アヴドゥルはなぜ日本が好きなのか考察してみた

ジョジョコラム

ジョジョの奇妙な冒険3部に登場した、モハメド・アヴドゥル。エジプト出身ながら、日本好きを感じさせる一面を持っている人物です。

ところでアヴドゥルはなぜ日本が好きなのでしょうか。今回は日本好き過ぎる行動と、その理由を考察してみました!

3部の考察記事はこちらもどうぞ~!

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アヴドゥルの日本好きっぷりがスゴイ!

最初にアヴドゥルの日本好きが分かるシーンを確認していきます。
まずプロフィールには好きな食べ物に「すし」。美味しいよね、シースー。アニメ版では、空条家で茶道をたしなんでいました。正座もお手の物ですね~!

あとこのシーン見て!!!!

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース :  DIOの呪縛. TOKYO MX, 2014-04-19.(テレビ番組)

空条家からエジプトに出発するするために、家の門を出るところです。この門の敷居(足元の横長の木ね)をアヴドゥルはちゃーんと跨いでいます。敷居は跨がないのが日本のマナー。すごいぞアヴドゥルさん!!!!

ちなみにジョセフは踏んでいました。笑っちゃうからぜひ見て…!

暗青の月戦前に承太郎と花京院が学ランで日光浴するシーンでは、その理由を「ガクセーはガクセーらしく」と答えています。それを見たアヴドゥルは「これぞ武士道」と感心した様子。

いや違ぇよ!!!!

まぁいいや。とにかく日本文化に興味津々のアヴドゥルさんです。
ところでアヴドゥルってなぜ日本が好きなのでしょうか。考察してみます。

1. アヴドゥルの生き様と武士道

まずアヴドゥルの生き様と武士道について、考えていきます。アヴドゥルは旅の中で2回犠牲になりましたが、どちらも仲間を庇った結果です。

アヴドゥルは過去の描写が少ないので、この行動に至った経緯は推測出来ません。が、唯一挙げられるとすれば「野良犬イギー」で描かれたように、両親の生き様が影響を与えたってこと。ただあくまでもスピンオフなのでね…とはいえ過去の人生経験が、アヴドゥルの生き方に影響したことは間違いないと思います。

こんなアヴドゥルさんですが、その生き様にすごく武士道っぽさが感じられるんです。




武士道とは

武士道とは武士の心構え。考え方は色々あるようなのですが、有名な7つの精神として「義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義」があります。ざっくりこんな感じです。

義:人として正しい道、正義
勇:義を行うための勇気。義のために命をかけること
仁:思いやりのこと
礼:相手を敬う気持ち
誠:言ったことを行うこと
名誉:自分に恥じることのない高潔な生き方を守り抜くこと
忠義:自分を犠牲にしてでも主君に従順すること

ざっと読んだだけでも何となくアヴドゥルさんっぽさを感じますが、「義」「勇」「名誉」「忠義」とアヴドゥルの生き様に注目していきます。

アヴドゥルの行動がかなり武士道!

まずアヴドゥルと「義」についてです。
3部で打倒DIOの目的がいまいち明らかではなかったアヴドゥル。でもアニメ版ではDIOの館突入前のナレーションで、各々がDIOを倒す理由が述べられました。アヴドゥルの理由はこちら。

この世には栄えてはならぬ 必ず滅ぼさねばならない悪があると
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース : 地獄の門番ペット・ショップ その2. TOKYO MX, 2015-04-18.(テレビ番組)

アヴドゥルはDIOを滅ぼすべき悪と考えているからこそ、打倒DIOが彼の「義」でした。自身が襲われた経験や、大事なジョセフの一人娘・ホリィを助けるためなど、様々な理由があってからこそなのだと思います。

そして「勇」「名誉」「忠義」もアヴドゥルに当てはめていくと…

打倒DIO(義)のために命を張り(勇)、最後までその生き方を守り抜き(名誉)、チームのために力尽きた(忠義)

おおブラボー…!綺麗に当てはまってしまったじゃないか…
「忠義」は「自分を犠牲にしてでも主君に従順すること」ですが、ここでは主君をチームと置き換えてみました。あのチームで絶対的主君はいないので…。

こんな風に考えるとアヴドゥルの生き方は、かなり武士道的精神を感じられます。こんな性格なら日本文化に共感したり、興味を持つのも分かる気がします。

アヴドゥルの武士道精神とポルナレフ戦

ポルナレフ戦のアヴドゥルの行動も、武士道っぽさが出ています。この戦い、騎士道ポルナレフと武士道アヴドゥルのやり取りがめちゃくちゃ面白いんですよね~!

