ジョジョの奇妙な冒険に登場したDIOの息子たち。個性豊かなスタンド能力の持ち主で、5部、6部に登場しています。
そんなDIOの息子たちはどんな人物だったのか、DIOの血筋や遺伝を含めて考察してみました。
1. ウンガロ
まずはウンガロについてです。DIOの息子たちの中でもダントツに顔に締まりがないというか…やっていることもんまぁ~~~~~小物というか…
で、よく言われるのがダリオの遺伝説です。ダリオが酒に依存していたのに対し、ウンガロは麻薬というだけではなく、顔の雰囲気や言動まで似ている…なんて言われがち。確かに見れば見るほど、似ているんですよね~!
例えばウンガロは「自分を見下してきた社会が墜ちていく様が面白い」なんて言っていました。そしてダリオも、ほら…
荒木飛呂彦(1987年)『ジョジョの奇妙な冒険』1巻 集英社(16頁)
そっくりやん。いでんのちからってすげー!
さらにウンガロのボヘミアン・ラプソディーは「全世界の死者被害者数不明」の大災害を引き起こしました。無関係の人々を巻き込むことを良しとするなんてまるで罪悪感がないのですが、その点ではダリオも似ています。馬車の事故後にジョージ・ジョースターの前歯を盗み取ろうとした時には、こんな発言をしていました。
荒木飛呂彦(1987年)『ジョジョの奇妙な冒険』1巻 集英社(17頁)
いでんのちからって(以下略)
救いようのない悪どさと小物さがダリオと同じなんですよね~!嬉しくない遺伝だな…
そしてウンガロは、自分のスタンドが通用しなかったと知った途端、精神的にポッキリ折れてしまいます。DIOの遺伝が強ければもっと踏ん張れたんじゃないかな~!と思うので、やっぱり父親似ではないのかも…
ということでウンガロは父親というより、祖父のダリオに似ている人物なのではないでしょうか。
ウンガロのスタンドについては、こちらもどうぞ~!
2. ドナテロ・ヴェルサス
次にドナテロ・ヴェルサスについて考えてみます。ヴェルサス自身、DIOの血統なのだから天国に行く資格がある!なんて、遺伝を意識した発言をしていましたが、中身もちょっとDIOっぽいのです。
例えば徐倫・エルメェス戦では、子供たちを利用してしまう辺りちょっとDIOを彷彿とさせます。しかも罪悪感ないし…
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』14巻 集英社(122頁)
そして上昇志向もDIO譲り。ただそれ故にプッチを邪魔に思う訳ですが、そのことをうっかり口に出してしまったりと、ちょっと抜けています。
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』14巻 集英社(74頁)
DIOみたいなしたたかさが足りないんだよな~!またヴェルサスには、圧倒的なカリスマ性がある訳でもありません。やっぱりお父さんはすごいんだな…!
そしてスタンド名を見てみると「アンダー・ワールド」と、DIOのザ・ワールドを想像させる名前です。スタンド能力も元ネタになったであろう音楽ネタも全く違うのですが、名前は意図的に似せているのかもしれません。
このように見ていくと、ヴェルサスはDIO似の部分が多いキャラクターだと言えそうです。髪も金髪なので、この辺りも遺伝だったりして…
3. リキエル
そしてリキエルについてです。6部に登場したDIOの息子たちの中では、最も黄金の精神を感じられる人物でした。
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』13巻 集英社(122頁)
あんたジョースター側の人間だな?と言いたくなるほどの精神性。これはDIOというより、ジョナサンの血筋かな~という気がします。ただね~ジョナサンやDIOほどの圧倒的熱量がないというか…すぐパニックにもなっちゃうしな…
そしてスタンド名「スカイ・ハイ」は、ヴェルサスの「アンダー・ワールド」と対になるような名前です。これはジョナサン的な精神性を持ったリキエルと、DIO的なヴェルサスを対比させたかったのかもしれません。
で、スカイ・ハイね~…と思って三日三晩寝て考えていたのですが…(寝たんかい!)
スカイ・ハイ=漢字にすると「空・上」=音読みすると「くうじょう」=空条
…やっぱりお前ジョースター側の人間だな!?!?
