ジョジョの奇妙な冒険3部の空条承太郎。高校生で実家もかなりの広さでした。
今回は承太郎の実家や高校の場所、公暁東高校の名前の由来などについて考察してみました。
承太郎の実家の間取りについてはこちら

1. スージーQが観光した場所
空条家の実家の場所を特定するために、色々な情報をかき集めていきます。まずは向かうスージーQが通った場所についてです。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(168-169頁)
大きなビルが立ち並んでいるので、繁華街っぽいですよね~…看板の実在する店名をもじったものが並んでいるようです。「洋裁生地キタカド」はかつて渋谷にあった「洋裁生地マルナン」、時計の「SEIKYO」は「SEIKO」、「COFFEEモナリザ」は「喫茶室ルノアール」、「KOHEI」は「KOMEHYO」とかね。
でも「洋裁生地マルナン」があった渋谷の道玄坂付近を見ても、時計台はないようで…
こちらは2009年の様子ですが、それ以前もこんなところに時計台なんてなかった気がするし…原作のように中央分離帯もないので、な~~~んか違うっぽいよね。
また原作の向かって左側には「東京大飯店」の看板がありますが、「東京大飯店」があるのは新宿三丁目。全然渋谷じゃないやん!と言いたくなりますが、あのコマは荒木先生が街中で見かけた看板を用いて構成した、架空の街並みなのかもしれません。
現地の街並みそのまんまなエジプトの話

スージーQが観光した場所は池袋!?
でもね、荒木先生が描く風景は実在する場所に忠実なことも多いので、やっぱり元ネタがある可能性も捨てきれないんですよね~…もし本当に特定の場所がモデルだとすれば、池袋東口ではないでしょうか。理由はね~~~~このあたり、中高生の時によく寄り道してたんだわ。デジャヴ感ってやつね。
実際、店の位置関係が現実とかなり近いんですよね~!例えば「洋裁生地キタカド」の位置には、手芸用品店の「キンカ堂」が建っていたはず。ここでね、よくピアッサー買ったのよ。名前も似ているしね。
で、対面の2階には「COFFEEモナリザ」と喫茶店らしきお店がありましたが、この位置にはタカセ池袋本店の喫茶があります。また池袋には時計台もありまして…
見えるかな…?原作では「COFFEEモナリザ」の隣のビルのようなのでちょっと場所は違いますが、中央分離帯のところにあります。
また道路の向かって右側には「紳士服セントラル」が描かれたあたりには「洋装店ミカド」、その右の角にあたるビルが隅切りの形という点も近そうです。Google Mapのストリートビューでさかのぼれるのは2009年までですが、「洋装店ミカド」は看板のレトロさを見るにきっと老舗だよね。なんか昔、見たような覚えもあるし…
スージーQの車の後ろにはひと際高いビルが見えますが、それらしきビルも健在のよう。あるいは実際にはもう少し左側に位置してはいますが、サンシャイン60をイメージして描かれているのかもしれないよね。
他にもスージーQが立ち寄ったような立ち食いそばもある上に、飲み屋街もあるので原作で登場したような吐しゃ物の貼り紙があっても不思議ではない池袋。モデルがあるとすればここかな~という気がします。

2. 花京院が承太郎を切りつけた神社のモデル
今度は承太郎が花京院にグッパオンされた神社の場所を考えてみます。長い階段が特徴的でしたが、上からの風景を見てみると…
荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(76頁)
東京タワーらしき建造物が!3部開始時にも東京タワーが描かれていたので、承太郎の高校やお世話になった留置所はどうやら港区周辺のようです。
またグッパオンされた神社のモデルとよく言われるのが、宮城県仙台市の大崎八幡宮。長い階段のある神社ですが、港区にも「出世の階段」と呼ばれる長~~~い階段で有名な愛宕神社があります。
東京タワーの近くなので、元ネタの可能性も十分にあるんじゃないかな…!ということで、承太郎の高校の場所は港区で、通学で電車などに乗る描写がなく、花京院を抱えて帰ったところを見るに、実家も港区周辺といえるのではないでしょうか。都内の電車やバスで血だらけの男を抱えて帰ったら、さすがに通報されるもんね…

承太郎が通った公暁東高校の名前の由来
アニメ版では承太郎が通うのは県立公暁東高校とのことでしたが、この名前の由来も考えてみます。港区周辺に公暁の地名はありませんが、同名の人物として鎌倉時代に源実朝を殺害した人物である公暁がいます。殺害現場は神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮の階段上、殺害方法は切りつけた上で首を落したとのこと。花京院が承太郎を襲った件にそっくりな上に、モデルと考えられている大崎八幡宮とも八幡宮という繋がりがあります。
つまりグッパオン事件の舞台は大宮八幡宮の長い階段がモデル→長い階段で切りつけ事件といえば鶴岡八幡宮で、犯人は公暁→公暁を採用!という連想ゲームでつけられた名前なのではないでしょうか。もろ東京タワーが描かれていたのに県立なのは、神社が神奈川県にあるゆえで、東京都というのは「公暁東」の東に表されていたりして…!?

