The JOJOLands2巻を考察しながら今後の展開を予想してみた

ジョジョコラム

ジョジョの奇妙な冒険9部のThe JOJOLands。ジョディオが大富豪を目指す物語として幕を開けました。

2巻では露伴や溶岩との接触の話が中心となっていましたが、話を考察しながら今後の展開を予想してみます。


ジョジョランズ1、3巻の考察もあります。

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※7部のネタバレがちょっとだけあります!

1. 溶岩の正体を考察する

最初に溶岩の考察をしていきます。ここでは「仕組」、岸辺露伴、過去のジョジョのアイテムとの関係を考えてみました。

「仕組」と溶岩との関係の考察

まずは溶岩と「仕組」についてです。さて溶岩は金目の物を記憶した持ち主に戻す性質が明らかになったほか、露伴曰く大切に扱えば『仕組』が次第に手に入る」とのことでした。この「大切に扱えば」は「丁寧に扱えば」のような物理的な意味だけではなく、「正しく扱えば」のような使い方の問題の可能性もありそうです。

しかも「次第に」の言葉からは、溶岩を大切に扱ってもすぐに仕組が手に入る訳ではなく、あくまでも「徐々に」というニュアンスが感じられます。ジョジョだけにな(小声)

だから「大切に」かつ辛抱強く扱うことが要求されているように見えますが、その点で溶岩は持ち主を記憶すると同時に、持ち主の言動を評価しているのかもしれません。そして溶岩を扱えると判断された者のみ、「仕組」を手元に引き寄せる許可が与えられるイメージなのではないでしょうか。

そして高級時計店では、ドラゴナが溶岩に近づけた腕時計がいつの間にか消え、店員に追い詰められる描写がありました。誰のものでもない物体に対しても溶岩は何かしらの力を発揮することが示唆されましたが、ここで3巻の予告を見ると「溶岩それはハイリスクハイリターン」の文字が…

これが溶岩のさらなる力だと思われますが、ドラゴナたちに当てはめるなら「店員に詰められること」がリスク、「高級腕時計」がリターンとなりそうです。つまりドラゴナたちは店員たちの詰問からうまく逃れられれば、必ず腕時計を入手できるのではないでしょうか。

さらに3巻の予告では、ジョディオがパコに「心を決めなよ」と発しています。後述しますが9部は5部との共通点が多く、オマージュもありそうなので、5部で頻出した「覚悟」が9部でも問われているのかもしれません。だからこのシーンはパコやドラゴナたちも高級腕時計というハイリターンを得るために、店員たちと勝負する「覚悟」が必要だよ~という描写なのでは…?

そして溶岩そのものとハイリスクハイリターンを扱える覚悟こそ、「仕組」のひとつなのかもしれません。1巻で「仕組」は「普遍的」「敵がいても最初から勝っている」「奪われず崩れない」「生態系に似てる」「姿・形として現れる」と述べられていましたが、リスクを負う覚悟は「普遍的」「敵がいても最初から勝っている」「奪われず崩れない」に当てはめても違和感がなさそうです。

また「生態系に似てる」「姿・形として現れる」は溶岩そのものと関係があるのかな~という気がします。生態系といえば三角形の図を連想しますが、ちょっと見てくださいよこの溶岩の形…


荒木飛呂彦(2023年)『The JOJOLands』2巻 集英社

生態系と同じ三角形じゃないですか…この角度なんか特に三角形じゃない…?

だからここまで様々な覚悟をしてきたであろうジョディオが溶岩を手にしたことは、仕組が形となって現れはじめたよ~~~という表現なのかもしれません。

このように溶岩は「仕組」と関係があるのはもちろん、「仕組」そのものの可能性もありそうです。しかしハイリスクハイリターンといえば「覚悟はいいか?オレはできてる」ですが、9部もこんな感じの名言が飛び出しそうですよね~!荒木節に期待…!

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岸辺露伴と溶岩の関係の考察

次は溶岩と露伴との関係についてです。さて溶岩を破壊されてブチギレたものの、最終的にはジョディオに託すことを決めた露伴先生。「託すだけであげない」と発言していたので、自分のもとに戻す算段がありそうです。

この露伴の目的は不明ですが、少なくとも「金やちやほやされるため」に溶岩を使うとは思えないんですよね~…それなら「託す」なんてもってのほかだろうし…溶岩が露伴の興味を激しく引いたのか、世のため人のためなど明確な使用目的があったのか…もし後者であるならジョディオの人柄を見て、自分で使う予定を変更して託したとかね。あるいはジョディオに託すことで露伴にとって何か得になる、面白い結果が見られるなど、プラスの影響が出るのかもしれません。

で、そんな露伴先生は誰かに監視されていることが示唆されていました。ただ監視者と関係があるであろうワイルド・キャット・サイズを「『誰か』の猫か?」と発言するだけで警戒していないところから、スタンド攻撃を受けた経験はなさそうです。

