ジョジョの奇妙な冒険3部後半の舞台となったエジプト。上陸から最終決戦までに様々な名所を訪れながら旅をしていました。
そこで今回は承太郎たちが訪れた名所について、まとめながら解説してみました。聖地巡礼の予習にもぜひどうぞ…!
実際にエジプトに行った話はこちら。めっちゃ面白かったよ。
- アヴドゥルがDIOに襲われた「ハンハリーリ市場」
- オインゴ・ボインゴ戦と「アブ・シンベル大神殿」
- オインゴ・ボインゴ戦と「アスワンハイダム」
- アヌビス戦の「ファルーカ」とクルーズ船
- アヌビス神戦の「コム・オンボ神殿」
- ポルナレフが売りつけられそうになった偽物のパピルス
- マライア戦の「メムノンの巨像」
- マライア戦の「王家の谷」と「ツタンカーメンの黄金のマスク」
- ダニエル・J・ダービー戦の「ギザのピラミッド」と「スフィンクス」
- ホル・ホースとボインゴが乗った「エジプト航空」
- ホル・ホースが向かったギザのホテル「メナハウス」
- ペット・ショップ戦と「ホルス神」
- DIOの館と「アルハズハル・モスク」と「ナイロメーター」
- 花京院が立っていた塔の上、破壊した時計台と「ムハンマド・アリー・モスク」
- 承太郎とDIOが戦った「カスル・アン・ニール橋」か「アッバース橋」
- 承太郎、ジョセフとポルナレフが別れた「カイロ国際空港」
- まとめ:3部はエジプトの名所だらけだった
アヴドゥルがDIOに襲われた「ハンハリーリ市場」
まずはアヴドゥルがDIOに襲われたハンハリーリ市場についてです。
荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(120頁)
レビューを見ると「迷路」「迷う」と言われまくっているこの市場。やっぱり現地の人でもない限り、初見で地理を覚えるのは無理っぽいんですよね~…ちなみに雰囲気はこんな感じだそう。
イギリス出身で車さえ見たことなかったDIO様が、この雰囲気と物量に飲まれることなく追っかけられる訳ないよな~…そりゃ~~~アヴドゥルに軍配が上がるよね~!康穂ちゃんなら何とかいけたかもしれん。
で、肝心の塔ですがこれかな~
Helen from Kuala Lumpur, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
けっこう高さがあるので迷う市場ではいい目印になりそう。
ハンハリーリ市場はエジプトに住む人々の日用品の調達にも使われる市場で、お土産探しが楽しかったり、値段は交渉次第だったり、現地の熱気をとても感じられるところなのだとか。アメ横なんかとはまた違った雰囲気なんでしょうね~!
オインゴ・ボインゴ戦と「アブ・シンベル大神殿」
お次はオインゴ・ボインゴ戦のワンシーンを見ていきます。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』20巻 集英社(144-145頁)
4体の巨大な像が描かれていますが、こちらは世界遺産のアブ・シンベル大神殿。スーダンとの国境近くに位置する神殿で、太陽神ラーを祀っています。
約3300年前、古代エジプト新王国時代第19王朝のラメセス2世が建設しており、高さ20メートルの4体の像はなんと全てラムセス2世だそう。そんなに作るの…?と言いたくなりますが、この人どこのガイド本を読んでも「自己顕示欲が高かった」って書かれてるんだよな。まあそうだろうな…その上には日の出を喜んでいるヒヒの像が22体も座しています。
そして中の大列柱室や前室でもラムセス2世のお姿が拝めるのですが、そんなラムセス2世は90歳前後まで生きたご長寿で、子供を100人以上もうけたビッグ・ダディ。政治的なところでは戦争や平和条約の締結などで、エジプトの国力を大きくした人でもあります。この人、パワフルすぎんか?
で、ラメセス2世の足元には王妃ネフェルタリやその子供の像が見えるのですが、ラムセス2世は大神殿のお隣にネフェルタリのために小神殿を建造しています。こちらもでかい。
入り口には6体の像が並んでいますが、2体が王妃、残り4体はラムセス2世です。本当グイグイ来るタイプだな
ちなみにラムセス2世の像はメンフィス博物館など、エジプトの他の施設でも見ることができます。どんだけあるんや!!!
オインゴ・ボインゴ戦と「アスワンハイダム」
先程のコマで、アスワンハイダムの話が書かれていたのでちょっと触れてみます。
アスワン・ハイダムは幅約3600キロ、高さ111mの超巨大ダムのことで、体積はなんとクフ王のピラミッド(後述)の92倍!でっか~~~~~!!!!そして上流500キロ先に続くのは人造湖のナセル湖ですが、こちらも琵琶湖の7.5倍の大きさだとか…!
