ジョジョの奇妙な冒険3部「スターダストクルセイダース」に登場した、テレンス・T・ダービー。空条承太郎と野球ゲーム「OH THAT'S A BASEBALL!!」で対戦しました。
かなりゲームをやりこんでいるダービーでしたが、果たして本当に強いのでしょうか。野球関係の会社に勤務していた管理人が、ガチ解説します!
3部の記事はこちらもどうぞ~!
球場とルール
まず球場のブルー・スカイスタジアムは「センター・両翼までの距離(120.95M)」。
日本の球場は両翼が大体100メートル、センター120メートル前後なので、両翼が広めです。ホームラン出にくい球場ですね~!そして得点差11点になった時点でコールドゲーム成立です。
承太郎は攻撃力重視のジャガーズを選択。4割打者が2人いるそうです。ダービーはレッドドラゴンズを選択しました。
先攻後攻は承太郎の希望で、承太郎のジャガーズが先攻に。野球は後攻を選ぶチームが多い中、先攻を選ぶのは珍しいな…!
色々決まったところで、それではいよいよプレイボール!
1回オモテ(承太郎の攻撃)
まずは承太郎のジャガーズの攻撃です。レッドドラゴンズの投手は背番号15の選手。ステータスはこんな感じ。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(99頁)
何だろうな、パワーレベルって…
球速はそこまで速くない割に高いので、球威でしょうか。ちなみにこの投手、横から投げるサイドスローですね。渋カッコいい。
では早速、1球目!
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(105頁)
ほぼド真ん中の内角のストレート。一般的に、ど真ん中は1番打ちやすい球です。舐めプしてる…
が、ゲームど素人の承太郎は全くタイミングが合いません。
続いて2球目。角度的に分かりにくいですが、内角の真ん中辺りに投げてきました。これを承太郎は大幅な振り遅れ。
そして3球目も振ってしまい、空振り三振。1アウトです。
2人目も3球とも同じような球で空振り三振し、あっと言う間に2アウト。承太郎ピンチ。さて3人目の打者です。左打者に、外角低めのシュートボールを投げようとしています。
右投手が投げるシュートは右に曲がるので、打者から見えると外に逃げていく打ちづらい球になります。いい選択ですね~!
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(118頁)
んが、まったくタイミングの合っていなかった承太郎は、突然「バッティングは大体覚えた」などと言い出します。えぇっ!?
そしてこの球がライト方向に引っ張られて本塁打に。あ~~~~ららら!
その後も打たれまくって4-0。1回からこれだとファン的にはちょっと萎える試合内容ですねぇ…大丈夫かバービー君。
ここでレッドドラゴンズはピッチャーを交代します。
謎のピッチャー交代
ダービーが交代させたピッチャーがこちら。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(133頁)
ん?直球とフォークの2択だと…?
ま、まさか…
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース : ダービー・ザ・プレイヤー その2 . TOKYO MX, 2015-05-02.(テレビ番組)
なっ!何をするだァーッ!!!!!
なぜか抑え投手を指名するダービー。抑えピッチャーって1回とかしか投げないんですけど。投げてもせいぜい2回くらいなんですけど。
まだ1回じゃないですか…残り8回どうするの…
先発や中継ぎ投手もいるのに、あえて抑えピッチャーとは…いや、本当謎だ…
なぜ抑え投手にしたのか
そこで問題だ!この抑えピッチャーでどうやって好調な承太郎の攻撃をかわす気なのか?
3択ーひとつだけ選びなさい
答え①ハンサムなダービーは攻撃に自信があり、5回コールドにする予定だった(1回しか投げられなくても問題なし)
答え②実はこの投手は元先発投手で、スタミナがある(回をまたいで投げられる)
答え③大して何も考えてない。フォークorストレート?のギャンブルがしたいだけだった。現実は非情である。
答えー③
答え③
答え③
いや、本当何も考えていないと思う…
急にギャンブラー魂に火がついて、投球予告で惑わせてやろうくらいにしか思ってなかったんだと思います。
でも別の投手でもいいじゃん…「ストレートかフォークしか投げない」って言えばよかったじゃん…(小声)
2種類しか投げられないのにも関わらず、予想が外れてしまい、承太郎をパニックにしたかった…のかもしれませんが、だからこそYES/NOでしか答えられないというスタンドの能力がバレやすくなったはず。
ちょっと舐めプしすぎじゃないですかね、オービー君。
ストレートorフォークのギャンブル
ここでダービーが「ど真ん中にフォークボールを投げる」と投球予告をします。予告を鵜呑みにした承太郎は、フォーク待ちでバットを振り、ジョセフが「バットの下を叩いた」と実況していました。このシーンです。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(138頁)
…ん?
フォーク待ちでストレート叩いたら、ボールの上を叩くのでは?
なぜか上を叩く承太郎。上を叩くならフォークのように下に落ちるボールではなくて、上に変化するはずです。
もし本当に上に変化するボールを待っていた…としたら考えられるのはキレがあるストレート。いわゆる「手元でホップする」というやつです。
な~~~~んだ承太郎、ストレート待ちだったんじゃ~ん!