一方でジョディオたちは攻撃対象とされ、猫バーガーならぬ猫ブリトーの警告を受けるまでに…この違いは露伴は溶岩を金庫にしまって使う動きがなかったのに対し、ジョディオたちは監視者に溶岩を盗みに来た、溶岩で時計を盗もうとしたと思われたからではないでしょうか。つまり溶岩を動かそうとすれば警告対象となるものの、露伴は溶岩を研究するだけで使う気配がなかったため、監視のみで済んでいたのかもしれません。

あるいは監視者が溶岩の性質をつかみ切れていないために、好奇心旺盛な露伴に溶岩の研究をさせておいたとかね。この場合、露伴は監視者に泳がされていたということになります。あ〜~~そうだよね!プールで泳いでたもんね!(違う)でももしそうであるなら、露伴は入国前から監視者にマークされていた可能性も…世界規模の話になってきちゃうな…

まだ謎が多い露伴と溶岩の関係ですが、いずれにせよ露伴がジョディオに溶岩を使わせてみたいと思ったのは確かなようです。再登場が示唆されていたので、次はかなり重要な場面で登場するのではないでしょうか。

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ここからは過去に登場したアイテムと溶岩との関係を考えてみます。さて重要な役割を持っていそうな溶岩ですが、石のキーアイテムとしてまず思い出すのが石仮面です。素材以外にも類似点は色々あるようで…

例えば露伴が溶岩の研究をしているらしい様子は、ジョナサンが石仮面の研究に励んでいた姿と近いものがありそうです。さらに溶岩を使おうとしているジョディオは石仮面を使おうとしたディオ、そして溶岩の「うまく使えば『仕組』が手に入り、大富豪になれる」力は、石仮面の「吸血鬼になれる」という強力な力を持つ点とも似ています。他にも両アイテムとも複数個あったりとかね…

あとはエイジャの赤石とも共通点がありますよね~!こちらも素材はもちろんですが、ジョディオが手にしたのは厳選された溶岩で、露伴曰く1つ破壊された今「一個しかない」とのこと。エイジャの赤石とレアさも似ています。

だから溶岩はキーアイテムなのはもちろん、石仮面やエイジャの赤石のオマージュ的な存在でもあるのかもしれません。エイジャの赤石はカーズ攻略に使われ、石仮面はディオが使用してとんでもない力を手に入れていましたが、ジョディオはどのように溶岩を使うのか、今後の展開が楽しみなところです。おれは人間をやめるぞ!ロハ~~~~~ン!!!!

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2. メリル・メイ・チーと溶岩との関係

次にメリル・メイ・チーと溶岩との関係についてです。両者の関係で気になるのが1巻のこちらのシーン。


荒木飛呂彦(2023年)『The JOJOLands』1巻 集英社

大事になりうることをメリル・メイが知っていたかのような台詞でした。この言葉は、メリル・メイはダイヤモンドを盗めと指示はしたものの、狙っていたのはその裏にあり、奪取に危険を伴うもの(=溶岩)だったことを示唆しているのではないでしょうか。

メリル・メイが裏にあるのが溶岩と知っていたかは不明ですが、一筋縄ではいかない物と考えていたのは確かだと思います。特にウサギのことを「絶対に役に立つから」とジョディオたちと組ませたのは、戦闘能力はもちろん頭の良さを買っていたからこそで、正体不明の物体へ対応できること、そしてその秘密を解き得ると考えたからではないでしょうか。ワイルド・キャット・サイズ戦ではジョディオたちを救った上に、溶岩が所有者を記憶できると解明するほどできる男だからな~!全身タイツの謎ファッションだけど…

で、もしメリル・メイが溶岩を得るためにジョディオたちを潜入させていたとすれば、その目的は恐らく金だと思われます。副業やりまくってる人だしね…そのために溶岩が使える!と何らかのきっかけで感づき、溶岩と接触しそうな露伴をマークしていたのかもしれません。

ところでメリル・メイは空港の税関のコネからの情報により、露伴の入国を知ったと発言していました。空港といえばジョディオの母親が空港免税店で勤務していましたよね…だから母親本人、あるいは母親の知り合いこそが税関の人物の可能性も考えられる訳で。この場合、母親もグルになって、ジョディオたちに溶岩の秘密を探らせようとしていたことになります。ヒェ~~~~~!!!

しかもね、第一話のタイトルが「出発(DEPARTURE)」とわざわざ英語でも表記されているんですよね~!departureには飛行機が出発する意味もあります。だから飛行機や空港関連の話はかなり重要なんじゃないかな~~~と。やっぱりお母さん怪しくない…?