で、このダムって歴史的に結構重要で。実は先程登場したアブ・シンベル神殿は、現在のアスワン・ハイダムの位置にあり、ダム建設のために神殿を水没させる予定でした。しかしユネスコが資金や技術援助を行い、アブ・シンベル神殿をブロック状にして現在の位置まで移動させたという経緯があります。
そしてこの出来事がきっかけとなり、世界の重要な遺産はちゃんと守ろうね~ってことで「世界遺産」が制定されました。エジプトの現代建築としての価値はもちろんですが、世界の景観や建築物にとって大事な転換点となった建築物なんですね~!
しかし今考えると、あのでっっっかい大神殿を水没させようなんてびっくりだよな…良かったね、ラムセス2世。
アヌビス戦の「ファルーカ」とクルーズ船
次はアヌビス神戦前のこちらのシーンを見ていきます。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』21巻 集英社(31頁)
川に浮かぶ船はファルーカ。古代エジプトから使われている帆掛け船で、風の力だけで進みます。
とてもシンプルな造りですが、けっこうスピードが出るのだそう。
そして船と言えば、ポルナレフが床屋に行っていたヌビアでの1コマにこんなものが描かれていました。
荒木飛呂彦(2001年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』6巻 集英社(50頁)
こちらはナイル川のクルーズ船。手前のファルーカと比べるとやっぱり大きい。
日本からエジプトへのツアー旅行では、1週間のうち大体3日間くらいはこんなクルーズに乗りながら、ナイル川沿いの名所を訪れるプランが多いようです。
アヌビス神戦の「コム・オンボ神殿」
続きましてポルナレフとチャカに取りついたアヌビス神が戦ったコム・オンボ神殿についてです。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』21巻 集英社(49頁)
本物はこんな感じ。この太い柱切って戦ってたの、すげ~~~~な…
コム・オンボ神殿は左右で異なる神殿が合体しており、神殿全体が「二重構造」と呼ばれる造りであることが特徴的です。二重構造は普通の神殿には通常1つしかないものが2つあるイメージで、大きな通路、至聖所、部屋の出入口なども2つあり、左右対称に配置されています。二重なのは、ペット・ショップでお馴染みホルス神と、ワニの神様であるソベク神のために建てられたためだとか。
カイロからは少しだけ離れますが、ジョジョファン的には絶っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~対に行きたあああいところだよね~!
そういえばコム・オンボ神殿はポルナレフの走馬灯にも登場していましたよね…
ポルナレフが売りつけられそうになった偽物のパピルス
ところでアヌビス神と戦う前のポルナレフは、偽物のパピルスを売りつけられそうになっていました。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』21巻 集英社(48頁)
ポルナレフっていつも誰かに絡まれてるな…
偽物のパピルスはバナナの皮やサトウキビなどで作られており、繊維が縦か横の片方向にしか走っていないために、ポルナレフの言う通り破れやすいのだとか。そしてこちらが本物。
本物は縦横に繊維が走っているので、簡単には破れないそうです。
他にも「偽物の絵柄は印刷が多い」「極端に安い」など、見分けるポイントは色々あるとのこと。たまたま知っていたのか、アヴドゥルに教えてもらったのか…パピルスに詳しい(?)ポルナレフなのでした。
エジプトで二刀流したり恋したりと、何かと忙しいポルナレフの話
マライア戦の「メムノンの巨像」
次はマライア戦1ページ目のこれ。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』21巻 集英社(147頁)
こちらはルクソールにあるメムノンの巨像で、新王国時代絶頂期の王であるアメンホテプ3世の像になります。高さは約18メートル。エジプトの像、みんなでかい。
像の後ろにはかつて葬祭殿があったものの、後の王たちが石材として利用するために切り出して破壊されています。向かって右側の像は紀元前27年のローマ時代の地震でヒビが入り、風や激しい気温差によるきしみにより音をたてていたため「像が歌う」と言われていたそう。ただ修復工事によって、音は消えてしまったのだとか。
マライア戦の「王家の谷」と「ツタンカーメンの黄金のマスク」
マライア戦のその次のページには、こんなコマもあります。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』21巻 集英社(148頁)
王家の谷とツタンカーメンの黄金のマスクが、荒木先生の解説付きで載っています。ありがたや~!