と言いたいところですが、多分ミスっぽいんですよね。
アニメ版では修正済み
アニメ版ではジョセフのセリフは「ボールの下を叩いた」と変更されており、承太郎もバットの上でボールを捉えていました。
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース : ダービー・ザ・プレイヤー その2 . TOKYO MX, 2015-05-02.(テレビ番組)
アニメの承太郎はちゃんとフォークボール待ちでした。よかったよかった。
とにかくこの球を打ち損じて、結果はセカンドフライでスリーアウトチェンジ。4-0でジャガーズのリードです。
1回ウラ(ダービーの攻撃)
さてレッドドラゴンズの攻撃です。ジャガーズの先発は41番。パワー系ピッチャーっぽいステータスです。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(99頁)
ここでダービーは大胆にレフトスタンドへのホームランを予告します。ダービーのスタンド能力に秘密があると感じた承太郎は、デッドボールを狙いますが、打ち返されて左本塁打に。すごい体勢から打ってるな…!
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(146頁)
次の打者には外角の超低めに投げます。このピッチャーの得意球はフォークらしいですが、アニメ版では軌道的にちょっとシンカー系にも見えます。上原浩治っぽいフォークですね~!これも本塁打にされて4-2。
承太郎は、続く3番打者にも本塁打を打たれて、あっという間に4-3になってしまいました。初回から試合が動きます。
承太郎の投球予告
次の4番打者に対して、今度は承太郎が「外角高めのストレートを投げる」と投球予告をします。ところが…
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(162頁)
投げ込まれたのはシュート系の変化球でした。ストレート待ちだったダービーは、三遊間へのゴロで1アウト。
続く5番打者にも外角高めのストレートを予告します。が、投じられたのは内角低めへのフォーク。投飛で2アウトです。
全く自分の予測が当たらなくなり、焦りだすダービー。承太郎が反応できない、YES/NOで答えられない質問までしだす始末です。スタンドに頼ってゲームをしてきただけに、メンタルが豆腐…「精神力が百戦錬磨の無敵」って言ってたのに…
6番打者へも外角高めストレートを予告する承太郎ですが、フォークボールでした。得意球のせいか、かなり落ち方がエグイですね~!
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』25巻 集英社(173頁)
そろそろ予告通りの球が来ないって気づいてもいいんじゃ…と言いたくなりますが、パニックになるダービーはそれどころではない模様。
アニメで確認すると、ファウルチップで三振っぽいですね。3アウトチェンジです。
承太郎の配球の意味
ここで承太郎の配球について考えてみます。
承太郎の投球予告は3人連続「外角高めストレート」でした。高めの球は当てたら遠くに飛びやすく、外角は腕を伸ばして上手く踏み込んで打てれば、ミートできます。つまり特にリーチが長い選手には、外角高めは危険…というのがセオリー。しかもストレートならなおさらです。
ダービーとしては「本塁打にしやすい球を投げてくれるなんて…ラッキー!」くらいに思っていたはず。ましてやスタンドの読心術でも、「外角高めストレート」が来ると思っていた訳だし…
しかし実際に来た球は変化球。コース的に打ち頃ではない球でした。
承太郎は、野球はルールしか知らないらしいので、「外角高めストレート」を選んだのはビギナーズラックなのか、天性のセンスなのか、それとも「やりながらおぼえた」のか…
そして本塁打を狙える球が来ると見せかけて、ほぼ逆の球を選択したジョセフも素晴らしいです。
それにしてもこれは打てないよねぇ…爺孫のナイスプレーでした!
2回オモテ(ダービーの攻撃)
焦りすぎて老け顔になってしまったダービー。しかし絶好調な承太郎に打ち返されて、本塁打に。ヒェッ…
生気の抜けたダービーは心のなかで負けを認めて、花京院の魂を手放してしまいました。魂が開放されたのは、負けを認めたからということでゲームセット。
5-3でジャガーズの勝利です!オラオラでダービー撃破となりました。
結局どちらが野球ゲームが上手かったのか
では承太郎とダービー、どちらが野球ゲームが上手なのでしょうか。
まずダービーはやり込んできた割に、その経験をイマイチ生かせなかった印象です。
本塁打を打てる技術はあり、打者の特徴も掴んでいましたが、謎采配も目立ちます。1回で抑え投手を投入するとか、配球が微妙だとか…
一方、承太郎はゲーム初心者にも関わらず、すぐに本塁打を打てるようになりました。
また「野球のルールは知っている」と発言していましたが、ゲームの上達速度、なぜか超強気な配球センスなどは、素人とは思えませんでした。
さらに承太郎は元々ポーカーフェイスなので、考えていることが読まれにくいです。スタンドありではダービー有利ですが、なしだとダービーでは勝てない可能性も…この辺りもゲームに向いています。
…と、考えると経験値はダービーが高いのですが、承太郎のほうが野球ゲームのセンス、伸びしろが感じられました。
というか、ダービーは相手にOH THAT'S A BASEBALL!!を選ばせるのやめたほうがいいんじゃ…F-MEGAだけにしよ?
まとめ:承太郎は野球ゲームのセンスもすごかった!
承太郎とダービーの野球ゲーム対決を解説してみました。ダービーは弱い訳ではないのですが、スタンドパワーに頼りすぎているせいで、結果は敗北。一方の承太郎はセンスを存分に発揮しつつ、爺孫のナイス連携で大勝利を収めました。
承太郎はスタンドだけではなくて、ゲームも強いみたいです。さすが主人公!ゲーム大好き花京院のいい対戦相手になれそうなくらい、ゲームセンス抜群でした!