ジョジョの奇妙な冒険の第4部「ダイヤモンドは砕けない」の主人公・東方仗助。優しさと熱さが感じられる名言を残しました。
そんな東方仗助の名言は、英語吹替版アニメではどのように訳されたのでしょうか。リスニングにチャレンジです!
岸辺露伴と吉良吉影の名言の英語訳はこちら。
ヘアースタイルがサザエさん
おれの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ 何モンだろうーとゆるさねえ!このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ?
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』29巻 集英社(25頁)
不良に絡まれていた仗助の名言。髪型を馬鹿にされて、怒りだしたときの一言でした。英語訳はこちら。
A side that'll make you feel pain like never before.
So what was that about my hair looking like a motley toupee!?
talk shit about=悪口を言う
never before=今までにない
motley=雑多な、ごちゃまぜな
toupee=カツラ
直訳はこんなニュアンスです。
「俺の頭の悪口を言うならお前は俺の違う一面を見るだろうし、今まで味わったことのない痛みを受けるぜ。で、俺の髪型がもじゃもじゃなカツラみてェーだとォ?」
サザエさんの訳が、なんとカツラ。
まさかのカツラ…予想の斜め上の訳でした…。まあカツラじゃ怒るよね…
グレートですよ
グレートでスよこいつはァ
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』29巻 集英社(132頁)
東方仗助と言えばこれ!というグレートな口癖です。英語訳はこんな感じでした。
don't you think=~と思いませんか?
pretty=なかなか、結構、まあまあ
直訳は「なかなかグレートですよ、そう思いません?」
グレートはそのままgreatが使われていました!良かった~!
prettyは会話文でよく出てきます。「How are you?」に対して「pretty good!(なかなかいいよ!)」みたいな感じ。
他に「pretty cold(なかなか寒いね~)」のようにも使えてかなーり便利です。
無敵のスタープラチナで…
無敵のスタープラチナで何とかしてくださいよォ―ッ!
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』39巻 集英社(159頁)
吉良吉影の家で、父である吉良吉廣に攻撃を受けた時に、空条承太郎に放った東方仗助の名言。英語訳はこちら。
do something=何とかする
直訳はこんな感じです。
「スタープラチナムは超強いんだから、早く何とかしてくださいよォ―ッ!」
英語で「無敵」を表現すると、invulnerableが近い単語になります。ただここでは「無敵」をso powerfulと表現しています。確かにスタープラチナはパワフルだし無敵だもんね~!
気合の雄叫びです!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお 突然ですが これは『気合の雄叫び』ですッ! ふらせていただきますッ!
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』41巻 集英社(75頁)
岸辺露伴とチンチロリンをしていた時の東方仗助の名言。サイレンにアレルギーを持つ未起隆に、サイレンの音が聞こえないよう大声を出すシーンでした。英語訳はこちら。
You just heard the way I get myself hyped up for battle!
Now get ready to lose! Do it! Go!"
get hyped up=興奮する、気分が上がる
直訳はこのようなニュアンスでしょうか。
「あんたは俺がチンチロリンのテンションを上げる方法を聞いているんですッ!さあ負ける準備をしな!やれ!行け!」
「突然ですが これは『気合の雄叫び』ですッ!」の部分がちょっと違うみたいです。意味的には英語訳も似ていますが、日本語の方がシンプルな言い方でした。
そして「ふらせていただきますッ!」も原文では敬語になのに、英語は「get ready to lose!」=「負ける準備をしろ」って…大きく出たな仗助!グレートだぜ…
新しいパンツをはいたみたいにスゲー爽やか
スゲーッ爽やかな気分だぜ 新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーによォ~~~~~~~~ッ
荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』42巻 集英社(47頁)
ハイウェイ・スターの使い手・噴上裕也を殴った後の東方仗助の名言です。そんなに爽やかになるのか…お正月にパンツ新調しようかな…英語訳はこちら。
I feel like it's the early hours of New Year's Day, and I just put on a fresh pair of my favorite underwear.
invigorated=元気づける
put on=履く
訳としては「元気になってきたぜ。元旦の早朝に、お気に入りの下着を履いたような気分だぜ」のような意味合いです。
大体の意味は日本語版と似ていました。
「pair of my favorite underwear」という言い方がされていますが、パンツ1着を指す状況でなぜpair ofが? と気になるところではないでしょうか。
これはパンツは左右の足を入れるという意味で、1着でもpair ofが使われます。
同じようにズボンでもpair ofを使います!1着なのにややこしいですよね~!
まとめ:英語吹替版の東方仗助は、グレートだけどサザエさんヘアではなかった!
ジョジョの奇妙な冒険の第4部「ダイヤモンドは砕けない」における東方仗助の名言の英語訳をご紹介しました。熱く、優しく、爽やかな仗助ですが、英語版でもそれを感じさせる訳が多い印象です。
でもやっぱり印象的だったのは、サザエさんじゃなくてカツラだったことですかね…意外な訳でした…
4部はストーリーも面白いですが、名言も個性的なので、英語訳と見比べながら楽しんでくださいね~!
岸辺露伴と吉良吉影の名言の英語訳はこちら。
参考教材:
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure Set 4: Diamond Is Unbreakable Part 1』, Warner Bros.
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure Set 5: Diamond Is Unbreakable Part 2』, Warner Bros.