王家の谷は新王国時代に岩を彫って造られた岩窟墓地群で、60以上の墓に歴代の王が眠る場所。紀元前1250年頃、トトメス1世により造られたことが始まりで、ツタンカーメンの墓もこちらにあります。新王国時代より前は盗掘にあっており、それを防ぐために建設されたのが岩窟墓なのだとか。
それでもやっぱり盗掘を防ぐことは難しく、かなりの被害を受けたそうですが、その中でも被害が少なかったのがツタンカーメンの墓になります。大きな被害を免れた理由は「墓が分かりづらいところにあった」「ツタンカーメンが短命だったために当時は知名度が低かった」など、様々な説が挙がっているそう。ちなみにツタンカーメンはエジプト第18王朝(紀元前1550〜1295年頃)に生まれ、9歳頃に王位を継承、20歳前に亡くなったとされる早世の王。名前は大気の神であるアメンの生き写しの意味だそうです。
そしてツタンカーメンの黄金のマスクはエジプト考古学博物館に収蔵されていましたが、大エジプト博物館への移動が決まっています。大エジプト博物館は考古学博物館の老朽化に伴い建設され、JICAなどが修復等の技術協力をしている日本とも縁のある博物館。その大エジプト博物館のエントランス、見て…
By Djehouty - Own work, CC BY-SA 4.0, Link
出た!みんな大好き(?)ラムセス2世!!!もう顔覚えちゃった。
いつでもどこでもラムセス2世。この人、本当にすごかったんだな~…
ダニエル・J・ダービー戦の「ギザのピラミッド」と「スフィンクス」
次はダニエル・J・ダービー戦の舞台となった、ギザのピラミッドとスフィンクスについてです。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』23巻 集英社(17頁)
後ろに並ぶピラミッドは向かって右から、クフ王のピラミッド、カフラー王のピラミッド、メンカウラー王のピラミッド(1番左端に小さく見えているやつね)です。本物はこんな感じ。
1番奥に見えるのがクフ王のピラミッドで、3つの中で最大のもの。1辺は230メートル、高さは本来146メートルだったものの、頂上部がなくなったことにより現在は137メートルに。平均約2.5トンの石を約230万個積み上げて造られていますが、当時は化粧岩で覆われていた姿だったそう。化粧岩は全て盗まれたのだとか。
内部では地下の玄室(墓のこと)、女王の部屋、王の玄室、大回廊などが確認されています。王の玄室の上には「重力軽減の間」と呼ばれる、石材にかかる重さを拡散させるための空間も見つかりました。そしてその上の空間は爆薬で穴を開けたら、クフ王の名前や治世年が記述が見つかったのだとか。やり方が大胆すぎんか…?
お隣はカフラー王のピラミッドで紀元前2550年頃の建造物です。台座の上に建てられているため一見最も大きく見えますが、1辺の長さは215メートル、高さ143メートルと、クフ王のピラミッドに比べると少し小さくなります。カフラー王のピラミッドの見どころは上部と下部に残る化粧岩。建造当時は全面に覆われていたと考えると、昔はもっと輝いて見えたんだろうな…
そしてカフラー王のピラミッドの前に座すのは、同時期に造られたスフィンクス。ファラオ神を守護する聖獣とされています。
天然の岩石から造られており、高さは20メートル、全長57メートルと超巨大。顔はカフラー王に似せているという説も。現在は顔が削られ、髭はイギリスにとられてしまい、かつての面影は失われていますがなんだかちょっと愛嬌があるお顔ですよね~…ちなみに髭は大英博物館に所蔵されており、エジプト政府が返還交渉をしているそうな。
そして1番小さいのがメンカウラー王のピラミッドです。紀元前2550年頃に建造され、1辺の長さは103メートル、高さ65.5メートル。このサイズ感の小ささは、メンカウラー王の時代のエジプトは力を失いつつあったからと考えられているのだとか。化粧岩はこの時代以前のピラミッドが石灰岩であったのに対し、花崗岩で造られていることから、外見は少し赤っぽかったと予想されています。
しかしこんな見応えのある建築物に見向きもせず、ポーカーをしなきゃいけないなんて…本当承太郎たちの旅って大変だったよな…
承太郎とダービーの勝敗が覚悟の差だった話
ホル・ホースとボインゴが乗った「エジプト航空」
次にホル・ホースとボインゴが乗った飛行機を見てみます。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』23巻 集英社(129頁)
尾翼に鳥のようなマークが入っており、機体には「EGA」の文字。アスワンからカイロへの国内便でしたが、こちらはエジプト航空の昔のデザインにそっくり!これね。
Aero Icarus from Zürich, Switzerland - 52cf - Egypt Air Airbus A300-622R; SU-GAS@ZRH;27.02.1999, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
EGAはEGYPTAIRの略っぽいですよね。ちなみに現在のデザインはこちら。青を基調とした爽やかな印象です。
