なぜイルーゾォは鏡のスタンドなのか、理由を過去を予想しながら考察してみた

ジョジョコラム
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ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したイルーゾォ。マン・イン・ザ・ミラーの使い手でした。

今回は鏡のスタンドである理由を過去を予想しながら考察してみました。


1. イルーゾォの鏡のスタンド能力と過去との関係

まずは鏡のスタンドと過去の関係についてです。自分の許可した者だけを鏡の中に入れるという能力で、イルーゾォはこんな解説をしています。

ここには「スタンド力」は おれの許可なくしては入る事はできない 「おまえ本体」だけ入る事を許可した ここにある物は全て命のない「物質」だけだ―――おまえとオレだけ!他に『生きてる物』はいない………安全で……無敵にふるまえる『鏡の中』…… それが おれの能力

荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』51巻 集英社(156頁)

「鏡の中では安全で無敵にふるまえる」とのこと。自分に有利な場所で一方的に攻撃したい!優越感に浸りたい!俺がルール!なんて気持ちが伺えるのでは…?

ただ「鏡の中では安全で無敵にふるまえる」というのは、逆に言えば外の世界では無敵ではない、あるいは戦う自信がないとも言えるわけで。自分のコントロール下にない予測不能な事態や、他人と対等に接することを恐れているのではないでしょうか。

なんだか闇が深そうですが、ここで関係がありそうなのがイルーゾォの過去です。原作では明らかにされていませんが、不健全な家庭で育ったような気がしますよね~…例えば親に「条件付きの愛(子が期待に応えた時だけ愛し、応えなければ愛さない)」を与えられていたとかね。ありのままを受け入れてもらえず、勝利や成功に執着してしまった結果が、自分に圧倒的に有利な空間に引きずり込むという能力となったのかもしれません。

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鏡のスタンドはなぜ許可制?イルーゾォの悲しき過去

許可制の理由についても考えてみます。入って欲しい相手だけを入れ、その他は拒絶することができましたよね~!

ここから連想できる過去が、親による過干渉吉良吉影も被害者だったという裏設定がある虐待の一種で、「親なら何でも知っておくべき」「親の思い通りに動きべき」と親が必要以上に子供に関与し、選択や意思決定の自由を奪ってしまうことを指します。親が境界線を越えてズカズカ侵入してきた経験が、「許可しないィィィィィーッ」という気持ちに繋がっているのかもしれないよね。

また過干渉を受けた子供は「意思決定に自信がない」「失敗が怖い」「親の理想を演じる」「自分が何者かわからない」といったネガティブな気持ちを抱えやすくなるのだとか。イルーゾォが圧倒的に有利な空間を作るのは、自己肯定感が低く、失敗への強い不安があるからだったりして…

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イルーゾォの語源と鏡のスタンドとの関係

イルーゾォの過去について今度は名前から考えてみます。語源は「イリュージョン(「幻影」「幻覚」の意味)」でしたが、これは「いるはずなのにいない」かのように、存在感ゼロ子供として扱われていた…なんて裏設定が想像できそうです。

引きずり込んだ相手を現実世界から消すのも、「お前はこの世に存在しないのと同じだ」と扱われた経験ゆえの能力とかね。あるいは「俺と同じように現実世界から存在を消してやる!」「お前も俺と同じ扱いを受けてみろ!」という悲痛な心の叫びなのかもしれません。切ない…

また相手を鏡の中に入れるということは、自分自身や自分の世界観を他人に強要できることでもあります。イルーゾォ曰く、フーゴらを鏡に「ひとりずつ」入れる予定だったとのことですが、タイマンとなれば嫌でも意識はイルーゾォに向くよね。存在感ゼロとして扱われたゆえの、「俺を見ろ!」という自己顕示欲に見えてくるところでは…?