なんだか複雑な展開も考えられそうですが、いずれにせよメリル・メイはダイヤモンドが欲しかっただけではないように見えます。遺体争奪戦の次は溶岩争奪戦だったりして…

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3. 5部との関連とThe JOJOLandsの今後について

最後に5部と比較しながら今後の展開について考察してみます。ジョースターとDIOの響きを持つジョディオの名前から、両家の血を引くジョルノとの関係が指摘されてきましたが、他にも9部と5部には様々な類似点が見て取れます。

例えばジョディオ、ジョルノの悪の道を行きながら成り上がろうとする夢や父親の不在、そして両者とも行動を共にする仲間の中で最も下っ端の15歳という立ち位置や年齢も似ています。メリル・メイの証拠を一切残さないやり方や麻薬を広める様子なんて、ディアボロそっくりだし…荒木先生としては、9部は5部のセルフオマージュ的な物語なのかもしれません。

仮にセルフオマージュだとしてラスボス戦を予想してみると…5部のディアボロ戦は「ギャングのボスvs部下」「父親vs娘」「1度倒した者vs倒された者」など、複数の対決の意味を持っていました。これを9部2巻までで当てはめるなら「ボス(今のところはメリルだが、さらに上が登場するのでは?)vsジョディオたち」「バーバラ(あるいは未登場の父親)vsジョディオ、ドラゴナ」などの構図が生まれる可能性も…

このように5部と9部は主人公の名前や血筋以外にも、共通点を見つけることができそうです。今後も5部を彷彿とさせるシーンが登場するんだろうな~!船は2隻あった!アバ茶!!ナンテコッタ・フーゴ!!!楽しみだな~~~~

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ジョディオの今後に成長ついての考察

次にジョディオの今後の成長ついて考察してみます。さてジョルノとの共通点がありそうなジョディオですが、精神構造はちょっと異なるようで…ジョルノが序盤から黄金の精神を発揮したのに対し、現段階のジョディオは窃盗や闇取引に手を出し、露伴には「クズ系のクソガキ」呼ばわりされていました。全然違うじゃん…

で、ジョディオの言動で思い出すのが7部のジョニィです。人気に胡坐をかき「クズ系」とも言われかねなかった青年だったジョニィはジャイロとの出会いを通じて人間的な成長を見せました。漆黒の意思というダークな部分は持ちつつも、少なくとも割り込みをするような小さな人間ではなくなったはずです。

だからジョディオは夢や立ち位置はジョルノ、性格的にはジョニィに近いイメージなのかもしれません。もしジョニィのような成長を辿るとすれば、たとえ悪の道を歩んだとしても、儲かることしか手を出さない「クズ系のクソガキ」が本物のカリスマティックな悪になるのではないでしょうか。それこそ1部でエリナのファーストキスを奪うなどどこかこすさのあったディオが、悪のカリスマのDIOとなったように。

つまりジョディオはジョルノとジョニィ、DIOなど、複数キャラクターのハイブリット的な主人公なのかな~という気がします。いずれにせよ今後成長していくのは確かだと思われるので、その過程が楽しみなところではありますよね…!

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ジョディオと母親の関係と今後についての考察

最後にジョディオと母親の関係と今後についてです。さて大富豪を目指すジョディオは、ダイヤモンドの盗難について「只の小遣い稼ぎ」と述べていました。大富豪には大金を稼ぐの意味も一応は含まれているらしく、溶岩が託された後の「儲からなきゃやるワケない」という台詞からも、金に執着していることが伺えました。

そんな小遣い稼ぎの犯罪について「いつまでもこんなことをやっている訳ではない」と考えていたようなので、将来的にはやめたいな~なんて気持ちはあるのかもしれません。でも今のジョディオには必要なんでしょうね~…それは母親の社会的安全を保障するためなのはもちろん、ジョディオが満足に小遣いを要求できる環境にいないからではないでしょうか。なんせ住環境が悪そうだもんな~~~~!ほら…


荒木飛呂彦(2023年)『The JOJOLands』1巻 集英社

壁のグラフィティから治安の良さそうな街ではないことが伺えますよね…勤務先にすら1人で安全に行ける保証もないし…だからジョディオは母親を守ると同時に、母親に迷惑をかけないよう自分で稼いでいるのかもしれません。お母さん思いなのね…!

でも先述したように、もしその母親がメリル・メイと繋がっているとしたら、そして母親こそがジョディオたち兄弟を裏の世界で働くように仕向けていたとしたら。今後ジョディオが母親と戦う可能性も否定できません。ディアボロ対トリッシュの再来か…!

ジョジョの主人と母親の確執の描写は少ないので可能性としては薄そうではあります。でもジョルノは母親との関係が良好ではなかったので一応ね…

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まとめ:The JOJOLands2巻は9部と5部、溶岩と「仕組」の関係が深まった

The JOJOLands2巻を考察しながら、今後の展開を予想してみました。

溶岩の正体も気になるところですが、5部との関連、そしてジョディオの成長も見逃せないところです。露伴先生はジョディオに「僕なら君の仲間を信用しない」なんて言っていましたが、パーティの今後も気になりますよね~…

序盤から激しい展開となった2巻ですが、3巻からはより溶岩の核心に迫っていくのかもしれません。なにはともあれネコチャンカワイイ。でもジョジョの猫は結構悲惨な目に合うからな…紙袋にネコチャン…

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