ジョジョの奇妙な冒険2部に登場した、シーザー・ツェペリ。ジョセフの兄弟子であり、良き相棒としても活躍した人物です。
女の子にはキザで、ジョセフに「スケコマシ」と言わしめたほどのシーザーですが、本当にモテるのでしょうか。今回はシーザーのモテ度を勝手に検証です！
1. シーザーは本当にキザなのか
まずはシーザーの人への接し方を見てみます。ジョセフと初めて出会ったレストランでは、女の子を口説きまくっていたシーザー。そのセリフもかなり積極的です。
荒木飛呂彦（1988年）『ジョジョの奇妙な冒険』7巻 集英社（96頁）
オーノォーッ！！！！吉良吉影もびっくりな手の誉め言葉。
「指輪を外す時に僕のことを思い出してくれ」だの「愛の魔法のおまじないをかける」だの、こんな台詞がペラペラ出る辺り素人じゃないな…それもそのはず、プロフィールによるとシーザーはガールフレンドは「いっぱい」いるらしいので、踏んできた場数が違います。
なんだよ～シーザーキザすぎるんよ～～～！と言いたいところですが、実はそうでもないようなのです。
尊敬する相手には真面目なシーザー
シーザーは、全ての女性にキザな態度をとっている訳ではありません。師匠であるリサリサには真面目な態度をとっていました。ジョセフにいつもと態度が違うことを指摘されると、その理由をこう述べています。
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』8巻 集英社（93頁）
注目したいのは「自分の母と同じくらいに」の一言。家族を大事にするシーザーが師匠相手にこんな言葉を使うのは、リサリサと母を重ねる部分があったからではないでしょうか。リサリサは不良だったり、父を死なせてしまった暗い過去も知った上で、シーザーの師となっていました。だからこそ母と過ごす期間が短かったシーザーにとって、自分を受け入れてくれる年上の女性の存在は嬉しく、家族に匹敵するほど大事だったのかもしれません。一方リサリサにとってもシーザーは、離れ離れになった息子と同年代。ジョセフとシーザーの姿を重ねて、人一倍可愛がっていた可能性も十分に考えられます。もしそうならシーザーもリサリサの愛情深さを感じているはず…
「母と同じくらい」大切にしていたであろうリサリサへの態度を見るに、本当に尊敬する相手には真面目なんでしょうね…女性を喜ばせる言葉を知っており、大事な相手には礼儀正しい態度をとるシーザー。甘さと真剣さのどちらも兼ね備えているのは、シーザーならではの強みと言えそうです。
シーザーは男にはシャイ！？
ところで男相手の時のシーザーはどんな態度を見せるのでしょうか。シーザーから血のシャボン玉を受け取ったジョセフは「置き土産までするなんてキザな野郎だ」と評していました。やっぱり男から見てもキザなのね～と思いきや、そうでもないようです。
まずジョセフとの絆が深まっていない頃は、「イナカモン」「彼女なんているわけない」だの散々な言いよう…でも絆が深まるとジョセフへの態度が変わってきます。
例えばメッシーナとの最終試験後、ジョセフの様子が気になって双眼鏡で見ていたシーン。メッシーナには「ジョセフのことが気になるか」と聞かれた時の回答がこちら。
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』9巻 集英社（32頁）
全然質問に答えてない。
答えていないどころか、ジョセフのことをベタ褒め。なんだ～～ジョセフのこと大好きなんじゃ～ん！って思うのですが、エシディシ戦後に本人を目の前にするとこれ…
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』9巻 集英社（88頁）
何でやねん。褒めてあげて！！！
ジョジョって他にもこんな人いるんだよな～～～～…この人なんですけど…
「友人を作るのがヘタ」と評されたシーザーですが、少し不器用なところは承太郎と似ているのかもしれませんね～！
表面上はキザな態度でも、本当は思いやりのある気持ちを持って接しているシーザー。ちょっと素直じゃないところもありますが、大事な相手には男女ともに愛情を持って接することが出来る人のようです。
2. 冷たいようで本当は世話焼きなシーザー
次にシーザーの優しさについて見ていきます。ジョセフを「嫌い」とまで評していたシーザーでしたが、ジョセフの良さに気づき始めると、徐々に態度が柔らかくなっていきます。
例えば死のリングをつけられた後には、波紋の使い方について細か～～～～く説明していました。
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』8巻 集英社（91頁）
優しいね～！水鉄砲だの円盤投げだの、色々な例えを使って長々と解説しています。他にも修業が始まり、マスクに四苦八苦しているのを見てアドバイスを送ったり、地獄昇柱でもリサリサに手を貸す許可を乞うなど、ジョセフを見捨てられないシーザー。
