ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したシルバー・チャリオッツ・レクイエム。独特の見た目とコロッセオから歩いて行く姿が印象的でした。
今回はシルバー・チャリオッツ・レクイエム(以下「チャリオッツ・レクイエム」)の行き先や外見の意味について考察してみました。

1. シルバー・チャリオッツ・レクイエムの帽子の意味
まずはチャリオッツ・レクイエムの帽子や見た目の意味についてです。まっくろくろすけでしたよね~!
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』62巻 集英社(222頁)
テンガロンハットをかぶっていましたが、あの帽子で思い出すのがカウボーイの姿。元々は牛追いの職業でしたが、放浪者のようなイメージが思い浮かぶのではないでしょうか。
とすればチャリオッツ・レクイエムの帽子は、ポルナレフを失って放浪する姿を現していたのかもしれないよね。ポルナレフの騎士道精神の話でも触れたように、騎士は主に忠誠を誓って仕えます。が、本体の死亡により鎧を脱ぎ捨て、誰にも仕えない放浪者となってしまったのかもしれません。

2. シルバー・チャリオッツ・レクイエムの行き先は承太郎なのか
チャリオッツ・レクイエムはどこに向かっていたのかについても考えてみます。ネット上でよく言われるのが、承太郎に矢を私に行った説。承太郎との絆が感じられますよね~何よりエモい。
でもね、ちょっと現実的じゃないかな~という気がするんですよね~…チャリオッツ・レクイエムは北西に向かって歩いていましたが、そもそもポルナレフは承太郎と連絡が取れなかったので、どこにいるのかわからないはず。さらに承太郎にこだわっていたのであれば、走馬灯には承太郎がデカデカと映るのが自然だよね。でもこれ見て…
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』61巻 集英社(177頁)
カメオのがでかいねえ。承太郎、1番遠いし後ろ姿じゃんよ~~~~~!
つまりポルナレフに重要だったのは承太郎との接触よりも、共に旅した仲間の意思を引き継いで矢を渡すことだったのではないでしょうか。ましてやジョルノらと連絡が取れた今、ますます承太郎にこだわる理由はないよね。
さらにチャリオッツ・レクイエムは別の生物に書き換えるという能力がありました。もし承太郎に出会い、矢を渡せる!という矢先に承太郎ではない何かに変わってしまったら…と考えると、この能力が発現すること自体が不自然なのではないでしょうか。やっぱり承太郎の線は薄いんじゃないかな~…

3. 行き先はバチカン市国!?シルバー・チャリオッツ・レクイエムの目的地
じゃあチャリオッツ・レクイエムはどこに向かっていたの?というのも気になるところ。放浪者のように、ただ行く当てもなくウロウロしていたという可能性もあります。が、特定の場所だとすれば、バチカン市国だったんじゃないかな~…
というのはこちらで考察したように、ポルナレフがキリスト教の巡礼者そっくりなんですよね~!巡礼の目的は「内省」「魂の浄化と再起」「奇跡への祈り」などですが、性格が一変するほど自分と向き合い、矢の継承者が現れる奇跡を信じて再起を図るポルナレフの姿は、まるで巡礼者のよう。
またポルナレフの潜伏先はイタリアのオルチャ渓谷が元ネタの可能性がありそうですが、ポルナレフの出身地フランス→オルチャ渓谷→バチカン市国のサンピエトロ大聖堂の道のりは、「フランジェナ街道」というキリスト教の巡礼路と同じ。もしポルナレフが巡礼者のオマージュだったとすれば、チャリオッツ・レクイエムの行き先はやはりバチカン市国なのかもしれないよね。
さらにポルナレフの名前「ピエール」はキリストの弟子「ペトロ」が由来ですが、バチカン市国の中心地であるサンピエトロ大聖堂は、ペトロを祀るために建設された建物。チャリオッツ・レクイエムは本体に代わって、サンピエトロ大聖堂で巡礼を完了させ、名前と縁がある場所でポルナレフの魂を昇天させに行くつもりだったのかもしれません。
あるいはもしチャリオッツ・レクイエムが矢を守ることのみに特化していたとすれば…7部で遺体を教会の下に隠したように、彼もまた矢をサンピエトロ大聖堂に隠すつもりだったとかね。誰にも手が届かない神聖な場所として、バチカン市国に向かっていたりして…!

シルバー・チャリオッツ・レクイエムの見た目が黒い意味
もう一つ注目したいのが、あの黒~~~い見た目。人の心の影だそうですが、もしポルナレフを弔う巡礼の旅を歩んでいたとすれば、それは喪服のような意味合いにも見えてきそうです。なんせ喪服っぽい表現がある5部だからな~!あれはスタンドが元本体を、あるいはポルナレフが自身を弔う葬儀のたった一人の参列者の装いだったのかもしれないよね。ポルポル君、孤独だしな…
とすればレクイエムという名前も偶然ではない気がしてきますよね~!レクイエムは「死者のための儀式」を意味する言葉だもんな~!ポルナレフがこの名づけをしたのも、ブチャラティらとの合流が決まった時から、無意識下で「やっと終われる」「もう戦わなくていいんだ」「身を隠さなくていいんだ」という安息の気持ちがあったゆえなのかもしれません。切ない…!
でも鎮魂するどころか、亀という第二の人生がスタートしまったわけで。3部の頃からしぶとい3枚目キャラクターでしたが、やっぱり死にきれなかったあたりポルナレフっぽいですよね~!亀というどこか笑えるような、温かな結末を迎えたところも彼らしいのではないでしょうか。

まとめ:シルバー・チャリオッツ・レクエムの行き先はバチカン市国、見た目は喪服などの意味では
シルバー・チャリオッツ・レクイエムについて考察してみました。テンガロンハットをかぶった黒い見た目は放浪者や喪服がイメージできるのではないでしょうか。
フランスというキリスト教の国に生まれ、家族を次々と喪い、DIOという偽の神にだまされ、巡礼を始めたと思ったらカトリックの総本山どころか、死にもたどり着けなかったポルナレフ。そこら辺のジョジョ顔負けの人生ですよね~!まさに「ポルの奇妙な冒険」よ。神に見放されてるんだか、気に入られてるんだか…