Colin Cooke Photo - https://www.flickr.com/photos/cooke1/51824186611/, CC 表示-継承 2.0, リンクによる
新旧の機体にデザインされた鳥はハヤブサの頭を持つ天空の神、ホルス神がモデル。ホルス神はペット・ショップのスタンドとして登場していたので、こんなデザインもジョジョファン的にはちょっと嬉しいところ。ホルス神の話はまた後程…
ちなみにDIO戦でぶっ飛ばされた承太郎が壊した「AIR」の看板も、エジプト航空っぽいんですよね~地図を見ると、ちょうどこの辺りの位置にエジプト航空の店舗があります。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』28巻 集英社(132頁)
痛そ…この後数コマの承太郎の首、すっごい後ろに折れ曲がってるんだよな…生きててよかったよかった…
ホル・ホースが向かったギザのホテル「メナハウス」
お次はホル・ホースが向かったギザのホテル「メナ・ハウス」についてです。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』23巻 集英社(132頁)
こちらは現在のマリオットホテル・メナ・ハウス(公式HP)のこと。「メナ・ハウス」として開業したホテルが、色々な歴史を経て現在はマリオットグループが経営を引き継いでいます。
公式サイトの写真からも高級感が伝わってくるこのホテル。それもそのはず第四次中東戦争のキャンプ・デービッド合意の調印の場となったり、ウィンストン・チャーチルなど各国の首相や大統領、有名人などが宿泊した歴史あるホテルなのだとか。
ちなみにホル・ホースが訪れた1月のお値段は、現在なんと1泊約5万円だそうですが、これはホル・ホースのポケットマネーなのか、DIOが経費で落としてくれるのか…どうなんだろうな…
ペット・ショップ戦と「ホルス神」
ペット・ショップ神戦ではホルス神の紹介がありました。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』23巻 集英社(69頁)
カフラー王のピラミッド前のスフィンクスの上にハヤブサが飛んでいますが、ホルス神はハヤブサの姿をした神様。エジプトではホルス神を祀ったとして有名なエドフ神殿という遺跡もあり、ホルス神の像を見ることができます。可愛い。
また左下の「ホルスの目」はアクセサリーなんかでもお馴染みですよね~!幸福や栄光のほか、全てを見通すとも言われていますが、ジョジョ的にはペット・ショップの視力や観察力の凄さと共通点があります。
DIOの館と「アルハズハル・モスク」と「ナイロメーター」
次はDIOの館についてです。まずは場所を確認してみます。
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』24巻 集英社(49頁)
場所的にはアズハル・モスクの辺りなんですよね~これがアズハル・モスクで、内部の写真ね。
OVAのヴァニラ・アイス戦でこんな感じの中庭っぽいところが出てきてたな…
外から見ても雰囲気的には遠くないものの、外壁がちょっと違うんですよね~こちらがアズハル・モスクで…
こっちがDIOの館です。やっぱりちょっと違う…
荒木飛呂彦(1991年)『ジョジョの奇妙な冒険』24巻 集英社(161頁)
で、カイロのモスクをいくつか見てみたものの、DIOの館の特徴的な三角の壁を持つ建物がないっぽいんですよね~…これ荒木先生のオリジナルじゃないかな~…そもそも実在するモスクがモデルの建物に悪役が住み着いていたり、「館に火を放て!」とか言われるのはちょっと…という配慮により、オリジナルの建物にしたのかもしれません。
とはいえアズハル・モスクや他のモスクも、DIOの館のような丸い屋根や大きな外壁を見ることができるので、雰囲気は十分に感じられるのではないでしょうか。
そして室内でちょっと気になったのが、ケニーGが作った迷路。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』26巻 集英社(27頁)
これがナイロメーターの内部の雰囲気に近い気がする。
By Baldiri - Own work, CC BY-SA 3.0, Link
モデルになっているかはわかりませんが、階段が入り組んでいる感じがちょっと似てるかな…ナイロメーターはナイル川中洲のローダ島にあり、ナイル川の水位を計測する施設になります。
花京院が立っていた塔の上、破壊した時計台と「ムハンマド・アリー・モスク」
次は花京院が立っていた塔と破壊した時計台についてです。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』27巻 集英社(141頁)
あぁ花京院が…切ない…
花京院が立っている塔と時計台がある建物に似ているのが、ムハンマド・アリー・モスクです。こちらが正面で花京院が立っていたような高い塔が見えます。
そして後方には時計台があります。そっくり~~~~~!
