ジョジョの奇妙な冒険3部ではジョセフ・ジョースターがハーミットパープルの使い手として登場しました。
シンプルな形状ながらも、その能力はどこかジョセフらしさを感じさせるハーミットパープル。今回はハーミットパープルが人型ではない理由や波紋との関係について考察してみました。
1.ジョセフのハーミットパープルは対DIO用のスタンドだった!?
まずはジョースター家とDIOとの因縁について考えてみます。決して華やかなスタンドではないハーミットパープルですが、荒木先生曰くあの形状は主人公の承太郎のスタンドを際立たせるためなどの理由のほか、波紋をより視覚的に表現した姿でもあるとのこと。たしかに同じ波紋使いであるジョナサンのスタンドとも形が似ていましたよね~!
でもあの2人、あんなに性格が違うのに…?と気になるところですが、そもそもジョースター家には因縁の相手DIOを倒すための能力が発現していたのかもしれないよね。つるのように伸びれば、より吸血鬼に波紋を流し込みやすくなり便利だもんね~!
また波紋は物理的なダメージを与えるほか、身を守る、老化防止といった身体能力の向上など様々な力があります。ハーミットパープルもまた波紋を流して身にまとう、念写などの色々な使い方ができますが、それも波紋の応用力が反映されているのかもしれません。やはり波紋使いならではの形だったんじゃないかな~!
ところでホリィさんのスタンドも茨型で、能力は癒しだったそうですが、こちらも波紋の治癒能力由来ともいえそうなところ。ホリィさん、実はかなり優秀な波紋使いの資質を持っていたのでは…!?

承太郎のスタンドが人型ではない謎
じゃあ承太郎はなぜ人型?というのも気になりますが、それこそ波紋使いではないからなんでしょうね~…波紋の才能にも目覚めそうな気はしますが、なんせ不良の才能がありすぎるからな。喧嘩の相手をブチのめしたり、先生に気合を入れたり…そりゃ~~~~パワー系の能力になるよね~~~!ジョナサンもパワー系でしたがなんせ紳士だからね…
あとはジョナサン、ジョセフなど波紋ベースのスタンドが何代か続いたので、ここらで別の能力者を入れておこう!という生物学的な力が働いたとかね。DIOの復活により仗助にもスタンド使いの才能が目覚めましたが、クレイジー・ダイヤモンドもまた人型でパワー系。植物系だけでDIOと戦うのが難しい場合の対策として生まれたのが、パワーで押しきれる人型のスタンドなのかもしれません。
で、もしスタープラチナも対DIO用だったとすれば、時の止まった世界に入門できたのは「できると思えばできる!」という話ではなく、そもそも潜在的にDIOに対抗する力が備わっていたからかもしれないよね。入門の仕方はどうあれDIOと同じ土俵に立ち、決着をつけることこそスタープラチナの能力のひとつだったという可能性もあるのではないでしょうか。突然覚醒したように見えた時を止める能力も、DIOとの因縁を終わらせる力が花開いたというシンプルな話だったりして…!

2. ハーミットパープルはジョセフの特技だらけ!?
次にジョセフの特技との関連についてです。ジョセフといえば色々な特技がありましたよね~!そのひとつは「逃げること」ですが、DIO戦ではスタンドをターザンロープのように使って移動していました。自分の身を引っ張ったりもできるので、ハーミットパープルは逃げる特技を生かすのにはもってこいの能力ではないでしょうか。
もうひとつ印象的だったのが「次にお前は~という!」という台詞です。未来を予知する特技でしたが、予知といえば黄の節制戦前に「花京院に気をつけろ」という警告を得ていたのを思い出すところ。念聴もジョセフならではの能力なのかもしれないですよね~!
またハーミットパープルはタイマンで力を発揮する能力ではありません。本体が機転が利くタイプなので勝てないわけではありませんが、誰かと組んだ時にこそ真価を発揮できるスタンドのはず。そんな能力の理由はシーザーとコンビを組んでいたからかもしれないよね。苦楽を共にし、協力し合った兄弟子の存在が、スタンドにも影響しているのかもしれません。
他にも地図を描けるのは不動産王ゆえなど、本体の特技と関連していそうだったハーミットパープル。きっと似た形状でも、ジョナサンはと違う力を持っていたんでしょうね~!ジョセフらしさ満載だよな~!

3. ハーミットパープルやジョセフの美術ネタとの関係
最後に美術系のネタとの関連について少しだけ…まずハーミットパープルの茨、紫という点で思い出すのが、キリスト教で磔刑に架けられる直前のイエスの姿。茨の冠をかぶり、紫の服を着たとされています。荒木先生曰く、紫は年齢が高い人にも合わせやすく高貴な色という理由があるそうですが、着想の原点はキリスト教だったりして。
また茨の植物といえばバラを思い浮かべますが、ジョセフの出身地イギリスのイングランドの国花はバラ。そしてなんと!移住先となったアメリカの国花もバラなのだとか。トゲのある植物が出てきたのは必然だったのでは…!?
ちなみにホリィさんのスタンドにもトゲがありましたが、実や葉の形がラズベリーに近そうですよね~!
荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(50頁)
本体のように女性らしく可愛らしいスタンドですが、現在ラズベリーはヨーロッパと北アメリカに原生種が自生しているそう。なんだかイギリスやイタリア、アメリカの血筋を感じさせるところではないでしょうか。

まとめ:ハーミットパープルはジョセフの特技、育ち、対DIOなどが反映されているのでは
ハーミットパープルについて考察してみました。ジョセフの特技やバックグラウンド、ジョースター家とDIOとの因縁などが現れているようなスタンドでしたね~!
全スタンドの中でもかなり応用力があり、本体の頭の良さも求められるユニークなスタンドだったハーミットパープル。でもおじいちゃん1番の特技は飛行機を墜落させることなんだよな。あれこそスタンド能力なんじゃ…!?