まず戦う前にポルナレフが「フェアに戦うために広い場所に出よう」そして「1人ずつ順番に倒す」と言い出します。正々堂々とやろうぜってことなんでしょうね。ここからマジシャンズレッドの石像作りやらC・F・Hやらドンパチやって、ポルナレフリタイアに見えましたが、おおブラボーと復活しました。

で、ここからアヴドゥルの武士道的な一面が垣間見れます。ポルナレフ自ら、C・F・Hで焼け死ななかった理由を説明するのですが、その時の反応がこちら。

荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』38巻 集英社(24頁)

ポルナレフも紳士ですが、アヴドゥルの返事は「畏れ入る」と丁寧なお返事…武士道の「礼(相手を敬う気持ち)」じゃあないか…!




そしてポルナレフが残像を出した後のシーンではこんなやり取りもありました。

荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』38巻 集英社(24頁)

ポルナレフの技に感心しています。敵ながら天晴れというやつですね~!さらに騎士道精神に敬意を表して、技の秘密を明かしました相手への敬意をとことん忘れないアヴドゥルさんです。

こんな具合でアヴドゥルさんは敵に対しても、礼儀正しい相手にはちゃ~んと敬意を払います。お優しいのね…!
そんな礼儀正しくて武士道っぽい性格ならば、日本に興味を持つのも納得できるところです。

2. 茶道をたしなむアヴドゥルの謎

次に茶道とアヴドゥルについて考察してみます。
アニメオリジナルシーンとして、アヴドゥルが空条家の茶室で茶道を嗜むシーンがありました。「なかなかに興味深い」という発言があるので、初体験っぽいです。しかも表千家っぽいよな…お茶の点て方と茶筅が…

それはいいとして、なぜここで茶道のシーンを入れたのか。日本好きな一面を強調しただけ…と言ってしまえばそれまでですが、それじゃあ終わってしまうので…

ここではアヴドゥルの占い師という職業と、短気で頑固、熱くなりやすい性格を交えてもう少し考えてみます。

茶道の言葉とアヴドゥルの相性

茶道の精神を表す言葉に「和敬清寂」があります。意味は「茶道で、主人と招かれた客がお互いに敬いつつ、茶室、茶器、茶庭、精神などを清らかで静かな状態に保つこと」
占い師という接客業を営むアヴドゥルなら、お客さんへのおもてなしの大切さは分かっているはずです。そして熱くなりやすい性格は、ダービー兄戦で自覚しているシーンがありました。だからこそ、心を清らかに保とうとする茶道は、熱くなりがちな性格には魅力的に映ったのかもしれません。

また「一期一会」も茶道由来の言葉。「客との出会いは一度限りのものと考えて、最善を尽くし心をこめてもてなすように」という心得です。こちらも接客業のアヴドゥルならば、お客さんへの丁寧なおもてなしは大事なこと。その辺りも共感できるポイントなのではないでしょうか。

そんな訳でアヴドゥルにとって茶道は、自分の職業・性格上、興味深いものだったのかもしれません。




3. ジョセフの日本嫌いの影響も?

最後にジョセフの影響についてです。こちらはちょっと想像で考えてみたところです。
日本が嫌いと言うジョセフは、空条家の茶室でも文句を言いながら、茶器にインスタントコーヒーを入れて嗜んでいました。おじいちゃんフリーダムすぎるよ…

この「文句を言いながら」がポイント。
そもそもジョセフって差別的に日本が嫌いな訳ではありません。可愛い1人娘ホリィちゃんが、日本人のお嫁に行ってしまっただけなのです…。花京院にも優しいし、東方明子とも色々あった訳だし…
ホリィが好きすぎるあまり、日本への不満が口をついてしまっているだけに見えます。

そして親族がいることもあり、日本の文化には多少触れているはずです。ただウォークマンなど、気に入ったもの以外は文句を言っていそう。茶道のシーンでもこれです。

なんなんだ このせまっ苦しい部屋は だから日本は嫌いなんじゃ
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース : 裁くのは誰だ?!. TOKYO MX, 2014-04-12.(テレビ番組)

まあ茶室は狭いよね…ってかあの2人よく入れたな。

気に入らないものにはとりあえずケチをつけていそうですが、そんな文句をアヴドゥルが聞いたらどうなるか。
「朝食に卵かけご飯~?卵を生で食うなんて、だから日本は…」「卵かけご飯…どんなものなのですかジョースターさん?」みたいに食いついてくる可能性も…ジョセフに出会う前から日本好きであれば、ますます興味を惹かれるはずです。

アヴドゥルが日本を好きなのは、意外とジョセフの影響だったりして…!?

まとめ:アヴドゥルの日本好きは、性格や職業に由来するものだったのかも

アヴドゥルの日本好きの理由を考察してみました。

アヴドゥルの元来の性格や占い師という職業が、日本文化と共鳴する部分が多く、それが一因となっている可能性が予想出来ました。
そしてパートナーであったジョセフの影響も、多少は受けていたのかもしれません。

興味深かった日本の地を踏み、茶道まで嗜んで、エジプトに旅立って行ったアヴドゥル。お寿司でも食べに、日本に戻って来てくれたら良かったのになあ…。

3部の記事はこちらもよろしくどうぞ~!

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