ジョジョの奇妙な冒険9部ことザ・ジョジョランズ。6巻ではハウラー社とのバトルが本格的にスタートしました。
今回はジョジョランズ6巻の内容から、今後の展開について予想、考察してみました。
5巻までの話はこちら。


1. 敗北は必然!?アッカ・ハウラーの今後の予想
まずはアッカ・ハウラーの今後を予想してみます。世間、マスコミ、ジョディオらと様々なものに追い詰められていたハウラーさん。大ピンチでしたね~~~!溶岩を見つけてドラゴナに詰め寄り一発逆転かと思われたものの、偽札に変えられている始末。ジョディオにはこんなことまで言われちゃうし…
荒木飛呂彦(2025年)『The JOJOLands』6巻 集英社
カネの動きには抗えないし、不条理と知っているから怖いんでしょ?と聞かれるハウラーさん。ところがその返答は「何を言ってるんだ?」とイマイチピンと来ていない様子でした。
でね、カネについてはメリル・メイも、ジョディオたちの出発前にこんな説明をしていました。
荒木飛呂彦(2025年)『The JOJOLands』6巻 集英社
なんだか裏稼業で色々経験してきたっぽいですよね~…続けて「ハウラーから身ぐるみを剥いで身も心も無力化する」とも話していましたが、この2シーンからジョディオとメリル・メイは「カネとはなにか」「人間を無気力にしたり、恐怖させるものはなにか」を理解していることが伺えます。もうこの時点でハウラーに勝機はないのでは…?
さらにハウラーはキー・ウエストに「ラスボスは堂々としていろ」と言われるほどあたふたしていましたが、ここで思い出したいのがジョジョの恐怖に対する哲学です。「生きるとは恐怖を克服すること」「世界の頂点に立つものはほんのちっぽけな恐怖も持たぬもの」というDIO様のお言葉にもあるように、ジョジョでは恐怖に打ち勝ち、人生を切り開いていくことが大事だよ~と何度も語られてきました。
9部ではジョディオたちは犯罪的な内容の良し悪しはさておき、ジョジョの哲学どおり仲間とともに勇気を出してピンチを乗り越えてきています。一方ですぐにパニックになるハウラーは、自分で勇気を振り絞るのではありません。金に頼ったり、周囲に優秀な人員配置をするなど、他人や物に頼ってピンチを切り抜けようとしていますよね~…
そんな姿勢のハウラーなので、よっぽど成長しない限り、もはや敗北は決定しているのではないでしょうか。序盤の敵で終わりそうな予感がしますが、片や恐怖やカネの何たるかを理解しているジョディオは、まだまだ成長を見せそうなところ。もしかしたら9部はジョディオが強者メリル・メイを超えていく話なのかもしれないよね…!

2. メリル・メイ・チーの過去の予想
6巻ではパコもジョディオたちと同様に、過去にメリル・メイに手を差し伸べてもらっていたことが判明しました。そのメリル・メイがさらわれると、ウサギは泣き、パコは「ブッ殺してやる」とブチギレ。メリル・メイの人望の厚さが伝わりますよね~!
でもメリル・メイは、なぜ危険な稼業を営みながら子供たちに手を差し伸べ続けるのでしょうか。旦那と子供がいて「家庭は幸せ」と語っていた彼女にはかなりリスキーな選択のはずですが、それでも見捨てられない事情がある気がしますよね~…例えば子供を亡くした経験や、自分も恵まれない家庭で育った過去とかね。
そして恵まれない過去、裏稼業で思い出すのが5部のブチャティチームです。9部では5部に似た描写が数多くありますが、ブチャラティチームもジョディオチームも家庭の不和や事件などにより、表社会で生きることが難しい人間で構成されていました。メリル・メイが子供を見捨てられない様は、ブチャラティらが不運な人間に手を差し伸べていたオマージュなのかもしれないよね。
色々な想像ができそうなところですが、いずれにせよメリル・メイは子供が好きなんでしょうね~!なんせ校長先生やってるくらいだからな~!校長という立場はビジネスに使えそうな子供に目をつける場として有効ではありますが、使い捨てのように扱っていないところを見るに、心から救ってあげたいという人情があるんじゃないかな~という気がします。落ちるところまで落ちる前に…と心意気を感じますが、その姿勢はメリル・メイが地獄を経験してきたからこそなのだろうか…?