3. スージーQの車が通ったルートから承太郎の実家は特定できるのか
今度はスージーQの車が辿った道についてです。スージーQが空条家に向かう最中には、こんな景色が描かれていました。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(178頁)
道路沿いに柵と松の木、奥にビル群があります。これの特定がね~~~~超難問なんよ~!なんせ今の写真を確認しても、90年代にはなかったビルだらけだからね~!
ただ再開発などをするにしても、立派な松の木をポンポン引っこ抜くとも思えないので、こちらを手掛かりに探してみると…例えば皇居外苑なんてどうですかね…?
いいんじゃない?けっこう近いんじゃない?ね???(圧力)
手前に柵とクロマツ、奥にはビルが立ち並んでいます。皇居外苑であれば、成田空港から港区に向かう途中で通過しても不自然ではないしね。ただし原作のように地面が築山ではなく、フラットなのがね~…とはいえ全体的には似ているので、とりあえず皇居外苑が有力候補ということで…
その後のコマにはこんな神社も登場します。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(179頁)
よ〜〜〜〜〜く見ると石碑に「隅田川」らしき文字が。これを手がかりに同じものを探してみたのがこちら(Google Map)。もう絶対これでしょ?隅田川沿いにある白髭神社の石碑でした。
ただスージーQが成田空港着だとして、どこかに寄り道後に皇居外苑、白髭神社を通るルートって現実的ではないんですよね~…すごくウロウロしているような印象で、どこに向かっているのかイマイチわからないというか…スージーQの寄り道が池袋だとすればますます不自然だし…これらのコマはあくまでも東京らしい風景が描かれているだけで、正確な道順を表しているわけではないのかもしれません。

4. 承太郎の実家の住所はどこなのか
最後にこれまでの情報を整理しながら、空条家の住所を特定してみます。ヒントとなりそうなのは「スージーQの寄り道は池袋の可能性アリ。その後都心を走って空条家へ」「承太郎はおそらく徒歩通学で、高校は港区周辺」という2点なので、やはり港区周辺と考えるのが自然です。
でもね、スージーQが空条家に近づいてきた時の景色を見てみると…
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(179頁)
高低差がある場所ですね~!山々に家がポツポツと、都心からはちょっと離れていそうな雰囲気です。こんなに開けた場所は港区にない気がしますが、港区周辺でも高低差のある住宅街はいくつかあります。麻布台や六本木、赤坂とかね。中でも気になるのが白金と白金台。なんせ白金はプラチナだからな。スタープラチナ、まさかの地名由来説。
ただやっぱり風景がね~~~~…大都会ではないよね~…杜王町の方が近そうというか…もし本当に仙台市のイメージも入っていたとすれば、仙台市に同地名のある赤坂と関連しているとかね。仙台市の赤坂は山のある静かな住宅街、東京の赤坂は坂道のある都心の住宅街なので、2か所を繋げたイメージだったりして。可能性はかなり低いと思うけど…
え?なんで仙台の住宅情報まで知っているかって?元カレの実家がこの辺だったからだよ。急に蘇る閑静な住宅街の記憶…

やっぱり謎?承太郎の実家と高校の場所
でも仮に承太郎の実家が港区周辺で、スージーQが訪れたのが池袋だったとすれば、今度は寄り道の理由が謎になります。ホリィの容体が悪いことに気づいていたにも関わらず、成田、羽田どちらの空港からも遠回りしていることになっちゃうんだよな~…寄り道先が「洋裁生地マルナン」のあった渋谷や「東京大飯店」のある新宿だとしても、ちょっと迂回することになるし…
先ほどの景色が都心から離れていたところを見るに、池袋などの繁華街に立ち寄った後、多摩方面、埼玉県方面に向かったのかもしれません。が、それだと今度は承太郎の港区への徒歩通学が現実的ではなくなるし…
どれも整合性がイマイチ取れないところを見るに、実家と高校の正確な住所までは設定されていないんじゃないかな~と思います。閑静な住宅街にあるでっかい実家、大都会に通う高校生というイメージ重視で描かれていたのかもしれないですよね~!ただ住所を挙げるとすれば、徒歩通学、通学路に愛宕神社らしき神社という点で、港区が候補ではないでしょうか。

まとめ:承太郎の実家と高校は東京都港区周辺ではないか
承太郎の実家と高校の場所を考察してみました。
絶対これ!という場所を挙げるのは難しいですが、東京タワーやグッパオンされた神社を見る限り、港区がモデルの可能性が高そうです。都会っ子だな、承太郎。
しかしスージーQはなぜ寄り道をしていたのか、気になりますよね~…ジョセフと違って日本に興味があるのか、娘の容体が悪いという現実を受け入れるのがやっぱり怖かったのか…あの性格と状況的に両方の気がしますが、それでも気丈に振舞えるスージーQは強いよね。やっぱり不動産王の妻はダテじゃないよな~!


