ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した岸辺露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」。相手を本にすることで中身を読み取ったり、書き加えたりすることが出来る、超強力なスタンドでした。
ところでこのヘブンズ・ドアー、なぜ白い服の少年の形なのでしょうか。そして物語が進むにつれて発動条件が変わることに、どんな意味があるのでしょうか。さっそく考察してみます!
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1. ヘブンズ・ドアーの外見の謎
最初にヘブンズ・ドアーの外見について考察します。
ヘブンズ・ドアーの見かけは、露伴が執筆する漫画「ピンクダークの少年」の主人公に酷似しています。少年のような風貌で、衣装は全身白い衣装で描かれていることが多いです。
ところでなぜ外見が、白い服の少年のスタンドとなったのでしょうか。
露伴の精神性とヘブンズ・ドアーの少年の見かけの関係
まずヘブンズ・ドアーの少年のような見た目は、露伴の性格と関係していそうです。
露伴の性格は、非常にピュア。興味のあることに徹底的に手を出しますが、興味がなければ全く関心を示しません。何ならお金にすら興味が薄そう…
そんなことより漫画命!なのが露伴先生。漫画のことになると、蜘蛛の味見でもなんでもござれなのでした。
そんな露伴の判断基準は「常識」や「善悪」ではなく、「自分の好き嫌い」。一見わがままに見えますが、考えようによってはとっても純粋なのです。小さい子がやりたいことには手を出すのに、やりたくないことには無視したり駄々をこねるのとそっくりというか…
この純粋すぎる性格が反映された結果、見かけが少年なのではないかな~と思います。
ヘブンズ・ドアーの衣装と色合いの意味
ヘブンズ・ドアーの衣装は全身白く、蝶ネクタイや靴、服の縁などは金色で描かれることが多いです。この衣装の色合いは、露伴が着ている衣装の色とも似ています。このパターンの衣装です。
そっくり!っていうかおそろ!!
ねんどろいどでもこの色なので、露伴の代表的なカラーリングっぽいですね。アニメではジャンケン小僧の回でも着ていましたね~!ヘブンズ・ドアーと露伴の服装は、意図的に色を寄せているのではないか、と思います。
ところで白という色に注目すると、イメージとして挙げられるのは純粋や純白。露伴のピュアで子供っぽい性格とも共通点がありますね…!
また露伴が漫画を描くのは「まっさらな原稿」。このイメージで白を選択したのかな、とも考えました。露伴先生の服装、白地にペンモチーフのボタンだし。白い原稿に金色のペン先で描くという、職業的なイメージもあるのかもしれないですね…
少年のような外見に似ている衣装の色合いということから考えると、ヘブンズ・ドアーは露伴先生の分身的存在なのかもしれません。
2. ヘブンズ・ドアーの成長と露伴の変化
次にヘブンズ・ドアーの成長と露伴の関係について考えていきます。
ヘブンズ・ドアーの初期の能力は、露伴の描いた原稿を読んで興味を持ち、相性が良かった者を本にすることが出来ました。しかし4部では最終的に、相手に直接触れるだけで能力が発動できるようになります。この現象はヘブンズ・ドアーは成長性がAなので、スタンドの成長と考えて良さそうです。
でもなぜヘブンズ・ドアーが成長できたのでしょうか。これは露伴の環境・心境の変化によるものだと思われます。
使命感が生んだヘブンズ・ドアーの成長
では露伴にはどのような環境・心境の変化があったのでしょうか。4部初登場時の露伴は杜王町に引っ越してきたばかり。しかし故郷でもある杜王町のことを気に入っているようです。
荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』34巻 集英社(119頁)
これ、テレワークじゃん!時代先取りしてるな!!!
一方「気苦労が辛いからアシスタントを雇わない」と人間嫌いな一面を見せており、広瀬康一と間田敏和に訪問されるまでは人と交流していた描写はありませんでした。
しかしこの2人の訪問によってスタンド使いたちと知り合い、人間関係を広げることになります。特にお気に入りの康一くんとは、一緒に行動したことで杉本鈴美に辿り着き、吉良吉影の存在、自分の過去を知りました。
そして杜王町を守るために露伴先生も協力を決意しますが、それは命の恩人であった杉本鈴美への恩返しであり、自分の故郷を守るためでもあったはずです。
そうと決まれば、故郷のために一肌脱ごうじゃあないか!と頑張っていきたい露伴先生。
ところが!
ヘブンズ・ドアーは戦闘向きじゃないんですよね~…キラークイーンへのラッシュもへなちょこっぽかったし。なんせ露伴の取材欲求が具現化したスタンドだもの!言ってしまえば、自己満足のためのスタンド能力でした。
しかし吉良の存在により、今まで自分のためだけに使えればよかった能力が、他人のために使う必要が出てきたのです。
使命感で成長したヘブンズ・ドアー
さて、初期は原稿を読ませないと発動できなかったヘブンズ・ドアーの能力ですが、杉本鈴美に出会った時には、既にヘブンズ・ドアーの顔を空中描くと能力が発動できていました。
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』36巻 集英社(40頁)
メタ的なことを言えば、原稿持ち歩かせて~毎回見せて~って結構面倒くさいし、テンポが悪いもんね…(小声)
しかし危険人物過ぎる吉良を相手にするとなると、よりスピーディーな攻撃が求められるはずです。そして露伴先生の精神的成長なのか、スタンドを扱う努力を重ねたのか…最終的には相手に触れて発動出来るまでになったのではないでしょうか。
露伴が杜王町に引っ越してきて、町を守るという使命を抱かせたことがヘブンズ・ドアーを成長させたと考えられそうです。
まとめ:ヘブンズ・ドアーは露伴の分身であり、他人のためにもつかえる能力へと成長した
岸辺露伴のヘブンズ・ドアーを考察してみました。
容姿やカラーリングからは露伴の分身的存在であること、その後の成長の様子は、露伴の使命感など気持ちの変化が表れたことが考えられました。
露伴の欲望が分かりやすく具現化しているヘブンズ・ドアーですが、見かけや成長の様子にも露伴らしさが表れているのかもしれません。
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