3. ザ・ジョジョランズ6巻の美術関係の考察
最後に6巻の美術関係についてです。まずはハウラー家が所蔵するティントレットの絵画についてです。これね。
荒木飛呂彦(2025年)『The JOJOLands』6巻 集英社
元ネタは『天の川の起源』と呼ばれる作品です。
By Jacopo Tintoretto - Google Arts & Culture — ZQEexGM2Z5VjLQ, Public Domain, Link
ゼウスが人間との間につくった子供ヘラクレスに永遠の命を授けるために、寝ていた妻ヘラの母乳を与えようとするも、突然のことに驚いたヘラが飛び起きて母乳が飛び散ったというシーンです。この母乳が天の川になったとされ、英語のMilky Wayという言葉の起源にもなっています。天の川は無数の星々で構成されていますが、星といえばジョースター家。超怪しい絵のチョイスですね~~~~!
ここで気になるのが、ハウラーのご先祖のラトラートという名前です。これに似た名前のおもちゃでlatto-latto(あるいはlato-lato)というものがあるそうで…こんな形だそう。
クラッカーヴォレイやん。
いわゆるアメリカンクラッカーで、数年前に東南アジアでSNSを通じて流行ったそう。時期的にはちょうどザ・ジョジョランズの連載が始まった頃にあたります。アメリカンクラッカーといえばジョセフですが、彼はエア・サプレーナ島で出会ったスージーQと結婚して不動産王となった経歴があります。ラトラートもハワイ島で出会った女性と結婚し、土地を広げてハウラー牧場を設立していました。ちょっと似てない…?
なんだかジョセフやジョースター家と関係がありそうな予感のするラトラート。これは今後の展開が気になるところでは…!?
ジョセフの転生は8部でも登場しましたね~!ポイされたクラッカー…

ルルちゃんらしき人物の謎とイタリアとの関係
もうひとつ気になる美術関連のコマがこちら。
荒木飛呂彦(2025年)『The JOJOLands』6巻 集英社
王族なのかラトラート関係なのかは不明ですが、女性らしき人物が2人描かれています。この向かって右の人物がルルちゃんに似ているんだよね~…電話で個人的な指令を出されていたりと、2人だけの絆がありそうだったハウラーとルルちゃん。もしかしたら家系的にラトラートと関わりがあるのかもしれないですよね~実はルルちゃん、王族出身だったりして…?
そして紋章にも見える円に2人という構図は、カメハメハ大王の双子の叔父が描かれたかつてのハワイの王族の紋章、カメハメハ大王と自由の女神と2人の人物が描かれた現在のハワイ州の紋章を思い出すところ。女性2人ではないものの、こんなところが元ネタの可能性もありそうです。
また女性2人はロングヘア―のように描かれていますが、長い髪といえば目が合った者を石にしてしまうギリシャ神話の怪物メドゥーサが連想されます。こんな感じね。
イーヴリン・ド・モーガン - https://www.demorgan.org.uk/collection/medusa/https://artuk.org/discover/artworks/medusa-274596/search/actor:de-morgan-evelyn-18551919/page/1/view_as/grid, パブリック・ドメイン, リンクによる
円にメドゥーサという構図の美術作品はいくつかあるので、こんなところも参考にされているのかもしれません。
またハウラー一族はイタリアと関係がありましたが、イタリアではシチリアの紋章や州旗にメドゥーサが描かれています。シチリアといえば、リゾットの出身地。まさか暗殺チームの再来か…?いよいよ5部っぽくなってきちゃうな~!
しかしルルちゃんはどうなってしまうんでしょうね~…メリル・メイとの人質交換になるのか、はたまたジョディオチームに合流するのか…キャラ濃いから味方になって欲しいんだけどな~!

まとめ:ザ・ジョジョランズ6巻はハウラーの敗北予想、メリル・メイの過去やジョセフとの関係が考察できそう
ザ・ジョジョランズ6巻から今後の展開を予想、考察してみました。まさかのジョセフ転生の可能性がでてきましたね~~~~!
敗北フラグが立ちまくっているハウラーさんですが、今後逆転の一手を打てるのかも気になるところ。イタリア繋がりであることも明らかになっており、ハウラーの顔周りの模様はジャイロにも近いので、7部との関連が広がっていくのかもしれません。しかし荒木先生、本当にイタリアがお好きなんですね…!
ジョジョの元ネタ系の話いろいろ



参考文献
森出じゅん「ハワイ王国紋章」ALOHA PROGRAM https://www.aloha-program.com/curriculum/lecture/detail/378(2025年7月17日確認)
GMA Integrated News「Lato-lato toy trends on TikTok; doctor shares safety tips when playing」GMA NEWS ONLINE https://www.gmanetwork.com/news/hashtag/content/872006/lato-lato-toy-trends-on-tiktok-doctor-shares-safety-tips-when-playing/story/(2025年7月17日確認)