ジョジョの奇妙な冒険5部の主人公、ジョルノ・ジョバァーナ。イタリア国籍で、DIOと日本人の血を引いていました。
5部開始直前に黒髪から金髪となったらしいジョルノですが、なぜその変化は起きたのでしょうか。考察してみました。
1. ジョルノの金髪への変化とスタンド能力の関係
まずはスタンド能力とジョルノの髪色の変化についてです。さて承太郎はジョルノの髪の変化について、このように述べていました。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(138頁)
この人、スタンド使いかもと言わずに康一くんを派遣しちゃったんだよな。相変わらず大事なところで無口なんだからも~~~~~…
承太郎が康一くんを目の前にすると無口になる話は、こちらで触れています~!
あくまでも承太郎の推測ではありますが、スタンド能力と髪色の変化が関係しているとのこと。スタンド能力といえば、ジョルノはギャングを助けるためにスタンド能力の片りんを見せましたが、当時はまだ能力の自覚がなく髪色は黒でした。つまり発現のタイミングと金髪への変化が同じ時ではないようです。
またDIOの復活や死亡の影響を受けた訳でもなさそうなんですよね~…DIOの死亡は1989年、ジョルノは1985年生まれなので黒髪の頃だし…
だから承太郎の言葉通り「スタンド能力が目醒めた」というのは、「発現した」というより「自覚した」「使いこなせるようになった」のニュアンスが近いのではないでしょうか。ブチャラティ戦で、過剰に命を与えると感覚が暴走するのか~!なんて発言していたところを見るに、完璧に使いこなしてはいないものの、能力に気づいてある程度操ることができるようになった辺りが金髪に変わったタイミングと考えられそうです。
あるいは自分のスタンドを、ゴールド・エクスペリエンスと名づけた瞬間とかね~!ジョジョで登場するスタンド名の多くは使い手本人が名づけていると思われますが、ジョルノもスタンドにこの名をつけた時に金髪となったのかもしれません。まさに黄金体験やんけ。
このようにジョルノの髪色の変化は、スタンド能力の自覚や操作、名づけなどとの関連が考えられそうです。承太郎の推測はドンピシャではなくとも、かなりいいところまでいっていそうなんだよな。さすが研究者の考察というか…
ジョルノのスタンドGERの話は、こちらでも取り上げています~!
2. ジョルノの夢と髪色の変化の関係
次にジョルノの夢と髪色の変化についてです。ここではギャングという夢を持った瞬間と、髪色の変化の関係を考察してみます。注目したいのは、ジョルノの過去のエピソードでの描き方です。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(160-161頁)
うっまぶしい…芸能人ばりのオーラを放つ15歳。
このページの描写を見るに、ジョルノがギャングに助けられていじけた目つきではなくなった頃は、まだ黒髪のようです。そして「ギャング・スタ―にあこがれるようになったのだ!」のコマで金髪となる描写から、ジョルノが夢に邁進するようになった瞬間に、髪色が変わった可能性が想像できるのではないでしょうか。
なんせギャングはかなりの精神力を要する夢だからな~!死の覚悟が必要だもんね…それでも強固な意志を持てたのは、自分に居場所を作ってくれたギャングへの憧れはもちろん、両親との関係も影響しているのではないでしょうか。
反社会的な職業を志すことは、一般的に親としては許し難い行為です。ただ息子のことを大切に扱わなかった両親なので、ジョルノにとって親の意見は重要ではなかったはず。だからこそ母ちゃん心配するかな~?なんて後ろ髪を引かれる思いを持つこともなく、夢への強い気持ちを持てたのではないでしょうか。そんな精神力が外見にも影響していたりとかね~!
そしてスタンドとの関連についても考えてみると…スタンドは精神力なので、ジョルノが夢への強固な意志を持った瞬間、ゴールド・エクスペリエンスがその真価を発揮し始めたのかもしれません。例えば土などの生命が宿るべき環境に命を生み出すだけではなく、物などの無機物にも命を与えたりとか…もしかしたら「夢を持った瞬間」「スタンド能力の自覚や開花」「髪色の変化」は同じタイミングだったりして…!
このようにジョルノの髪色の変化は、夢との関連も想像できそうです。ちなみにアニメ版では「ギャング・スタ―にあこがれるようになったのだ!」の直後にブチャラティの舌芸のシーン。場面転換直後に「ゥウェェ(cv. 中村悠一さん)」だからな…立て続けに濃いシーンでお腹いっぱい…
ブチャラティの舌芸の話は、こちらでも触れています~!
