが、背負ってきた悲しい過去が反映されているスタンド能力でした。

悲惨な最期を遂げてしまった形兆ですが、生きていたら戦略の多様性や弟・億泰とのコンビなど、面白い戦い方をみせてれそうだったバッド・カンパニー。
とてもロマンがあり、ユニークなスタンドなのかもしれません。

億泰のザ・ハンドについてはこちら!

https://bijutsujojo.com/okuyasu-stand/



 

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