ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した、虹村億泰。仗助の相棒的存在であり、コメディリリーフ担当でもあるキャラクターでした。
そんな億泰ですが、他人の恋愛に一喜一憂はしていたものの、自身の恋愛模様はどうなのでしょうか。今回は億泰のモテ度を勝手に判定です!
1. 億泰の恋愛について考察してみる
まず億泰の恋愛について考えてみます。恋愛関係が謎に包まれている億泰ですが、他人の恋愛の話になると、泣いたり悔しがったりと喜怒哀楽を見せていました。その辺りから、億泰のモテ具合や恋愛の志向について考察してみます。
億泰は恋愛経験が豊富なのか
まずは億泰の恋愛経験の多さについてです。注目したいのは、広瀬康一が山岸由花子のあしらい方を億泰たちに相談するこの場面。
荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』32巻 集英社(51頁)
由花子ちゃんに告白された場面では億泰に「なんで康一が~」なんて言われていたりとモテないらしい康一くんですが、だからこそ女の子に告白されて喜んでいました。その気持ちを「ヒジョーにわかる」いうことは、康一くんと大差ないモテ具合だからこそ。きっと仗助には分かるまい…でも「わかる」と言っている以上、告白されて嬉しかったという経験はあるのかもしれません。
また康一くんと由花子ちゃんがキスをした話を聞いた後には、こんな反応も…
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』38巻 集英社(32頁)
お友達に「ごとき」とか言っちゃう億泰。羨ましすぎたんだな…
キスの報告を聞いた直後にも泣いていた辺り、この辺の経験はないのかもしれません。
高校生だから恋愛経験が少ないのなんてよくあることですが、億泰の場合は父親の一件があったりでそんな余裕があったのかも微妙なところ…とにかく恋愛の経験値は決して高くはなさそうです。というかジョースター家がモテすぎなだけなんだよな、この漫画は…
億泰が目指す恋愛観
さてイマイチ恋愛経験が多くなさそうな億泰ですが、どんな恋愛観を持っているのでしょうか。注目したいのはこの台詞です。
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』38巻 集英社(31頁)
名探偵オクヤスの名推理。あれれ~~おかしいぞ~~~?
「愛情の真剣さだけ」は尊敬しているとのことですが、これは自分も恋愛に対して真摯に向き合いたいと考えているからこその台詞です。そして「真剣さだけ」というところから、「由花子の真剣さ以外は尊敬していない=束縛は良くない」と考えていることも伺えます。
束縛や執着は恋愛初心者だと陥りがちなところでもありますが、その辺りの分別がしっかりとついている億泰。実践できるかは別としても、相手のためを思った真面目なお付き合いを目指していそうです。優しい不良だ…
2. 億泰の金銭感覚の真面目さ
お付き合いする相手のお金の使い方って大事だよね!ということで、次に億泰の金銭感覚を見てみます。「オレんちは食ってくだけのカネはある」なんて発言から、少なくともお金に困ってはいなさそうな虹村家。でも億泰は無駄遣いするタイプではなく、かなり堅実な金銭感覚なんですよね~!
例えば宝くじの当選金の使い道についてはこの回答。
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』36巻 集英社(125頁)
お友達との差がすごい。お友達はきっとパチンコにも行きます。
遊び盛りの高校生がこんな回答するなんて、なんて堅実な…と言いたくなりますが、これは億泰が歩んできた人生があったからこそ。父の影響で豊かさも貧しさも経験しているため、お金の大切さを身をもって分かっているのではないかな~と思います。「病気以外ならなんでももらう」なんて貧乏性な発言も、きっと恵まれなかった時代を経験してきているからこそでしょうね…
さらに宝くじの当選金を母親に没収されて懐が寂しいと嘆く仗助には、こんなことまで思っていたりして。
荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』40巻 集英社(166頁)
自分は重ちーにパン代たかってたのにこれ。
もしかしたらパチンコとブランド物につぎ込む仗助だからこそ、の台詞だったのかもしれませんが、何はともあれ堅実でエライねぇ~~~~~!
このようなシーンから一見すると財布の紐が固いな~と思われそうな億泰。でもかと言ってケチでもないんですよね~!毎週月曜は心の慰めとしてアイスを食べて登校したり、通好みの味だろうという理由でトニオの店に行くことにも積極的だったりとか…食ばっかりだな…
とっても堅実な金銭感覚でありながら、使うところは使う。そして仗助とは違い、ギャンブルやブランド品にお金を使うタイプでもなさそうです。真面目だね~~~~これはポイント高いな~~~~!!!
3. 億泰の父の世話問題
そして億泰の1番の問題であろう、父の世話についても考えてみます。お付き合いならまだしも、結婚となると避けては通れないこの問題。兄の形兆は「父親を殺してから俺の人生は始まる」とまで追い詰められていましたが、億泰はどのように向き合っていたのでしょうか。
億泰の父の世話はゆる~い!?