3. ジョルノの金髪への変化が指すDIOとの関係
そしてジョルノの金髪への変化が指し示すものについても見ていきます。金髪といえば父であるDIOと同じ髪色ですが、ここではDIOとの関係性から考察してみました。
さてDIOはイタリア語で「神」「創造主」を指す単語ですが、ジョルノのゴールド・エクスペリエンスも生命を生み出すという点で、キリスト教の神をイメージさせます。スタンド能力の自覚や操作が髪色と関係しているのであれば、DIOの遺伝子が現れた金髪への変化は父と同じ「神」を意味する人物になれたという暗示なのかもしれません。
しかも5部で描かれたDIOとジョルノって似ているんですよね~!
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(103頁)
前髪以外ほぼそっくりの件。これは親子ですわ…
つまりジョルノの金髪への変化は、父・DIOが意味する「神」となった意味合いが含まれているのかもしれません。もしかしたらお父さんばりに無駄無駄~!なんて言い出すようになったのも、金髪になってからだったりして…!
ジョルノとDIOの比較は、こちらもどうぞ~!
金髪が引き起こしたジョルノの心情の変化
DIOの写真の話が出たので、少し脱線しつつ…最後にジョルノがDIOの写真を持ち歩いていた理由と、金髪が引き起こした心情の変化についてです。ご丁寧に写真に名前まで入れちゃって…もうジョルノったらお父さん大好きっ子なんだから!と言いたくなりますが、DIOへの思いと金髪に対する感情をあらためて考察してみます。
まず写真を持ち歩いていた、ということは少なくとも気になる存在ではあったはずです。もし父親の死亡を聞いていたとしても、実は生きているかもしれない、どこかで会えるかもしれないという期待を持って手元に置いていたりとかね…いずれにせよ、DIOに嫌悪感ばかりを持っていた、なんてことではなさそうです。
そして実の父親が気になるのは、会ったことがないからであるのはもちろん、母親の育児放棄、そして再婚相手による虐待を経験していたからではないでしょうか。両親の影響で自分を卑下し、心がネジ曲がってしまうのは時間の問題となるほどの人生を送ってきたジョルノ。もしDIOと共に過ごしていたら…という気持ちが生まれても不思議ではありません。
また父親と同じ金髪になったことによる、ジョルノの心情の変化も想像できそうです。黒髪についてジョルノは母親の遺伝と考えていたと推測されますが、母親との記憶は辛いこともたくさんあったはず。またアニメ版では「国に帰れよ日本人」なんて心ない言葉を浴びせられていた描写もありましたが、イタリア出身ではないことが髪色を含めた外見により余計に目立ち、悲しい思いを経験したのかもしれません。
しかし金髪への変化により、あまりいい思い出のない母親からの脱却、そして父親であるDIOへの親近感を感じたのではないでしょうか。写真を持ち歩くほど興味のある人物に近づけて、ちょっと嬉しかったりしてね~!また外見的には日本人と一目で分からなくなることにより、イタリアへより馴染めた、自分の居場所と感じやすくなった、なんて気持ちもあったりして…
このように金髪への変化は、ジョルノが興味を持っているであろう父親やイタリアへの親近感にも繋がっているのかもしれません。ちなみにイタリア人は黒髪も多いのだとか。そういえばナランチャやブチャラティは黒系だし、ミスタも眉毛の色から推測すると恐らく黒。ブチャラティチームでは半数が黒で、金髪は少数派なんだよな(紫もいるけど)
髪が紫の人の話は、こちらもどうぞ~!
まとめ:ジョルノの金髪への変化はスタンド、夢、DIOなどと関係がありそう
ジョルノの髪色の変化について考察してみました。
承太郎の推測通りスタンドが原因という説が有力なようですが、スタンドの発現というより、能力の自覚や技の精度と髪色の変化に関係があるようでした。またジョルノの夢や神を意味するDIOとの関連も想像できそうです。
金髪となることでDIOの遺伝をますます感じさせるジョルノ。でも丸3つの髪型は自分の好みなんだろうな。誰の遺伝でもないもんね~!さすがはイタリア人、お洒落の国よ…!
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