東方家の呪いを解くまでの話が展開されたジョジョリオン。終盤では花都が呪いを解く描写がありましたが、それはつるぎの呪いなのか、東方家に続く呪いなのかはイマイチ不明です。
今回は東方家に続く呪いは解けたのか、ラストシーンの意味も含めて考察してみました。
1. ジョジョリオンで東方家の呪いは解けたのか
まずは東方家に続く呪いは解けたのか考察してみます。最終巻には「『呪い』はこの時解かれたのだから」という記述がありますが、「つるぎのの呪いが解けた」とも「東方家の呪いが解けた」とも解釈できるところ。一体どっち?
これ、つるぎだけっぽいよね~~~…以前「石化病はジョニィ由来ではないか」という考察をしましたが、代々東方家に続く石化病は、ジョースター家を襲い続けた石仮面の因縁のオマージュのよう。いいことも嫌なことも継承されるのがジョジョの世界なので、東方家は次の代も石化病に襲われるんじゃないかな~…
透龍を倒した後、憲助の体に院長が現れたシーンもまた呪いのしつこさを感じるところ。定助が一掃してはいたものの、ワンダー・オブ・Uの「決して無くなることのないこの世の『厄災の理』を利用していた」という説明は、厄災からは簡単に離れられないことが示唆されているようにも見えます。
つるぎの代は解決しても、次の代にはまた襲ってきそうな石化病。東方家はこの呪いと対峙することこそ、「その血の運命」だったりして。辛すぎる…!

2. 常敏でも無理!?東方家の呪いを完全に解く難しさ
次に常敏の行動を見ていきます。新ロカカカの鉢を手にしながら「先祖からの呪いはもうすぐ解ける」「もう誰も犠牲にはならない」と話していた常敏。東方家の呪いの完全消滅を狙っていましたが、たしかに相手に自分のダメージをおっかぶせられる新ロカカカを増やすことができれば、石化病に怯える必要はなくなります。
ただ終盤で密葉がつるぎの体は限界!と話していたところを見るに、新ロカカカが収穫できる3時間後までつるぎの体力は持たなさそうですよね~…つまり未完熟の新ロカカカを利用するなら、「つるぎを見殺しにして新ロカカカを安定的に増やす=東方家の呪いを解く」か、「手元の新ロカカカをすりつぶすなどで樹液にして早急につるぎに与える=つるぎの呪いだけを解く」かを選ばなくてはならなかったことになります。
ただいくら冷徹で抜け目のないビジネスマン常敏でも、つるぎを犠牲にすることはできなかったはずでね。常敏の最後の言葉、見てよ…
荒木飛呂彦(2021年)『ジョジョリオン』27巻 集英社
あまりに切ない断末魔ですよね~…大きな野望を持っていた常敏と花都ですが、強い家族愛がある以上、つるぎを見殺しにはできなかったはず。実際、花都も後者を選択してつるぎの命を優先したしね。
でもその方法を選んでしまうと、東方家に続く呪いはやっぱり解けないんだよな~…承太郎がプッチに「お前の弱点は娘」と指摘されたように、家族のために行動したくとも、家族愛がその邪魔をする葛藤が辛いところ。人の強さにも弱さにもなり、ずっと付きまとい続ける家族もまた呪いだったりして…

3. ジョジョリオンのラストのケーキの意味と呪いの関係
最後にケーキの意味からも考察してみます。憲助の退院祝いのケーキ選びが定助に託されるところで、幕を閉じたジョジョリオン。あれ、いいエンディングだよね。ジョジョ史上ベスト3に入るくらい好き!
そのケーキ選びに際して、鳩ちゃんはこんなことを話していました。
一番人気だからとか…好きとか嫌い基準で選んじゃ駄目ッ!父さんの退院はお祝いというだけじゃあないッ!ケーキによって東方家の『新しい始まり』を意味しなくては………つらい時でもたとえ不幸な時にもプレゼントとして贈って良いのはフルーツだけと父さんは言ってたッ!みんなで父さんの為にちゃんと選ぼう
荒木飛呂彦(2021年)『ジョジョリオン』27巻 集英社
鳩ちゃん、本当にしっかり者だよな~! なおハワイは日本。
一般的にケーキはお祝いや記念日など、楽しいひと時を演出するもの。鳩ちゃんが東方家の「新しい始まり」と語ったように、このケーキは石化病が解決し、定助が加わった東方家の門出の記念や祝福を意味するように感じられますよね~!また荒木先生曰く『ジョジョリオン』は「ジョジョ(定助)+~lion(祝福、福音などの意味)」に由来し、定助の存在理由を表すタイトルとのこと。定助がいち人間としてのアイデンティティと居場所を見つけたことへの祝福にも見えてきそうです。
一方で「辛い時に贈っていいのはフルーツだけ」という言葉からは、家族や虹村京を失った東方家が深い悲しみに暮れていることも伺えるのではないでしょうか。呪いがテーマだった映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』では、「愛する者を失った悲しみを背負い続けることこそ呪い」と語られましたが、まさに東方家はこれに襲われてしまったんですよね~…呪い、解けなさすぎんか…?
でもね、そんな困難を背負った東方家が選んでいたのはホールケーキ。ピースではなく、みんなで切り分けて食べるケーキというところに、新しい呪いに立ち向かう家族の絆や団結が象徴されているのではないでしょうか。祝福、記念日、悲しみ、門出など様々な意味が込められていそうなジョジョリオンのラストシーン。あの日食べるケーキの味、一生忘れないだろうな…!

まとめ:ジョジョリオンの東方家の呪いは解けず、これからも続くのでは
東方家の呪いについて考察してみました。石化病の因縁は簡単には終わらなさそうでしたよね~!石仮面の影響が6部まで続いたように、石化病も今後再登場しそうな予感がします。怖ぇ~~~~~!!!
またつるぎの石化病が解決しても、家族を失った悲しみに苦しまなくてはいけないのも辛いところ。もはやどうあがいても色々な呪いが形を変えて襲ってくるような気がしますが、みんなでケーキを食べた東方家なら、喜びも悲しみも共有しつつ立ち向かっていけるのではないでしょうか。
ところで定助は何のケーキを選んだんでしょうね~色々なケーキが並んではいましたが、絶対にフルーツケーキにしてくれよな。フルーツ屋の門出なんだ、頼む定助ェ…!
味わい深いジョジョのラストシーンいろいろ



