ジョジョの奇妙な冒険6部の主人公・空条徐倫。母親に心を許し、収監当初は「会いたい」と発言していました。
そんな母親は回想で登場したのみで、人物の全貌は不明です。そこで今回は徐倫の母親がどのような人物だったのか、考察してみました。
1. 徐倫との信頼関係から見える母親の人物像
まずは徐倫と母親の信頼関係から、人物像を探ってみます。注目したいのは承太郎に日本行きをキャンセルするように求めるシーンです。
荒木飛呂彦(2000年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』9巻 集英社(61頁)
この状況下で日本に行くことについて「まさか」「嘘でしょ」という気持ちが伺えます。なんせ警察沙汰だもんな…
そんな承太郎には、「父親」として帰ってきて欲しいと訴えていました。夫としても戻ってきて欲しいところですが、まずは娘を大切に思ってよ!という気持ちなんですよね〜!その根底にあるのは「娘の心を救いたい」という気持ちがあったからではないでしょうか。
また徐倫の母親は、娘が暴走族に入ったりとグレていることにきっと気づいていたはずです。そんな娘を救うには、自分が側にいるだけでは限界があり、承太郎の力が必要と感じていたのではないでしょうか。仲の良かった徐倫から「父さんは家族を放ってばっかり!」「愛してくれない!」なんて愚痴も聞いていたかもしれないしな…
だから徐倫の母親は娘を理解しようとし、承太郎には夫よりも父であることを望んでいたという点から、家族思いの人だったことが伺えます。きっと誰よりも承太郎と徐倫の親子関係の修復を望んでいた人なんじゃないかな~…
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2. 承太郎と徐倫の母との関係から見える人物像
今度は承太郎と徐倫の母親の関係性から、人物像を考えてみます。承太郎とは離婚していますが、今回はその後の2人の関係に注目してみました。
母親が徐倫の面会に来なかった理由と、家族思いの承太郎の関係
まずは徐倫の母親が面会に来なかった理由から、承太郎との関係を探ってみます。
徐倫が収監後、最初に面会に来たのは信頼されていた母親ではなく、承太郎でした。理由は定かではありませんが、このシーンから2人が接触していたことは確かです。
荒木飛呂彦(2000年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』6巻 集英社(23頁)
で、この接触の際に、承太郎は母親に危険が及ばないよう、面会することを強く止めていたのかもしれません。承太郎だって家族を守ろうと距離を置いていたはずが、まさかの娘が冤罪に巻き込まれたことで、行動が慎重になっているだろうしな…
ただ徐倫の母親だって、承太郎が面会に行っていることを知っていたとしても、その後連絡が途絶えれば心配するはずです。それでも動かなかったのは、「絶対に来るな」「音信不通でもとにかく待っていてくれ」と伝えられていたとかね。
承太郎のことだから、行かせない理由の詳細までは語らなかったと思います。それでも徐倫の母親がその言葉を信じて、家族の帰りを待ち続けていたとしたら…数奇な運命に巻き込まれるジョースター家の一員としての覚悟が感じられるのではないでしょうか。
このように考えると承太郎と徐倫の母親は離婚したとはいえ、徐倫のために協力していたことが想像出来そうです。しかも承太郎の言葉を信じて2人の帰りを待ち続けていたとしたら、ジョースター家の血を引く者の家族として、強い気持ちを持っていたのかもしれません。
承太郎が家族を守ろうとした理由と徐倫のあだ名の関係
ここで少し寄り道を…承太郎はなぜ家族を守ることに必死になっていたのでしょうか。ここでは徐倫のあだ名から、その理由を探ってみます。
承太郎はポルナレフと共に矢と弓の調査していたため、DIOの残党の報復などから守りたい気持ちはあったはずです。でもちょっと気になったのがこちら。
荒木飛呂彦(2000年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』1巻 集英社(21頁)
【悲報】娘、過酷な運命を辿るあだ名をつけられる
もうさ~このあだ名だと本当に人生ハードモードなんだよな~~~~~!あの承太郎が昔JOJOって呼ばれていたんだぜ〜とは言わなそうだし、きっと母親が偶然同じ名前をつけちゃったんでしょうね…
で、そんなあだ名を、娘もつけられていたら…そりゃ〜ますます危険から遠ざけようとしたくなるよね〜!こんなことも家族を守りたい!という思いが高まる要因だったのかもしれません。
