ジョジョの奇妙な冒険の第5部「黄金の風」に登場した、ブローノ・ブチャラティ。頼れる兄貴分らしい名言を残した、人気のキャラクターです。
そんなブチャラティの名言は、英語吹替版アニメではどのように訳されたのでしょうか。リスニングに挑戦してみました!
5部の名言の英語訳はこちらもどうぞ~!
この味はウソをついている味だぜ
この味は!………ウソをついてる『味』だぜ……
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(151頁)
初対面のジョルノ・ジョバァーナに、「涙目のルカ」について尋ねている時のブチャラティの名言です。初登場回で、いきなりジョルノの汗を舐める衝撃的なシーンでした。英語訳はこちら。
what a surprise=これは驚きだ!
distinct=明らかな、独特な
tang=味
直訳は「これは驚きだ!明らかに嘘つきの『味』がするぜ…」tang=味なので、tang of a liarで「嘘つきの味」になります。distinctは「独特な」で訳してもいいかもしれないですね~!
とにかくちょっと嘘ついてるっぽいな~ではなく「絶対嘘つきやん!」というブチャラティの確信がよく分かる英語訳。これはブチャラティのブラフなのか、それともジョルノは嘘が下手なのか…どうなんでしょうね~
質問はすでに拷問に変わっているんだぜ
答えろよ 質問はすでに…『拷問』に変わっているんだぜ
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(166頁)
「涙目のルカ」について知らないとシラを切るジョルノの嘘を見抜き、ジョルノを攻撃し始めた時のブチャラティの名言です。英語訳はこちら。
time for the truth=真実を知る時
progressed from A to B=AからBに進む
torture=拷問
「真実を語る時だ。質問はすでに拷問に変わっているんだぜ」のような訳です。
「答えろよ」が「time for the truth=真実を語る時」と少し違う訳でした。「答えろよ」だとギャングらしく圧がある雰囲気でしたが、吹替版だとちょっと洒落た言い方でインテリヤクザっぽさがあります。これはこれでアリかも…
こいつにはスゴ味がある
こいつにはやると言ったらやる………『スゴ味』があるッ!
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(12頁)
こちらもジョルノとブチャラティの一戦での名言です。本気で戦いを挑んでくるジョルノに驚いた時の一言でしたが、英語訳はこちら。
calm=静かな
demeanor=行動
savage=獰猛な
直訳はこのようなニュアンスです。「冷静な行動と裏腹に、獰猛な一面を持っている…それが彼を危険に仕立て上げている!」
「それが彼を危険に仕立て上げている!=危険な存在」のような意味合いになります。
英語吹替版だと、『スゴ味』の内容が詳しく説明されています。ブチャラティを殺そうとしてることだけじゃなくて、ジョルノのギャップにも驚いていたんですね~!なるほど~!
覚悟はいいか
覚悟はいいか?オレはできてる
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』53巻 集英社(61頁)
プロシュート・ペッシ戦でのブチャラティの名言。ブチャラティの部下思いの一面と、覚悟が垣間見れた名シーンでした。ブチャラティを代表する名言ですが、英語訳はこんな感じです。
'cause=becauseの短縮形
raring to go=行きたくて待ちきれない
この場合のthe sameは、これの直前のブチャラティのセリフ「『部下も守る』『幹部』のつらいところだな」のことになります。「お前、ペッシっていう部下がいるけど、俺と同じこと出来るの?」的な意味合いでのこの台詞です。
そして続くブチャラティの台詞ですが、
raining to go=「俺はもう行きたくてしょうがねぇよ!(だって覚悟できてるもん!)」
のようなニュアンスで表現されています。もう覚悟ができまくっている状態のようです。やる気満々だ…さすがブチャラティ兄貴!
たぶん亀は平気でしょう けっこう栄養にするかも
クローゼットをトイレにしましょう、どうぞ(トリッシュ:えっ…どうぞって…)今、トイレに行きたいと?この下はどこに続いているのかわからんが、たぶん亀は平気でしょう けっこう栄養にするかも
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 : ポルポの遺産を狙え! . TOKYO MX, 2018-11-03.(テレビ番組)
亀の中にトイレがないとトリッシュに訴えられて、ジッパーでトイレを作った時のブチャラティの名言です。英語訳はこちら。
I assumed to use it. Have at it?
I don't really know where this portal leads, but I'm sure the turtle will be fine.
It might actually be good for him.
have at it=さあどうぞ
portal=入口
I'm sure=きっと~だ
might actually=~する可能性もある
訳はこんな感じです。
「このクローゼットがトイレになります。さあどうぞ。使うことを想定していましたが、どうぞ?この入り口がどこに通じてるのかはわからんが、きっとカメは大丈夫でしょう。彼にとってはいいことかも」
これ、「どうぞ」って言うのはアニメオリジナルなんですよね~!この台詞のせいでデリカシーのなさが強調されたブチャラティ…しかもさ~
英語版では2回もどうぞって言ってる。
2回目はどうぞ?って疑問形なんだよな…使わないの?みたいなニュアンスに聞こえます。使えないわ!!!!