時々小馬鹿にしながらもつい世話を焼いてしまうようですが、その理由を考えてみます。
世話焼きなのはシーザーの過去と性格によるもの？
シーザーの世話焼きな性格は、過去の家族経験から形作られたことは間違いないはずです。
父親が出て行った後、残された兄弟たちの世話をしていたであろうシーザー。アニメ版で最も背丈が高く描かれていることから、長男であろうことが分かります。
きっと1番年上だからこそ、周りの世話をしないと！という責任感に駆られていたんでしょうね…だからジョセフが困っているとつい手を差し伸べてしまうのかもしれません。「寂しそうな女の子を放っておけない」のも、両親がいない妹たちが寂しそうな顔をしていたからだったりして…悲しい…また「友人を作るのがヘタ」なシーザーは、友達はそう多くなかったはず。だからこそ人懐っこく男気もあるジョセフは、ある意味可愛い弟が出来たようで嬉しかったのかもしれません。
…と考えると長男気質なので、恋愛的には末っ子タイプとは抜群に相性がいいんでしょうね～。ちょっと目が離せなくて気に入った人には、ついお節介しちゃうシーザーなのでした。
3. シーザーの腹をくくれる強さ
最後に大事な時に腹をくくれる人って頼りになるよね！ということで、シーザーの精神的な強さについて考えてみます。戦闘時はもちろんですが、それ以外でもシーザーはかなりタフな人物です。
例えばマルクが致命傷を負って殺してくれと頼まれた際には、望みどおりに波紋を流していました。シーザーの優しさでもありますが、友人が息絶えるために自分で手をかけないといけないため、かなりの覚悟も必要なはず。
またスージーQがエシディシに体を乗っ取られた際にも、リサリサがとどめを刺すのにためらいがある様子を見ると、自ら代わりを申し出ました。
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』9巻 集英社（99頁）
リサリサがスージーQを可愛がっていたのを知っているからこその行為です。強いな…と言いたいところですが、リサリサにタメ口になっている辺り緊張が見えます。やっぱりシーザーにも恐怖があるのかもしれません。
人の命を奪うのは大変な覚悟が必要な行為です。それでも自ら手を挙げるのは、大切な人を苦しませないための優しさであり、他人のために死んでいった祖父や父のように「他人のために犠牲になる」精神が受け継がれているのかもしれません。
精神的に揺れるシーザーの人間らしさ
さて心優しいシーザーですが、性格的にいつも穏やかな訳ではないようです。
例えばワムウとの再戦前には、一族に対する気持ちをジョセフと分かり合えず、殴り合いの喧嘩に。その豹変ぶりにはジョセフも驚きを隠せませんでした。
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』10巻 集英社（39頁）
まぁ一族の誇りはね…シーザーの繊細な部分だからね…
そしてワムウを目の前にすると自分のことを「冷酷！残忍！」と称し、いわゆる「貧民街テンション」に。左手を骨折しても「痛みなんかどうでもいい」など、アドレナリンが出まくっているのか、最高にハイってやつになってしまいました。でもシーザーは怒りだけではなく、心配から精神が揺れることもあるようです。ジョセフとエシディシとの戦闘時なんて戦況が気になるあまり、双眼鏡から目が離せなくなってしまいました。アニメ版ではメッシーナに諭されてエシディシを迎え撃つ準備に入りますが、原作ではなかなかハード…
荒木飛呂彦（1989年）『ジョジョの奇妙な冒険』9巻 集英社（50-51頁）
双眼鏡ポイーッ！！！高そうなやつなのに…
メッシーナに「こんな時に何をする」だの「え！？」だの言っている辺り、戦闘を見ることだけに夢中だったことが伺えます。大事な弟分が心配なあまり、周りが見えなくなってしまったんでしょうね…やっぱり優しい兄貴分だ…
ちょっとキザでしっかり者なのに、繊細な一面も併せ持つシーザー。でも人間的には、あんまり完璧な人よりちょっとスキがあった方が魅力が増すものです。プッツンするのは困るもののちょっとデリケートなところは、チャーミングなポイントなのかもしれません。
最後に…シーザーのモテ判定！
最後にシーザーのモテ判定です！
世話焼きな長男度 ★★★★★
精神的にタフ度 ★★★★☆
君、本当に不良だったんか？と言いたくなるほどの良い子だ…
女の子を口説きまくれるほどなんだから、外見的にもまぁ～～～～～モテるのでしょうが、中身もなかなか男前。特に自分が尊敬する相手にはとっても真面目です。シーザーも本当の良さは心の底の方にあるんでしょうね～！
でもやっぱり気をつけたいのは一族の話。
上手く扱わないとペンチで殴られかねないもん。貧民街テンション怖い…
モテ判定の記事はこちらもどうぞ～！
