ジョジョの奇妙な冒険8部ことジョジョリオンで登場した石化病。東方家が代々対峙してきた病です。
今回は石化病について、その内容や歴史について考察してみました。
1. ジョジョリオンの石化病とは何か
最初に石化病についての作中の描写をまとめてみます。
・瞑想の松の根元で他人に病を移動することができる
・10歳頃に発症する(憲助は11歳で発病、東方家家系図では11歳で発病との記録、つるぎ曰く「10歳でかかる病」)
・つるぎ曰く「病気の魔物をだますために12歳まで女の子の格好、教育を施される」
・つるぎ曰く「何百年も前から東方家の長男がかかる」
いわゆる東方家の呪いでしたよね~!完治はできず、他人に移すことで代々やりくりしてきた病でした。あまりに厄介すぎる…

石化病対策としてつるぎが女性の格好をしていた意味
ここで気になるのは下2つのつるぎの証言です。まず病気をだますために女の子の格好をするとのことですが、憲助も常敏もイマイチ女性っぽくないんだよな~…これが憲助の幼少期ね。
荒木飛呂彦(2014年)『ジョジョリオン』7巻 集英社
つるぎのような明らかな女性ファッションではないようです。常敏なんて今と全然変わってない。
荒木飛呂彦(2017年)『ジョジョリオン』16巻 集英社
とすれば女性の格好だったのは、つるぎだけなのかもしれないよね。それは彼のストレスを和らげるという目的が大きいんじゃないかな~…石化病について淡々と語っていたつるぎですが、憲助を前に泣いていたりと、病気や運命への怯えも感じられました。憲助も常敏も病と対峙する苛酷さを知っているので、でっち上げた迷信を使ってでも気持ちを軽くしてあげたい、と思うことは決して不思議ではないはずです。
そして家族としても、女性のフリをすれば病を遠ざけられるかも…という淡い期待を抱えていたのかもしれないよね。わざわざ腕に「姫」と書かれていたのも、この子は女だから近寄るな!という病へのメッセージでもあったんじゃないかな~という気がします。

2. 石化病はいつから始まったのか?歴史の考察
もうひとつの気になる証言は「何百年も前から東方家の長男がかかる」こと。これ怪しすぎるよね~~~~!なんせ理那という明らかな例外がいたもんね~!長男ではない上に、発症時の年齢が10歳でもないもんな~!ということで石化病の歴史を考察してみます。
さて「何百年も前から東方家に続く」という表現から、石化病は歴史の深~~~~い病のように聞こえます。でも理那やジョニィが石化病について知っていた描写はないようで…幼い長男を死に至らしめる病が数世紀続いているのであれば、2人に何かしらの情報が伝わっている方が自然です。
理那には病について伏せられていたという可能性もあります。が、そもそも石化病は理那から発症した病で、まだ東方家の数代にしか伝わっていないとも考えられるのではないでしょうか。つるぎには少しでも安心感を与えるために「太古から東方家は乗り越えてきたから大丈夫!」と言い聞かせていたのかもしれないよね。
また転生という側面から考えてみると…旧世界線ではジョナサンの代から石化面の因縁がスタートしていました。この設定が新世界線では同じ名前のジョニィから石化病という因縁となったのかもしれないよね。やっぱりジョニィの代からの病っぽいんだよな~!
ただし初代憲助にへそが2つあったのも気になるところ。等価交換で定助にアレが4つあったことと関係があるとすれば、憲助も石化病や等価交換と関わってきた歴史があるのかもしれません。今のところ関係性は不明ですが、それにしてもへそ2つの理由、何だったんだろうな…?

3. 石化病の元凶と東方家を襲い続ける理由とは
石化病は理那から発症したと仮定して、石化病の元凶と東方家を襲い続ける理由を考えてみます。ジョジョリオンでは「禍はこの世のあらゆる事が繋がり襲って来る」「物事には光と影がある」など、ひとつの事象は他の物事と絡み合っていることが示唆されていました。ということは理那の石化病も、何らかの出来事により発生した「影」の部分だったのではないでしょうか。
例えばジョニィがジョジョのルールに反したとかね。7部では「黄金の精神も漆黒の意思も大事」という描写はあるものの、ジョジョの世界では「てめー自身のためだけに弱者を利用すること」はやっぱりアウト。それは8部で常敏や花都など、結果重視で他人を利用した人物が死亡するという結末にも表れていたように思えます。
ジョニィのタブーは7部レース中の殺人かもしれないし、レース後の話かもしれません。が、いずれにせよ石化病の理那を助ける際に「知らない他の誰かが身替りでもいいのでは」「妻が助かればそれでいい」と話していたところを見るに、自分さえ良ければオッケ~!と思ってしまうところがあるんでしょうね~…もろヴァレンタイン大統領の「自分の不幸を見知らぬ他人がおっかぶる」と同じやらかしなのよ…
そんなジョニィの報いは「変えられない幸せがある」と語ったほど愛する家族を病が襲うにとどまらず、ジョニィにとっては見知らぬ他人ともいえる東方家の子孫が未だおっかぶっているのではないでしょうか。それだけジョジョ界では重大なルール違反と判定されたようですが、皮肉なことにジョニィが願った「知らない他の誰かが身替りでもいいのでは」が実現したことにもなるんだよな…
どう考えてもジョニィが元凶であろう石化病。しかし本当にジョニィが原因と判明したら、東方家はどんな反応をするんでしょうね~ジョースター地蔵なんてぶっ壊されるのでは…?でもお地蔵さんだから壊したら何か起きそうだよね、これもまた呪いか…

まとめ:ジョジョリオンの石化病とは理那から始まった病なのかも
石化病について考察してみました。矛盾点や謎の多い病ですが、それはつるぎを救うための優しい嘘が混ざっているからなのかもしれません。あれほどの結末になった東方家ですが、つるぎを思う気持ちは共通していたもんな~…
また石化病の歴史を辿ると、ジョニィに行きつきそうなのも面白いところ。家族を思う気持ちはあれど、ジョニィは正しく思い行動することができなかったということなんでしょうね~…旧世界線でもDIOとの因縁が受け継がれていましたが、石化病もまたずっとジョジョの血統に受け継がれてしまう性質のものなのかもしれません。
なにかと問題ありすぎなジョジョの親子関係いろいろ



