「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の美術の元ネタを考察してみた

ジョジョ美術

ジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ作品である「岸辺露伴ルーヴルへ行く」。漫画家の岸辺露伴が、フランスのルーヴル美術館に足を運ぶストーリーです。

多数の美術のオマージュが描かれていることは、荒木先生も言及していたこの作品。今回はオマージュとその美術的な元ネタについて、考察してみました。

ジョジョ本編の美術の元ネタはこちらをどうぞ~!

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1. 「岸辺露伴ルーヴルへ行く」で言及されている元ネタありのシーン

まずは荒木先生が「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の巻末で、元ネタをお話していた2シーンについて見ていきます。

岸辺露伴のジョジョ立ちと「瀕死の奴隷」

1つ目は露伴先生のジョジョ立ちです。


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

こちらの元ネタはミケランジェロの「瀕死の奴隷」。5部でも登場した作品でした。

By Jörg Bittner Unna - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

ポーズなどもほぼ同じ!

「眠れる奴隷」は、16世紀初頭のローマ教皇ユリウス2世の墓廟に設置するために製作されました。しかしその計画が頓挫してしまい、現在はルーヴル美術館に収容されています。

5部の眠れる奴隷の考察は、こちらをどうぞ~!

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見つめ合う岸辺露伴と奈々瀬とカノーヴァの「アモルとプシュケ」

もうひとつはこちら。露伴と奈々瀬が見つめ合うシーンです。


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社(50頁)

露伴先生の殺し文句がすごすぎる件。これが自己中で有名な露伴先生だと…?

ちょっと大人な露伴先生ですがそれはさておき、このポーズの元ネタとなったのは、アントニオ・カノーヴァの「アモルとプシュケ」です。


By Antonio Canova - Own work, CC BY 3.0, Link 

こちらは奈々瀬の顔の向きは「アモルとプシュケ」と同じですが、露伴の顔の向きが逆。だから荒木先生は完コピというより、ちょっとポーズを変えて描いているパターンもあるようです。

そしてこの「アモルとプシュケ」の物語についても、少しご紹介してみます。愛の女神ヴィーナスの息子であるアモルは、的中した直後に見たものに恋をしてしまう矢を持っています。プシュケは美貌に定評のある王女です。

ある日、ヴィーナスがプシュケの美しさに嫉妬し、アモルの矢を刺してこの世で最も醜い怪物と恋に落ちるようにしなさい、と命令されます。しかしアモルはうっかり矢を自分に刺してしまい、直後に目に入ったプシュケと恋に落ちてしまうのです。これに怒ったヴィーナスは、プシュケに無理難題を突きつけるように…

その難題のひとつとして、冥府から持ち帰った「絶対に開けてはいけない美の箱」を開けてしまい、プシュケは永遠の眠りにつきます。その眠りから覚ますためにはアモルのキスが必要なのでした。

で、この彫刻はアモルがキスして、プシュケが眠りから覚めるシーン。何ともロマンチックな…!露伴と奈々瀬のシーンにもぴったりな作品なのでした。

2. 「岸辺露伴ルーヴルへ行く」のその他のシーンの元ネタ

次に他のシーンの元ネタについて考察してみます。

先ほどの2シーンは共にポーズが特徴的なので、元ネタが探しやすい印象でした。だから他の元ネタもすぐに見つかるでしょ~~~~ガハハ!と思ってたのですが…

なにこれ、激ムズすぎる。いや本当に見つからん…

印象的なポーズはあるのですが、元ネタがあるのかないのかすら分からない…のですが、とにかく考察してみます。

岸辺露伴に話しかける奈々瀬と「抵抗する奴隷」

まずは奈々瀬から初めて露伴に話しかけるシーンについてです。


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

ここから連想したのが、ミケランジェロ作の「抵抗する奴隷」。先ほどの「瀕死の奴隷」と一緒に設置される予定だった作品です。

Par Dada (Travail personnel), CC BY-SA 3.0, Lien

奈々瀬と腕の位置は違いますが、体のひねりに共通点が伺えるので、元ネタかもしれない…荒木先生、ミケランジェロのオマージュ多いし…

岸辺露伴の話を聞く奈々瀬と「サモトラケのニケ」

お次は露伴の話を聞く奈々瀬のポーズです。

荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

これ、荒木先生のリアル体験談じゃ…?と疑いたくなるような露伴先生のお話…

で、奈々瀬の元ネタかな~と考えられるのは、「サモトラケのニケ」サモトラケ島で発見された、勝利の女神ニケの彫刻になります。

By Mbzt - Own work, Public Domain, Link

船の先端についていたとも考えられていることから、その様子を再現している展示です。ちなみにこのニケという名前、スポーツブランドのナイキ(ニケ=NIKEの英語読みはナイキ!)の由来にもなっています。

