ジョジョの奇妙な冒険の第5部「黄金の風」の主人公・ジョルノ・ジョバァーナ。
冷静さと熱さを兼ね備えた性格と、コロネのように美味しそうな髪型が印象的でした。
そんなジョルノの名言は、英語吹替版アニメではどのように訳されたのでしょうか。
聞き取りに挑戦してみました!
5部の名言の英語訳はこちらもどうぞ~!
あなた『覚悟して来てる人』…
あなた…『覚悟して来てる人』……ですよね
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(12頁)
涙目のルカについて聞くために、攻撃を仕掛けてきたブチャラティと対戦した時のジョルノの名言です。かっこいいですね~言ってみたい名言ですよね!でも使う機会がないんですよね~!!!!英語訳はこちら。
fully=十分に、完全に
直訳は「あなた…殺す気満々で来ているんですよね?」のようなイメージです。
英語版では「殺す準備」という言葉が使われていますが、日本語では「オブラートに包んで『覚悟して来てる人』と表現しています。日本語版の方が言い方がカッコいいですよね~!ジョジョのワードセンスが光っていることがよく分かる英語訳でした!
それでですね!!!
この後に続くセリフが英語吹替でなかなか洒落ていたので、見て欲しいのです!続きをどうぞ!
人を始末しようとするって事は…
人を「始末」しようとするって事は逆に「始末」されるかもしれないという危険を常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(12頁)
こちらもブチャラティに対する、ジョルノの名言です。あら~…とても15歳で言うセリフじゃないですよね…やはりジョルノは『スゴ味』があります…英語訳はこちら。
You boarded the car knowing that you might be ending someone's life.
And an executioner must always stand ready to be executed.
written all over your face=あなたの顔を見れば分かる、顔に書いてある
executioner=死刑執行人
stand ready=身構える、待機する
execute=殺す
長いな…直訳はこんな感じでしょうか。
「あなたが殺し屋ってことは見れば分かります…人の人生を終わらせるかもしれないと分かっていながら、車に乗ったんですよね…そんな人は殺される覚悟も持っているはずですよね…」
原文の「『始末』しようとするって事」の部分に注目です。英語訳では「You boarded the car(車に乗った)」という言葉で表現しています。
ジョジョは比喩的な表現が多いので、その辺りを意識しているのかも?
ちょっとお洒落じゃないですか!?なかなかカッコ良かったので、ご紹介しました!
このジョルノ・ジョバァーナには…
このジョルノ・ジョバァーナには『夢』がある!
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』49巻 集英社(85頁)
ジョルノと言えば、これ!という名言です。『夢』という言葉は、ジョルノが何度か使っており代名詞でもあります。英語訳はこちら。
refuse=拒否する
直訳は「僕と一緒に来てくださいよ。夢を諦めるのは嫌なので」のような感じでしょうか。「『夢』がある」を「夢を諦めることを拒否する」で表現しています。
これは英語で時々登場する二重否定表現になります。I'm not unhappyのように「不幸ではないよ」=「幸せだよ」と肯定の意味になる表現のことです。日本人にはなかなかややこしい…
「覚悟」とは…
「覚悟」とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!
荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』55巻 集英社(117頁)
ギアッチョ戦でのジョルノの名言です。ミスタが半ばヤケクソでギアッチョを攻撃しようとした時の一言でした。英語訳はこちら。
determination=決断、意思
forge=築く
「これ(覚悟)が人生の暗闇の中に道を作るという意思ということなのだ!」のような直訳です。
ギアッチョ戦は暗闇の中の戦闘で、このセリフの後に、ジョルノはミスタが「進むべき道」も作りました。まさに forge your path through darkness of the life(人生の暗闇の中に道を作る)をやってのけたシーンです。
ジョルノの吹き替え版のセリフは、他のキャラクターに比べても本当にお洒落なものが多いですね~!
去ってしまった者たちから受け継いだものは…
去ってしまった者たちから受け継いだものはさらに『先』に進めなくてはならない!!この「矢」は破壊しない!
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』63巻 集英社(225頁)
ポルナレフに残された矢の始末について聞かれた時の名言です。ジョルノの覚悟が感じ取れる一言でした!英語訳はこんな感じ。
It remains, that's my choice.
sacred=尊い、神聖な
duty=義務
carry forth=前に進める、進展させる
「彼らが僕たちの手にその意思を託した時、それを進めるのは神聖な義務だ。これ(矢)は残す、それが僕の選択だ」のような直訳になりそうです。
「さらに『先』に進め」ることは、"sacred duty"=「神聖な義務」と説明されていました。ブチャラティ達への尊敬の念がうかがえる訳です。
また最後の原文の「この「矢」は破壊しない!」は英語版では「これは残す、それが僕の選択だ」と訳されていました。あえて"that's my choice"を付けるところにジョルノの強い意思を感じます。
まとめ:ジョルノ・ジョバァーナの名言は英語版でも素敵!
ジョルノ・ジョバァーナの英語吹替版のセリフの聞き取りと訳をご紹介しました。
ジョルノのセリフは原作版よりも追加されている部分が多く、よりお洒落でスタイリッシュな印象です。ジョルノの優男らしさにぴったりな英語訳でした。
面白い比喩表現も多いので、ぜひジョルノのように使いこなしてみてくださいね~!
5部の名言の英語訳はこちらもどうぞ~!
参考教材:
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure: Golden Wind Part 1』, Warner Bros.
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure: Golden Wind Part 2』, Warner Bros.