ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した吉良吉影。一軒家に一人暮らしをしている人物でした。
今回は吉良が住んでいた家は事故物件扱いされるのか、吉良の事件が杜王町の住民に明るみになったという体で考察してみました。
吉良吉影の住んだ家は事故物件なのか
まずは吉良の家が事故物件扱いになるのか、事故物件の定義を見ながら考えてみます。不動産業における事故物件とは心理的瑕疵(住むのに際し、心理的なストレスを感じ得ること)のある物件のこと。物件内での殺人や自死などがその一部ですが、買い手や貸し手に告知すべき事象について明確な基準はありませんでした。
そこで2021年に制定されたのが告知についてのガイドラインで、以下が告知の必要なしのケースとなります。
・賃貸取引において上記以外の死や、特殊清掃を伴う死の発生から概ね3年間が経過した後
・隣接住戸、日常生活で通常使用されない共用部分で発生した死
吉良の家、事件現場じゃないから事故物件じゃないじゃ~~ん!と言いたくなります。が、告知の必要ありのケースを見てみると…
・取引相手の判断に大きな影響を及ぼす場合
・買い手、借り手から質問された場合
言わなきゃダメ、絶対案件でした。
そりゃ~~~そうだよね~!事件現場ではなくとも、大量殺人犯が住んでいたなんて超いわくつき物件じゃんね~!売り手、貸し手としてはこのガイドラインに関わらず、告知しなかったことが理由で買い手、借り手から訴訟されるリスクがあると判断すれば、上記に該当しない場合でも事前に告知することがあるそうです。でも吉良の家はどう考えても告知が必要だよね。
しかも杜王町では吉良の名前はちょっと知られていたようで…
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(33頁)
吉良というだけで「勾当台にある古い家」「一人暮らしだったと思う」なんて情報が出てきていました。吉良はこれといって特徴のない影のうすい男だとしても、吉良の家自体はよく知られていたのかもしれないよね。
そんなに有名だったとすれば、告知事項なしで売り出すのはますますアウト!殺人犯の家と告知されなかったとしても、吉良の家に人が住み始めたことが町の噂になり、いずれ住人の耳に入ってくる可能性がありそうだもんね。そんな家と知っていれば選ばなかった!と裁判沙汰になるリスクを避けるという点でも、告知は必要のようです。
大量殺人犯が住んでいたという点で事故物件扱いとなりそうな吉良の家。ただ世の中には殺人犯と疑われた女性の家が改装され名所となっていたり…と観光名所に使われることもあるとか。どんな人が買い手となるんでしょうね~…

吉良吉影の家を更地にすれば事故物件となるのか?
じゃあ吉良の家を取り壊して更地にして売ったらどうなるの?というのも気になるところ。たしかに更地にすれば大量殺人犯が住んだ家自体はなくなります。ただ新たに家を建てたとしても「ここに大量殺人犯がいたのか~…」と思いながら生活することにストレスを感じる人はいるはず。リスク回避のためにも告知事項はありとする方が良さそうです。
ただしこれには事件からの経過年数も関係するようで…事件から数年後で、買い手の記憶にも新しいうちは告知した方が良いものの、年数が経つにつれて告知はしないことが増えていきます。数十年、数百年後と時代がかけ離れるほど居住にあたってのストレスは減るので、告知の必要なしと売り手が判断するということね。
また土地の値段も事故物件となれば、適正価格より下がる可能性はあります。が、更地であれば気にしないという買い手がいることを想定して、まずはその土地の価格で売り出し、売れなければ下げるという措置を取ることもあるそう。これはケースバイケースのことが多いようです。
ということで更地にしてもしばらくは殺人犯が住んだ場所として事故物件扱いとなり、土地の価値にも影響が及ぶことが考えられるのではないでしょうか。なんせ事件が事件だもんね~~~~!

吉良吉影の家は幽霊の出る事故物件となりうるのか
最後に吉廣という幽霊と事故物件の関係についてです。息子を守るためにウロウロしており、吉良の住んだ家でも承太郎たちの邪魔をしにやってきました。終盤で成仏したのでもはや出てくることはありませんが、もし吉廣が健在で「幽霊が出る家」のままだったとすれば、どのような扱いとなるのでしょうか。ちょっと想像してみました。
さていわゆる事故物件に住んでいる人が、心霊現象を体験したというのはよく聞く話。ただ不動産業の立場としては、事件や事故の告知はしても、幽霊が出るなど非科学的な事象については伝えないそう。つまり吉良の家を売買や賃借する場合、殺人犯の家だったことは告知されても、吉廣については何も告げられないことになります。
じゃあ買い手が吉廣の明らかな被害に悩まされ、幽霊が出るなんて告知されていない!訴えてやる!と意気込んだらどうなるの…?というのも気になるところ。でも心霊現象の証明自体が難しいよね。ましてや住人に悪さをしているのは、不動産屋でも売り手でもないので、訴えるべきは迷惑極まりない吉廣ということになります。が、幽霊は訴えられないんですよね~…
ということで吉廣が出る幽霊屋敷だったとしても、告知事項なしという扱いで、吉廣の被害については泣き寝入りすることになりそうです。スタンド使いに吉廣の姿は見えても、一般人には超常現象でしかないもんな~…承太郎の言うとおり、まさに「悪霊」だよね…

まとめ:吉良吉影の家は殺人犯が住んだという点で事故物件扱いになるのでは
吉良吉影の家について考察してみました。事件現場でなくとも、吉良の殺人が明るみになれば犯人が住んだ家として事故物件扱いになるのではないでしょうか。更地にした場合、年数が経過すれば告知事項なしとなる可能性が高そうです。
それにしても吉良の家はどうなったんでしょうね~…相続人がいないので国の帰属となりそうですが、大事件の犯人が住んだ家として一定数興味のある人はいそうですよね~ちょっと気になるところです。
吉良関係の話あれこれ




参考文献
国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001427709.pdf(2025年12月4日アクセス)