岸辺露伴に抱き着く奈々瀬とアリ・シェフェールの「パオロとフランチェスカ」

続いて露伴先生に奈々瀬が抱き着くシーンです。ルーヴル露伴は、色っぽいシーンがすごく似合うんだよな…


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

元ネタかも…と思われるのが、アリ・シェフェールによる「パオロとフランチェスカ 」。奈々瀬のポージングが、女性のフランチェスカにちょっと近い。


By Ary Scheffer - Web Gallery of Art:   Image  Info about artwork, Public Domain, Link

完コピではないし、露伴先生のポーズは全然違うんですよね~…もしかしたら荒木先生のオリジナルかもしれん…

作品の題材となっているのは、ダンテの「神曲 時獄篇」に登場するパオロとフランチェスカ。ジョヴァンニの元に嫁いだフランチェスカは、ジョヴァンニの義弟であるパオロと恋に落ちます。それを目撃した夫・ジョヴァンニが2人を殺害する…という話です。

ネタバレ的な話ですが、この奈々瀬さんには離婚予定の旦那さんがいるんですよね…それでも露伴に抱きついてしまうという辺り、禁断の恋に落ちたフランチェスカと似たものがあるようにも見えます。

暗闇に消える奈々瀬とジャンボローニャの「ヘルメス」像

お次は奈々瀬が暗闇に走り去っていくシーンです。擬音が面白いな~!クワァッ!!!

荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社(50頁)

右手を挙げているのがなんだか引っかかるこのポーズ。元ネタっぽいのはジャンボローニャの「ヘルメス」像です。


BBy Roccuz - Own work, CC BY-SA 2.5 it, Link

「ヘルメス」は右手、右足を上げているのに対し、奈々瀬は右手と左足を上げています。ただポーズとしては似ているので、これを参考にしていそうなところです。

そしてHenri-Joseph Ruxthielによる「Zéphyr rapting Psyché」と呼ばれる作品もちょっと似ています。日本語訳が出回っていないのですが、恐らく日本語読みはアンリ=ジョセフ・ルクスィエルの「プシュケをさらうゼピュロス」とかじゃないかな…

By VladoubidoOo - Own work, CC BY-SA 4.0, Link 

こちらもポーズがちょっと似ていますね~!ただちょっとマイナーな作品なので、参考にしているとすれば「ヘルメス」かも…

頭が「?」な岸辺露伴と「ミロのヴィーナス」

頭が「?」な露伴先生のポーズも、ちょっと面白いので気になるところ。どうでもいいけどこの露伴先生の格好、某芸人を思い出すな…トゥース…


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

ジョジョっぽい立ち方ですが、こちらは「ミロのヴィーナス」を反転したポーズに見えます。

By Livioandronico2013 -Own work, CC BY-SA 4.0, Link

体重を片足にかけて立つコントラポストの姿勢もそっくり!腕だけ荒木先生がオリジナルで付け足したという感じでしょうか。

紀元前2世紀頃にギリシアで制作された彫刻です。ミロス島で発見され、ヴィーナスを題材にしていると考えられていることから「ミロのヴィーナス」と呼ばれています。

6部で登場したヴィーナスについては、こちらもどうぞ~!

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後ろに退くゴーシェたちとダヴィッドの「ホラティウス兄弟の誓い」

お次は美術館の職員、ゴーシェたち3人のこのポーズです。


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

唐突に表れた3人の並び。怪しい…怪しすぎる…!

で、ここから連想したのが、ダヴィッドの「ホラティウス兄弟の誓い」です。


By Jacques-Louis David - wartburg.edu, Public Domain, Link

ポーズ的にはちょっと違うし反転していますが、ゴーシュたち3人の並びはここから着想を得たのかも…?

