ジョジョの奇妙な冒険3部ではラスボスDIOがエジプトのカイロで承太郎たちを待ち構えていました。
花京院曰く「ヤツはなぜか動きたくないらしい」とのことですが、今回はなぜDIOがエジプトにいたのか理由を考察してみました。
1. DIOはなぜエジプトのカイロにいたのか
まずはDIOがエジプトのカイロにいた理由を考えてみます。そもそもDIO様はず~~~~っとカイロにいたわけではないようで…スタープラチナの神スケッチがさく裂したシーンではこのように描かれています。
荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(149頁)
えっ、アスワンにいるん?????
アスワンはエジプト南部の地で、カイロからの距離は約900km弱。オインゴ・ボインゴ兄弟戦の舞台であり、花京院やアヴドゥルが入院していた場所です。めっちゃ移動してるやん、DIO様。
当時のDIOは打倒ジョースターの刺客を送り始めていたので、拠点はカイロから変えていないはずです。DIO様に報告しに帰ってきたら引っ越していた、なんて困っちゃうもんね~!ということはDIOはアスワンに用事があったことになります。オインゴ・ボインゴ兄弟やンドゥールの勧誘にでも来ていたんですかね…ンドゥールなんてDIO様大好き!だったので、自ら出向いて説得したのかもしれません。それかアブ・シンベル神殿の観光ね。エジプト行ったら行きたいよね~~~~!
ただアスワンにせよカイロにせよ、大都市にいたのは人ごみに紛れたいからかな~という気がします。エジプトでは日中暑いため、日が落ちてから出歩く人がたくさん!特にコシュクと呼ばれる屋台が長時間開いていることもあり、道が明るく、夜でも出かけやすいのだとか。エジプト最大の都市カイロなら人口も多いので、夜しか行動できないDIOにとってはより好都合なのかもしれません。

DIOがエジプトにいたのはジョナサンの影響!?
今度はエジプトを選択した理由を考えてみます。DIOの棺桶は1983年にアフリカ沖大西洋(カナリヤ諸島)で引き上げられたとのこと。モロッコや西サハラの近くなので、人の多い大都市を拠点にしたいのであれば、アフリカ大陸ならエジプト、ヨーロッパならスペインなどの都市が候補になります。
で、なぜエジプトを選んだのか。これね~~~設定上の理由が大きいと思うんですよね~…3部は「スターダストクルセイダース(=星屑十字軍)」というタイトルなので、十字軍遠征がイメージされているはず。ジョースター御一行をキリスト教の十字軍、DIOらをイスラム教徒と見立てた戦いだとすれば、イスラム圏の大都市であるエジプトが選ばれたのは自然な流れではあります。
あとは古代文明が栄えた地に引き寄せられたのかもしれないよね。なんせボディは考古学大好きのジョナサンだからな。元ネタであろうDioも「Egypt」という曲を出しているし…やっぱりエジプトこそ運命の地だったのかもしれません。

2. なぜエジプトのカイロから動かなかったのか
次にエジプトのカイロから動かなかった理由についてです。花京院曰く「なぜかエジプトから動きたくないらしい」とのことでしたが、プッチに会うなど移動自体はしていたところを見るに、敵の動きに合わせてわざわざ動きたくない、エジプトから拠点を移したくないという意味合いのようです。
その理由としてまず考えられそうなのが、ジョナサンの体が馴染んでいなかったこと。完全体ではない以上、なるべく戦闘は避けたいよね。ザ・ワールドの停止時間を延ばす練習もしていたので、より高みを目指すために拠点を作ることは必要だったのかもしれません。
またDIOにしてみれば、動かないといけない理由も特にないんですよね~…そもそもジョースター御一行が来ても負けると思っていなければ、逃げる必要がないわけで。なんせ御一行の一部なんてこの扱いだからな~…
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(15頁)
アンタ、ブ男の襲撃しただろ。襲撃失敗したのが恥ずかしかったのか、なぜか忘れてしまうDIO様。んも~~~~おじいちゃんなんだから~~~!
他の面子だって能力を知っている花京院、スタンドが1番なまっちょろいと言われるジョセフなので、せいぜい承太郎さえ倒せれば…くらいに思っていたのかもしれません。あと大嫌いな犬ね。人間にへーこらしないけどへーこく犬です。
また承太郎たちが来たら来たで利用してやろう!と思っていたとかね。「世界の頂点に立つものはほんのちっぽけな恐怖も持たぬもの」としながら、ジョースターの血統はあなどれないと話していたDIO様。ジョースター家がやってくることを試練と受け止め、消滅させて頂点に立とう!と考えていたのであれば、ますます動く必要なんてなかったのかもしれません。

DIOとエジプトで発掘された矢との関係
もうひとつ気になるのが、エジプトで発掘された矢との関係です。ディアボロがエジプトで6本発掘し、5本をエンヤ婆が所持していましたが、もし彼女が元々エジプトに住んでいたとすれば…DIOにスタンドを教えた師匠的な人物だったので、エンヤ婆がいたゆえにエジプトに居を構えた可能性も考えられるのではないでしょうか。
また手下のスタンド使いを効率よく増やすためにも、矢は便利ですよね~!4部では矢が自ら射抜いたり、対象を選ぶ描写もあったので、矢を所持するエンヤ婆は手元に置いておきたい人物のはずです。そりゃ~エジプトに住むわな。
そして矢以外にもスタンド関連の遺物が出てくるかも…なんて期待をしてエジプトにいたのかもしれないですよね~!色々な想像ができそうなところですが、矢やスタンドに興味を持ったことがエジプトステイのきっかけだったのかもしれません。

3. DIOと古代エジプトとの関係
最後に古代エジプトとの関係について触れてみます。DIOといえば石仮面により不死身となった人物ですが、古代エジプト人もまた永遠の命を求めており、死後の世界での復活を目指していました。ミイラ、豪華な副葬品などのアイテムはそのために準備されたもので、中でも注目したいのが冥界での復活に必要な呪文が書かれた「死者の書」。天国に行くための「14の言葉」を思い出しますよね~!DIO様、「死者の書」から着想を得ていたのでは…?
またザ・ワールドはメタリックな黄や黄金色ですが、古代エジプトにおいて金は神聖さや力の象徴。ヌビアなど周辺地域から金がとれたため、数多くの装飾品などに使われました。スタンドは精神力が具現化したものですが、ザ・ワールドの黄金色はDIOがエジプトで頂点を目指していたからこそなのかもしれないよね~!他の国にいたら全然違うカラーリングだったりして…
そんなDIO様は朝日を浴びながら最期を迎えます。古代エジプトでは太陽神ラーが崇拝されていましたが、そんな地で太陽によって消滅するというのがなんとも…やっぱりなにかとエジプトにご縁があるDIO様なのでした。
エジプトネタだらけの3部小説のレビューもあります

まとめ:DIOがエジプトのカイロにいたのは利便性、動く必要のなさなどの理由では
DIOがエジプトにいた理由について考察してみました。
大都会で人ごみに紛れ込むといった利便性や移動の必要性のなさ、体を馴染ませるなど色々な理由が考えられそうなDIO様ですが、矢への興味などはジョナサンのボディの影響かもしれないですよね~!あれだけ考古学は金にならん!とか言っていたのに…
エジプトが舞台に選ばれたのはメタ的な理由が大きいとは思います。それでも古代エジプトとの関係が浮かび上がるのが面白いところ。もしスペインあたりに上陸していたら、スタンドカラーや話の流れはもちろん、館のデザインなんかも全然違うよね…それはそれで気になる…!
DIO様についての色々。