ただその気持ちを無口な承太郎が家族に伝えられる訳もなく…そもそも「そのあだ名はやべーんだぜ」と言ったところで信じてもらえるのかも微妙だしな~…
とはいえ、承太郎は些細なことからも家族が巻き込まれる危険を感じていたのかもしれません。だからこそまずは自分が家族から離れていたい、なんて思いがあったのではないでしょうか。でも母親はその気持ちに気づかず、離婚してしまったんだろうな~…切ない…
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3. 徐倫の母親はホリィ似なのか
最後に徐倫の母親とホリィの比較についてです。よく男性は母親に似た人を好きになる、なんて言いますが、今回はこの説からホリィと徐倫の母親は似ているのか、考察してみます。
さてこの説に関しては、このようなことが言われているそうです。
マーシンカウスカ博士いわく、男性が母親似の女性に惹かれるのは全くもって自然なことだという。進化と自然淘汰(とうた)の過程で人間は、同じ種群のパートナーを求めるようになった。そして、男性が最初に親しくなる女性は母親なので、母親が「理想の女性像」になる。 Women's Health(2019年12月29日)『男性は、母親似の女性に惹かれるって本当?』
母親と似たタイプに惹かれるのは、大いにあり得るよ〜ということのよう。つまり承太郎の理想像がホリィだった可能性がありそうです。
そんなホリィは、喧嘩や無銭飲食をしていた承太郎を強く叱ることもなく…留置所に迎えに行った時もこんな感じだし。
荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』12巻 集英社(193頁)
鬼メンタルすぎる。反省させる気ゼロの「はァーい」
承太郎を心から信頼しており、「本当は優しい子」で済ませちゃうホリィさん。一方で徐倫の母親は、娘には泣き虫扱いされており、警察沙汰の時にもホリィほどの余裕はありませんでした。まあそれが普通だけど…
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で、もし承太郎がホリィと、妻を比較していたとしたら…夫がいないという状況でホリィのような余裕を持てないことに、理解が及ばなかった可能性も考えられるのではないでしょうか。さらに貞夫が承太郎の迎えに来なかったことから、警察沙汰における父親の必要性を、イマイチ感じていなかったのかもしれません。
このように見ていくとホリィと徐倫の母親は似ているタイプとは言い難いようです。ただし科学的な側面から見れば、承太郎がホリィの面影を無意識で求めているという点で、似ている部分もあるかもね〜という感じではないでしょうか。あるいは似ていなかったからこそ離婚したという可能性も…
ちなみにこんな研究もあるそうで…
キンメル博士いわく、母親から愛情をたっぷり受けて育った息子は、他の女性とも健全で愛のある関係を育むことができる。Women's Health(2019年12月29日)『男性は、母親似の女性に惹かれるって本当?』
嘘だろ承太郎。
いや家族への愛はあったんだけどさあ…そのもうちょっとこう…コミュ力というか…健全とは違う気が…う~ん…
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まとめ:徐倫の母親は家族を大切にし、ジョースター家の一員としての覚悟があった女性かも
徐倫の母親の人物像について、考察してみました。
アメリカ人女性という以外、詳細不明なだったこの人物。それでも彼女の言動や徐倫の態度などから、家族思いであることが伺えました。また離婚したとはいえ、徐倫のために承太郎の言葉を信じ続けていたとしたら、ジョースター家の一員らしく、芯の強い女性だったのかもしれません。
承太郎との出会いや離婚の詳細など、謎に包まれた部分がまだまだ多い徐倫の母親。でもきっといいところのお嬢さんなんじゃないかな~!なんせ元貴族で不動産王の親族と結ばれるくらいだからな~結構すごいよな…!
参考文献
Women's Health(2019年12月29日)『男性は、母親似の女性に惹かれるって本当?』 https://www.womenshealthmag.com/jp/wellness/a29856477/why-men-are-attracted-to-women-who-look-like-their-moms-20191229/
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