そして自己顕示欲で思い出すのがこちら。


荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』38巻 集英社(176頁)

「ちいかわ」にいそう。なんとかなれーッ!的な。 

シアーハートアタックと共通点が伺えるあたり、やはり吉良と似た過去を持っているのかもしれないですよね~…苛酷な過去ゆえに自分の存在証明が欲しくてたまらない。マン・イン・ザ・ミラーは、そんな傷ついた心が表れた能力なのかもしれません。

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2. イルーゾォのスタンドが鏡の理由と過去との関係

でもなんで鏡?というのも気になるところ。鏡という自分を映し出せる道具がモチーフだったのは、イルーゾォが自分の姿を確認したがった精神の反映なのではないでしょうか。例えば「親の理想を演じられているか?」と常に気にしていたとかね。

あるいは「自己愛性パーソナリティ症」を発症していた可能性も考えられそうです。過干渉や過干渉、過度の甘やかしや批判などが原因とされる精神疾患で、主な症状は「自己の過大評価」「自分は特別という特権意識」「賞賛されたいという欲求「目標達成への他者の利用」など。これらの肥大化したナルシズムが、自分を映し出す鏡というスタンドを生み出したのかもしれません。鏡はいつの時代もナルシストの象徴だしね。

そして鏡の最大の特徴といえば、左右反転して映ること。鏡の世界ではイルーゾォが支配者のように振舞うことができますが、現実世界では逆という意味があるのではないでしょうか。なんせ虐待を受けていたとすれば、両親が支配者イルーゾォが被支配者と真逆だもんな~…

現実とは隔離された鏡の中に相手を閉じ込めるのは、自分が両親のもとに閉じ込められ、自由を奪われた経験ゆえとかね。一般的に鏡は「異世界への入口」というイメージがあるので、現実世界からかけ離れた空間という能力にはぴったりですよね~!色々な意味が考えられそうですが、いずれにせよイルーゾォが重い過去を背負っていたことが伺えそうです。苦労人っぽいよな~…

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3. イルーゾォのスタンドの外見が亀に似ている理由

そして気になるのがマン・イン・ザ・ミラーの外見です。荒木先生曰く、ヴェネツィアの長~~~いくちばしのカラスのような仮面がモチーフとのことでした。映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』でも散々出てきた、左のやつね。


By Flickr: Tracy - https://www.flickr.com/photos/tracyelaine/3264042469/, CC BY 2.0, Link

これはペストが大流行したヴェネツィアで医師が装着した仮面で、感染予防としてくちばし内にハーブなどを入れていたのだとか。スタンドはもちろん、ウイルス、カラスなどイルーゾォ戦との関連が伺えます。

でもね、マン・イン・ザ・ミラーってこんなにくちばしが長くはないんですよね~…


荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』51巻 集英社(156頁)

な~~んか既視感あるよね~っていうかタートルズっぽくない???特にミケランジェロ(Google画像検索結果)

カラスというより亀に似ている気もしますが、もし本当にカラス仮面と亀のハイブリッドだったとすれば…亀のイメージは殻にこもる姿なので、イルーゾォが現実世界から隔離された鏡の世界にこもって戦う能力とも共通点があるんですよね~…やっぱり微妙~~~~~に亀要素も入ってるのでは…?

またイルーゾォ戦の直後には、亀のココ・ジャンボが登場するのも面白いところ。マン・イン・ザ・ミラーが外との繋がりを断つ閉鎖的な空間で、相手を抹殺する亀だったのに対し、ココ・ジャンボは仲間を迎え入れ、敵から身を守る安全な空間の亀と綺麗な対比になっていたのかもしれません。トイレないけど。これにはポルポル君もご立腹よ…

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まとめ:イルーゾォが鏡のスタンドなのは過干渉などの虐待を受けた過去が理由では

イルーゾォのスタンドと過去について考察してみました。5部の他の登場人物同様、イルーゾォの過去も悲惨な予感がしますよね~…鏡はもちろん、あの亀のようなルックスにも心の闇の深さを感じるところではないでしょうか。

また元ネタが亀の可能性という点からは、ココ・ジャンボとの対比が見えるのも面白いところ。ブチャラティらの秘密基地であり、ポルナレフの家(?)となった黄金の精神と継承を象徴するオープンなココ・ジャンボ、相手を選んで抹殺する空間だったマン・イン・ザ・ミラー。亀ひとつで主人公と敵の生き様が象徴されているように見えるのでは…?




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