ダヴィッドは、ナポレオンがロバに騎乗している作品でも有名な画家。この「ホラティウス兄弟の誓い」はルイ16世からの依頼を受けて制作された作品になります。3人のポーズはローマ式の敬礼なのだとか。

野口が息子に触れようとするポーズとダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」

続いて左側の女性・野口が息子に触れようとしているところです。この野口のエピソードも、なんとも心が痛い…


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

元ネタ?と考えられる作品は、ダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」です。


By Crijam - Own work, Public Domain, Link

角度的には違いがありますが、子供に手を伸ばすマリアが野口のポーズとちょっと似ています。荒木先生は登場人物をキリストやマリアと重ねてくることがあるので、野口の母らしさを描くのにこのポーズを使ったのかもしれません。

キリスト教とジョジョについては、こちらの記事もどうぞ~!

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襲われる岸辺露伴とジェリコーの「メデューズ号の筏」

そして露伴が襲われるシーンも見ていきます。

荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

ちょっと考えすぎかな~とは思うのですが、ここから思い浮かべたのがテオドール・ジェリコーの「メデューズ号の筏」です。


By Théodore Géricault - Unknown source, Public Domain, Link

角度的には全然違うのですが、人の手が1点に向かって伸びている辺り、ちょっと共通するものがあります。

「メデューズ号の筏」は、軍艦メデューズ号が座礁した実話をもとに製作されました。脱出用の筏に乗り込んだ人々は救助されるまでの13日間、飢えや狂気にさらされ、食人行為も発生したとか…約150人が乗った筏ですが、生存したのは15人だったそうです。

手前には死体が描かれていますが、ジェリコーが死体収容所で行ったスケッチが生かされています。だから生々しいのか…

岸辺露伴のポージングとコレッジョの「眠れるヴィーナスとキューピッド、サテュロス」

露伴先生のちょっと特徴的なポージングも気になるところ。このシーンです。


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

面白いポーズなんだよな~…でもこの元ネタがイマイチ分からないんですよね~…なんかありそうなんだけどな~!

一応ちょっと気になる作品だけ挙げてみます。コレッジョの「眠れるヴィーナスとキューピッド、サテュロス」とかどうですかね…


By Antonio da Correggio - photo Shonagon 2022-08-11, Public Domain, Link

なんか違うな…スイませェん…

多分なにか元ネタがあると思うんだけどな~!なにか情報があればぜひ…!

露伴に怒る奈々瀬とピガールの「踵に翼をつけるメルクリウス」

露伴に怒る奈々瀬のポーズにも注目してみます。露伴先生、奈々瀬には言われ放題なんだよな…


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

元ネタを連想できそうなのは、ジャン=バプティスト・ピガールの「踵に翼をつけるメルクリウス」ですかね…


By Jean-Baptiste Pigalle - Jastrow (2006), Public Domain, Link

メルクリウスは英語名でマーキュリーとも呼ばれる、旅人や商業の神様のことです。体のひねりや奈々瀬の左腕がちょっと似ているかな~…という感じ。ただ奈々瀬の腕のポーズがとても特徴的なので、もっと近い元ネタがあるかも…!?

洗濯物を干す奈々瀬とルーベンスの「アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言」

次は、洗濯物を干す奈々瀬のポーズについて見ていきます。


荒木飛呂彦(2011年)『岸辺露伴ルーヴルへ行く』集英社

元ネタはルーベンスの「アンリ4世の神格化とマリーの摂政宣言」に描かれた、中央の女性です。


By Peter Paul Rubens - The Yorck Project (2002) 10.000 Meisterwerke der Malerei (DVD-ROM), distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH. ISBN: 3936122202., Public Domain, Link

ポーズがそっくり!これはドンピシャでしょ~~~~~!!!いえ~~~~い!!!

こちらはルーベンスによる「マリー・ド・メディシスの生涯」という24点の作品群の1枚です。フランス王妃のマリー・ド・メディシスにより依頼された絵画で、彼女の生涯が描かれています。

ルーヴル美術館には「ルーベンスの間」と呼ばれる部屋があり、24点全作品が鑑賞可能。ルーベンスの作品が一面に飾られている迫力満点の部屋なので、来館した際にはぜひ…!