すごくデキる男なのに時々ヌケてるブチャラティ。誰しも欠点はあるもんな…人間だもの…
吐き気をもよおす邪悪とは
吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ…!!自分の利益だけのために利用することだ…
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』55巻 集英社(185頁)
こちらもトリッシュの命を狙おうとするボスへの、ブチャラティの名言です。正義感あふれるセリフでしたが、英語訳はこちら。
Abusing the weak and innocent is just a means to an end, profiting from the pain and suffering of countless citizens.
wretchedness=惨め、あさましい
puke=吐く
countless=多数
means to an end 目標達成の手段
「今のボスはクソだ!あいつの惨めさには吐き気がする!弱者や罪のない人々を虐待することは、大勢の市民の痛みや苦しみから利益を得る、目標達成の手段に過ぎない」のような意味になります。
ほぼ原文通りですが、「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!」の部分で、最初にボスをクソと言い切っていました。原文ではボスのことは「邪悪」と表現されていたので、ボスと呼ぶのも嫌だったのかな…
あんたは再びオレの心を裏切った
ゆるさねえッ! あんたは今、再びッ!オレの心を『裏切った』ッ!
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』55巻 集英社(185頁)
こちらもトリッシュの命を狙おうとするボスへの、ブチャラティの名言です。ボスのことを信頼していたし、信頼していたかったんだろうな…英語訳はこちら。
disgrace=恥辱、醜態
let me down=私をがっかりさせる
直訳は「この恥さらしめ!また俺を失望させたな!だが、これが最後だ!」みたいな感じでしょうか。英語版でもブチャラティの怒りと悲痛な心の叫びが感じ取れますね~…
しかも英語ではlet me downが使われており、ブチャラティがボスに心底がっかりしたんだな~というのが伺えます。
しかしボスに対してdisgraceってすごい言葉使うな、ブチャラティ…
きさまに俺の心はわかるまい
きさまに俺の心は永遠にわかるまいッ!
荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』56巻 集英社(22頁)
ボスがトリッシュを殺そうとすることに対しての、ブチャラティの怒りの名言です。ブチャラティのブチキレ具合が感じられる言葉ですが、英語訳はこちら。
could never=出来るわけがない
直訳は「俺の心の中なんてお前が理解出来るわけがない!」のような意味合いです。原文通り、ほぼドンピシャの訳でした!
couldの後にneverが来るので、否定の表現になりました。最後のin my heartは本音、心の中のような意味で使われます。
自分の歩く道は自分が決めるんだ
だめだ……こればかりは「命令」できない!おまえが決めるんだ………自分の「歩く道」は…………自分が決めるんだ……
荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』56巻 集英社(119頁)
ボスを裏切ってブチャラティの側につくかどうか、決めかねているナランチャへの名言です。ブチャラティ自身、重大なことをしでかしていると思ったからこその一言でしたが、英語訳はこんな感じ。
The choice must be yours.
Though we walk this world together, your path belongs to you.
fate=運命
path=道
訳としては「だめだ。俺はお前の運命を決められない。選ぶのはお前だ。この世界を共に歩いているが、お前の道はお前のものだ」のような感じです。
原文の「こればかりは「命令」できない!」は、英語版では「お前の運命を決めることは出来ない」と訳されています。
また「自分の「歩く道」は…………自分が決めるんだ……」は、「この世界を共に歩いているが、お前の道はお前のものだ」。
こちらも英語版では、それぞれ少しだけ変わっていました。
自分の人生や運命を、より重要視している表現でした!
話がかみ合わねえ
もうしゃべるな 話がかみ合わねえ
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』61巻 集英社(93頁)
ブチャラティに追い詰められてパニックになるセッコへの名言です。英語訳はこちら。
zip it=静かにしろ、もう喋るな
walnut head=馬鹿、無能
can barely=まともに~出来ない
「もうしゃべるな無能野郎。ほとんど理解出来ねえ」のようなニュアンスです。
ちょっと言い方は違いますが、意味的にはほぼ同じでした。
今回はwalnutという形でしたが、英語ではnutというと狂った人のような意味を持つことがあります。「Are you nut?」のように使うと、「正気か?」とセッコ的な意味での狂ったのニュアンスになりますが、「~狂」「~オタク」的な意味で使うことも出来ます。
幸福というのはこういうことだ
幸福というのはこういうことだ…………これでいい 気にするな…………みんなによろしくと言っておいてくれ…
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』63巻 集英社(42頁)
ブチャラティが昇天していく場面での名言です。天使と共に天の召されるのが印象的な場面ですが、英語訳はこちらです。
I'll be fine, no need to worry. Give everyone my regards, won't you?
showing=見せる
give my regards=よろしく言っておいて
「真の幸福を見せてくれてありがとう。俺は大丈夫だ、心配するな。みんなによろしく言っておいてくれ」のような訳です。
幸福がtrue happinessと訳されていますね。ただのhappinessではなく、trueがついて「真の幸福」の意味合いなのがとても素敵な訳…!
20歳で「真の幸福」なんて台詞を言えるとは…
ブチャラティはジョルノに会えて良かったんだなぁと、しみじみ思える訳でした。
まとめ:英語吹替版のブチャラティは、より熱くて正義感にあふれていた!
ジョジョの奇妙な冒険の第5部「黄金の風」におけるブチャラティの名言の英語訳をご紹介しました。正義感の強いブチャラティですが、英語訳ではより熱さが感じられる訳でした!
英語吹替版もカッコいい訳ばかりなので、ぜひ聞いてみてくださいね~!
参考教材:
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure: Golden Wind Part 1』, Warner Bros.
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure: Golden Wind Part 2』, Warner Bros.