ゾラゾラゾラゾラジョジョの奇妙な冒険7部ことスティール・ボール・ランでは、ジャイロにより「チーズの歌」が披露されました。
今回は「チーズの歌」の意味について、真面目に考察してみました。
「7日で一週間」の話もあります

1. ジャイロの「ピザ・モッツァレラ(チーズの歌)」の意味は故郷愛!?
まずは歌詞の意味についてです。1番、2番ともにチーズについての歌で、ジャイロ曰くこんな歌詞でした。
ピザ・モッツァレラ ピザ・モッツァレラ レラレラレラレラ レラレラレラレラ レラレラレラレラ ピザ・モッツァレラ ピザ・モッツァレラ
(中略)歌詞の2番は『ゴルゴン・ゾーラ』で繰り返しよ ゾラゾラゾラゾラゾラゾラ……荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』10巻 集英社
バンド組む?(様式美)
暗殺チームのホルマジオの元ネタの話でも触れましたが、モッツァレラは、イタリア北部カンパニア州原産のフレッシュチーズ。カンパニア州にはナポリが含まれているので、ジャイロの出身地ネアポリス王国(のちのナポリ)を代表する食べ物ということになります。
一方で2番で登場するゴルゴンゾーラは、イタリア北部ロンバルディア州ゴルゴンゾーラ村で誕生したといわれる青カビのチーズ。つまり「チーズの歌」は、チーズを通じてイタリアを縦断する歌だったんですね~!なんだかジャイロの故郷愛が伝わってくるのでは…?

2. 「ピザ・モッツァレラ(チーズの歌)」が意味するジョニィとジャイロの出身地
次に注目したいのが歌詞の「ピザ・モッツァレラ」。モッツァレラチーズののったピザといえば、ナランチャやアバッキオの好物でもおなじみ「ピッツァ・マルガリータ」!これね。
Di Dale Cruse from San Francisco, CA, USA - pizza, CC BY 2.0, Collegamento
ブチャラティが口にし、ナランチャが故郷に帰ったら食べたようとしていたしたように、ピッツァはネアポリス王国のあるナポリを代表する料理。「ピッツァ・マルガリータ」が作られたのは1889年のナポリで、王妃マルゲリータのために捧げられたのが発祥とされています。7部の舞台は1890年なので、「チーズの歌」はネアポリス王国の最新の食事情を歌っていたんですよね~!
そして注目したいのが「ピザ・モッツァレラ」という歌詞。イタリア語圏出身で、故郷愛あふれる歌なのであれば英語発音の「ピザ」ではなく、イタリア語の「ピッツァ」と使うのがよりイタリア人らしいはず。なんでピザ…?
ここで注目したいのがピザの歴史についてです。「ピザ」はアメリカ発祥の食べ物で、「ピッツァ」のトッピングや生地の厚みなどが独自の進化を遂げたもの。19世紀末にイタリアからの移民により「ピッツァ」が持ち込まれ、移動販売などにより徐々に広まり、1905年にはピザ専門店が誕生したとされています。ただ当時は移民向けの食べ物で、現地のアメリカ人にはポピュラーではなかったそう。アメリカ人にも本格的に広まったのは、第二次世界大戦以降のことだったとか。
つまり「ピザ」は、ジョニィにとってはアメリカで見かけるようになった食べ物、ジャイロにとってはアメリカナイズされた「ピッツァ」という認識だったのではないでしょうか。ジャイロがわざわざ「ピザ」と使ったのは、2人の出身地の食文化を取り込んだ歌を通じて、ジョニィとの絆を表現したからだったりして…!めちゃいい歌じゃんね…!

3. ジョニィがジャイロの「ピザ・モッツァレラ(チーズの歌)」を絶賛した意味
最後にジョニィの感想についてです。大絶賛(?)していましたよね~!
荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』10巻 集英社
主にリズムについてベタ褒めしていましたが、注目したいのが「ヨーロッパなら大ヒット間違いない」という台詞。元天才騎手で華やかな生活をしていたジョニィは、ヨーロッパのトレンドや食文化に詳しかったり、移民から持ち込まれた最新の食べ物の「ピザ」も知っていた可能性がありそうです。
だからこそ「ピザ」に「モッツァレラ」と聞くだけで、ピンと来たのかもしれないよね。そしてアメリカではまだ移民向け、ネアポリス王国では最新の食べ物の歌だったからこそ、「全世界で」や「アメリカで」ではなく、「ヨーロッパなら大ヒット」と評したのではないでしょうか。
でももしジャイロがアメリカとイタリアの歌を意図していたのなら、非常にシュールですよね~…2人の絆を象徴するはずが、ジョニィには最新の食べ物のリズムが激ヤバの曲にしか聞こえなかったってことだもんな~!あるいは「ヨーロッパならいいんじゃない?アメリカでは絶対流行らないけど」って意味だったとか。元セレブっぽい皮肉~~~~!!!!

ジャイロとジョニィの絆と「チーズの歌」の関係
最後に2人の絆について少しだけ…さて「チーズの歌」や「7日で一週間」など遊び心あふれるジャイロでしたが、厳格な父親の前ではふざけた態度を取れる環境ではありませんでした。例えばジャイロパパの患者さんと遊んでいたシーンを見てみると…
荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』11巻 集英社
やっていることがやっていることだったとはいえ、父上ヤバイ!父上怖い!という気持ちが伝わってきますよね~!なんせいつも敬語で喋っているくらいだもんな~!その一方でパパが去っていくとこの態度。
荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』10巻 集英社
おちゃらけていましたよね~!なおこの後、不倫が発覚した模様。ヒェッ…
クマちゃん愛好家だったりと、本来はお茶目な一面のあるジャイロ。だからこそジョニィに自分の自然体な姿を見せることができ、大絶賛(?)してもらえることは心底嬉しかったのかもしれないよね。
そして天才ジョッキーとして世間から持ち上げられるも、名誉を失った途端つまはじきにされたジョニィにとっても、飾ることなくくだらない話をしてもらえることはきっと心地よかったはず。大真面目におバカなことを共有できる、そんな男の絆の証が「チーズの歌」なのではないでしょうか。

まとめ:ジャイロの「ピザ・モッツァレラ(チーズの歌)」には故郷愛、2人の絆の意味があるのでは
ジャイロの「ピザ・モッツァレラ(チーズの歌)」について考察してみました。7部屈指のギャグですが、考察してみるとネアポリス王国への故郷愛や、イタリアとアメリカの架け橋、そして旅の中で最新のトレンドを歌うリズムが最高の歌に聞こえてくるのではないでしょうか。
そして「7日で一週間」といい、最高にハイなジャイロとローのジョニィの対比も面白いですよね~!でもあの雑~~~な態度は、2人の間に自然体でいられる男の絆がたしかにあったゆえではないでしょうか。めちゃ名シーンじゃんね…!


参考文献
ピザ協議会「ピザの歴史」https://pizzakyogikai.gr.jp/roots.html(2026年6月25日確認)
Caitlin Zaino「The deep rooted history of Chicago’s deep-dish pizza」BBC https://www.bbc.com/travel/article/20131023-the-deep-rooted-history-of-chicagos-deep-dish-pizza(2026年6月25日確認)