3. 「岸辺露伴ルーヴルへ行く」のストーリーの元ネタ

最後にストーリーの元ネタについても考察してみます。以前からファンの間で、「岸辺露伴ルーヴルへ行く」のストーリーが松本清張の「草笛」が激似!とささやかれていました。で、実際読んでみると、んま~~~似てる!

ということで、どのくらい似ているのか、比較してみました。

※以下、盛大にネタバレあります!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・「草笛」の主人公・周吉が17歳の時に、22歳の冴子に初恋をする物語
17歳の露伴が21歳の奈々瀬に初恋をする物語

周吉が祖母と間借りした家に、独身の冴子が入居。その直前の借り手の若夫婦は、自炊をするという理由で退去させられる
露伴は賃貸アパートに間借り。管理人である露伴の祖母は、自炊、喫煙、夫婦、家具の持ち込み、ドライヤーの使用などを禁止

・実は冴子は既婚者。ただし離婚予定がある
奈々瀬は既婚者だが、離婚予定がある

・周吉は友人とともに、文学の同人雑誌を制作。冴子には「同人雑誌を見せて欲しい」と頼まれる。見せずにいると「見せていただけないのね」と急かされ、雑誌を渡す
奈々瀬に「露伴が描いた漫画を見てみたい」と言われる。見せないままでいると「見せてくれないのね」と言われて、原稿を見せることに

・冴子の着物は、大柄な派手な模様で華やか
→奈々瀬は、赤い着物で大きな黄色い花の柄を着用

冴子に男性が訪ねてくるようになる
→奈々瀬に夫と思われる相手から電話がかかってくる

冴子の絵を描く。本人に見せると「なぜこんなつまらないことをするのか」と怒られた挙句、絵を引き裂かれる
→露伴が奈々瀬をモデルに漫画を描く。本人に見せると「くだらない行為」と怒られ、原稿を引き裂かれる

・冴子が退去する日に「堪忍してね」と言われる。その言葉の意味が分かったのは、数年後のこと
→原稿を引き裂かれた直後、奈々瀬に「あたしを許して」と言われるも、露伴がその意味を理解するのは10年後

 

などなど。めちゃくちゃそっくり…!

しかもこの「草笛」が収録されているのが「黒地の絵」という短編集。「岸辺露伴ルーヴルへ行く」は黒い絵がテーマの話…と、こちらも共通点が伺えます。

ちょっと違うのが周吉と露伴の愛の重さ。冴子のことが気になり過ぎて、故郷まで追いかけていってしまいます。一方、露伴はもう少し大人びたイメージです。奈々瀬を見つめ合うシーンといい、本当に初恋か…?

ただ恋に落ちた心境などは「草笛」の方がより細かく描写されているので、「岸辺露伴ルーヴルに行く」を読んだ後に「草笛」も読むのがめちゃくちゃオススメ。きっと露伴の心境はこんな感じだったんだろうな~…奈々瀬はこんな大人びた女性だったんだろうな~…なんて想像できるので、露伴の甘酸っぱい恋心がより楽しめる作品ではないかな~と思います。

とにかく超オススメなので、全露伴ファンに読んで欲しい…!

まとめ:「岸辺露伴ルーヴルへ行く」は美術、文学の元ネタがある

「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の元ネタについて考察してみました。

美術の元ネタはとにかく難易度が高い…!なんせルーヴル美術館の収蔵作品の数が多いし…まだ見つけられていない元ネタも、たくさんありそうです。

そしてストーリーの元ネタは松本清張の「草笛」だと考えられます。映画などから元ネタを引っ張ってくることの多い荒木先生ですが、このチョイスは意外ではないでしょうか。

オレ様な露伴先生の淡い恋心が垣間見れる、甘酸っぱくて、ちょっとほろ苦いこの物語。岸辺露伴シリーズの中でも、細やかな心境描写が魅力的な上に、ルーヴル美術館も楽しめる作品です。露伴ファン、美術ファンはぜひ…!

ジョジョの美術関係については、こちらもどうぞ~!

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参考文献
ヴァレリー・メテ. ルーヴル 700年の絵画の系譜. Art Lys. 2000.
作品案内 ルーヴル 日本語版. 国立美術館連合出版. 1990.




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