いや嘘でしょ…と言いたくなるような偶然。これ、わざとなんですかね荒木先生…
ジョースター家の血筋を感じさせ、敵ながら黄金の精神まで伺えたリキエル。スタンド名もそれに由来しているのか、真実は分かりませんが、DIOよりジョナサンの要素が強いキャラクターなのではないでしょうか。
4. ジョルノ・ジョバァーナ
最後にジョルノについても考えてみます。5部の主人公であり、約1週間でパッショーネを手中に収めるなど、とんでもない人物だったジョルノ。「無駄無駄」ラッシュに加えて、ブチャラティもすぐに一目置いたカリスマ性はDIO譲りではないでしょうか。そして肩のアザや黄金の精神は、ジョナサンからの遺伝と考えられそうです。いいとこ取りだな~!
そしてスタンド能力についても考察してみます。ジョルノは生命を生み出すゴールド・エクスペリエンスの使い手でした。この生命を生むという点は、生命エネルギーを生み出す波紋法と共通点を感じるところ。このシーンなんかも、ジョルノの能力と似ています。
荒木飛呂彦(1988年)『ジョジョの奇妙な冒険』3巻 集英社(43頁)
しかもテントウムシは漢字で天道虫=太陽の虫なんてところまでちょっと似ているし…能力的にはジョナサン寄りですね~!
そしてDIOとの対比も見ていきます。5部はキリスト教を連想させる描写が多い部ですが、ゴールド・エクスペリエンスの生命を生み出す能力は、キリスト教の旧約聖書の「創世記」で、神が生命を作り出していく様子を連想させます。で、神といえばDIOがイタリア語で神の意味…「神」の遺伝というかなんというか…
さらにジョルノがゴールド・エクスペリエンス・レクイエムという相手の言動をリセットして、真実に到達させない能力を持っていたのに対し、DIOは「アイズオブヘブン」で、ザ・ワールド・オーバーヘブンという能力を披露しています。それはDIOが望む真実を上書きできる力であり、ジョルノの能力とはある意味真逆…!黄金の精神を持つ息子と、自分の思い通りに世界を牛耳りたい父親の対比なのかもしれません。
このように考えると、ジョルノはDIOとジョナサンどちらの血筋も受け継いでいる部分もありつつ、相反するところもあるキャラクターなのではないでしょうか。
ジョルノについてはこちらもどうぞ~!
5. なぜDIOの息子たちは顔が父親似ではないのか
最後にDIOの息子たちの顔の遺伝についてです。なんだかDIOにもジョナサンにも、イマイチ似ていない気がする息子たち。その理由を遺伝子的な側面に注目して考察してみました。
さて人間は性別に関する染色体として男性はXY、女性はXXを持っています。子供にも親から1本ずつ受け継がれますが、XXを持つ母親からは必ずXを、XYを持つ父親からはYをもらえば男の子、Xなら女の子と、父親からの遺伝次第で性別が決定されるのです。
そしてこのXが外見的な特徴に関係しているようで…
男の子の場合、Xはママから、パパからはYをもらっていますよね。でもY染色体には生殖器をつくる遺伝子情報しかないので、体の機能や構造、顔つき、性格などの情報はX染色体の情報、つまり母親からの遺伝子だけになります。だから、見た目や雰囲気などが母親に似る可能性があるんです。
『「男の子はママ似、女の子はパパ似」遺伝子レベルの理由があった【榊原先生、教えて! 子どもの体の不思議 第7回】』Woman excite
つまり顔の情報を持っているXを母親からのみ受け継いでいるので、男の子は母親に似やすいとのこと。だから息子たちがDIOやジョナサンの顔に似ていないのも、確率の問題で大アリと言えそうです。ジョルノなんてお母さんに顔そっくりだし…
このように考えていくと、DIOやジョナサンと息子たちの顔が似ていないのは、遺伝的な理由も考えられそうです。逆にもしDIOに娘がいたら、2人の顔の特徴が出ていたのかもしれません。ちょっと見てみたいかも…
ジョジョと遺伝子の話はこちらも!
まとめ:DIOの息子たちは主に性格面でDIOやジョナサンを受け継いでいた
DIOの息子たちと遺伝について考えてみました。
彼らは性格面やスタンド面でDIOだけではなく、ダリオやジョナサンの特徴が伺えました。ただ性格面で歪んでしまっている者も多く、DIOやジョナサンのような芯の強さを持つのはジョルノだけのようです。さすが主人公!
また顔が似ていないのも遺伝の確率上の問題なのかもしれません。それぞれ違う母親から生まれたこの4人。母親の外見や性格も気になるところかも…!
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