さて化け物と化してしまっている億泰の父ですが、知性がなく言葉も話せません。これに手を焼いた形兆は、神経質な性格からか父のことを鎖でつないでおり、管理しているようでした。その一方、億泰は父親にゆる~く向き合っているフシがあります。例えば父親を気に入った猫草を引き取ったり、父親を街へ連れ歩いていたりとか…
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』37巻 集英社(120頁)
形兆だったらやらなかったであろう行為です。億泰の性格的に「他人にどう思われようが気にしない」「文句をつけられたらやり返す」くらいに思っているのかもしれませんが、もしかしたら杜王町でたくさんの知り合いが出来たからなのかもしれません。
スタンド使いを増やし続けた形兆は、他人の助けを借りずに1人で全てを抱え込んでいました。一方の億泰は仗助や康一くんなど、周りにも父の事情を知っている人がいることが伺えます。だからこそ父親を連れ歩きやすかったのだろうし、孤立を防ぐ、協力を仰げるという点から見ても、これはかなり大きいですよね~!
この父親の世話が待っている…と考えると、億泰との結婚には相当な覚悟が必要です。なんせ不死身だしな…でも億泰の人付き合いと父親への向き合い方から、形兆ほど追い詰められるようなことにはなりにくいのかもしれません。とはいえ大変なことには変わりないんだけどね…
父の世話に追われる億泰が得たものと欲しているもの
最後に父親の世話を通して、億泰が得たものと欲しているものについて考えてみます。注目したいのはこのシーンです。
荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』33巻 集英社(10頁)
ウキウキすぎてウヒョルンしちゃう億泰。ウヒョルンって何や!
毎日母のご飯を食べられるのは羨ましい~!というのは、きっと自炊経験者なら一度は思ったことがあるであろう「人が作ったご飯が食べたい」というやつなんでしょうね…ヒジョーにわかるよその気持ち…さらに洗濯、掃除などもやっていると想定できることから、高校生にしては抜群の家事力を持っていることが伺えます。
これが父親の世話をしているからこそ得たものなのですが、億泰の場合は学校にも行かないといけない訳で。忙しすぎる…だから息抜きに美味しいものを食べられるとなれば、嬉しくてウヒョルンしたくなるのも納得です。普段は大変なんだろうな~…
そして家族構成を考えると、形兆がいなくなった今、人間の言葉を話せる相手がいないのです。もしかしたら幼児とずっと暮らしているような感覚に近いのかもしれません。介護やワンオペ育児に近い問題でもありますが、恐らく人恋しくて孤独な瞬間があるはず…だからなのか、アニメ版では形兆死亡後に仗助を迎えに行くシーンではウッキウキなんですよね~!
よぉ仗助ぇ!学校行こうぜぇ!(仗助「は?」)俺ぇ、今日からお前と同じ学校だからよォ!(中略)(朋子「あら、仗助のお友だち?」)はーい!虹村億泰でーす!(朋子「準備できるまで、中でコーヒーでも飲んでて!」)いいんスか!?いただきまーす!へへ…おめぇの母ちゃん、美人だな!へへ、お邪魔しまーす!
ちょっと前まで殺し合いしてたのにこれ。すごい切り替えの早さだ…
億泰の人懐っこさのせいなのはもちろんですが、たとえ命をかけて戦った後でも、父の問題に手を差し伸べてくれた仗助が、ご近所さんで同級生だったなんて…会話ができる相手が近くにいることが純粋に嬉しくて、誘いに行ったのかもしれません。心に思った事だけをする人なんだもんね…
そして康一くんや由花子ちゃん、露伴先生などのことだって、とても大切にしていたはずです。周りの人を大事に思っていたから、形兆についていくのではなく、この世に戻ってきたのだろうし…
父の世話を通して、破格の家事力を身に着けているであろう億泰。頼れる生活力の高校生ではありますが、同時に寂しさや人恋しさも持っている人でもあります。だからこそ大切な相手には、億泰らしい人懐っこさで大事に思ってくれるのではないでしょうか。
最後に…億泰のモテ判定!
最後に億泰のモテ度を判定です!
金銭感覚がまとも度 ★★★★★
家族関係が楽度 ★☆☆☆☆
大丈夫、モテるよ!億泰くん!!!
頭は良くなくても、優しく堅実で裏表もない億泰。やはりネックになるのは父の問題ですが、これって億泰のせいで起きた問題ではないんですよね~…むしろ億泰は自分なりに父親に真面目に向き合っている訳で。
だから億泰の中身だけで言えば、不良なのにかなりまともなはずです。それもう不良じゃないんじゃ…
お馬鹿で正直者だけど、だからこそ深刻な問題にもゆる~く向き合える。億泰の単純さがあれば、どんな壁にぶち当たった時でも、考えすぎずにシンプルな答えを出してくれるのかもしれません。意外と頼れる男だぜ、億泰!
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