User: Magellan at ウィキボヤージュ shared, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
こちらは19世紀にフランスから贈られた、エジプトで初めての公共の時計台だそう。何年もの間止まったままでしたが、2021年についに修理が完了!再び時が動き出したのだとか。
承太郎とDIOが戦った「カスル・アン・ニール橋」か「アッバース橋」
承太郎とDIOが戦った橋についてです。これね。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』28巻 集英社(153頁)
候補は2つ。1つ目は、カスル・アン・ニール橋です。もうね、Google MapのレビューがWRYYYYとオラオラで溢れている。みんなジョジョ大好きじゃん…
By Mohamed Amarochan - Own work, CC BY-SA 3.0, Link
承太郎とDIOがやってきたのは手前側で、中央より少し手前よりの場所で決着がつきました。
原作では橋の入り口に高さのある塔のようなものが見えますが、この下にはフランスの彫刻家アンリ・アルフレッド・ジャックマールによるライオン像があります。エジプトって何かとフランスと縁が深いな。
もう一つの候補はアッバース橋。カスル・アン・ニール橋よりも2本南に位置しています。DIO戦でのコマを見る限り、ギザの三大ピラミッドに繋がっているようでしたが、それに該当するのがこの橋です。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』28巻 集英社(167頁)
ただこの辺は同じような橋がいっぱいあるんですよね~…いずれにせよ都会のど真ん中で戦っていたことがよくわかります。
※追記:現地で上空から見た感じ、長さ的にはアッバース橋が近い気がしました。
承太郎、ジョセフとポルナレフが別れた「カイロ国際空港」
最後は空港でのワンシーンです。ポルナレフが登場する飛行機のアナウンスを見てみると…
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』28巻 集英社(183頁)
ポルナレフが乗るフランス国営航空は、現在のエールフランス航空のこと。この航空会社はね~~~~ワインの名産地であるためか、エコノミークラスでも飲み物でシャンパンが選べるんですよね~~~~!最高か?
そして承太郎たちとは登場案内がかかったところでのお別れとなります。が、現在のカイロ国際空港ではエールフランス航空と成田直行便として唯一運航しているエジプト航空では、ターミナルが違うんですよね~…当時は成田行きと同じターミナルだったのか、承太郎たちが見送りに来たという体なのか…
ちなみに承太郎たちが乗った飛行機のモデルは恐らくANA。原作では航空会社が不明なのですが、アニメ版見て…
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース:遥かなる旅路 さらば友よ . TOKYO MX, 2015-06-20.(テレビ番組)
AJAだと…!?つまりALL JOJO AIRWAYSなのか。相変わらず芸が細かいな、ジョジョアニメ。
まとめ:3部はエジプトの名所だらけだった
3部に登場したエジプトの名所を中心にまとめてみました。
観光名所はもちろん、飛行機やホテルまでかなり細かなところまでエジプト独自のものが反映されており、あらためて読み直すととても読み応えがあります。もうこれだけでけっこうエジプトの予習できるんじゃ…?
しかし日本やヨーロッパとはまた文化や雰囲気が全然違いますよね~…だからこそパーティーの中にエジプトをよく知るアヴドゥルがいるのは強いよな~!心強かっただろうな~!
参考文献
AL-MONITOR「Egypt’s first ticking clock ticks again」https://www.al-monitor.com/originals/2021/10/egypts-first-ticking-clock-ticks-again#ixzz8Vdwmkmg1(2024年4月1日確認)
JICA ODA見える化サイト「大エジプト博物館建設事業(第二期)」https://www.jica.go.jp/oda/project/EG-P40/index.html(2024年4月1日確認)
地球の歩き方編集室(2021年)『地球の歩き方 エジプト 2021~2022 』 学研プラス
千葉工業大学 地球学研究センター「古代人は宇宙資源を活用していた!_エジプト1」https://geo-cosmo-cit.jp/blog/1/(2024年4月1日確認)
ナショナル ジオグラフィック「ツタンカーメンの墓とその発見にまつわる10の事実 約3000年前の少年王の墓は、なぜこれほど影響を与えているのか?」http://www.npa.go.jp/hakusyo/h16/hakusho/h16/data/excel/FS040406.xls(2024年4月1日確認)
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