なぜメンタルの強い承太郎は悪霊に取りつかれたと思ったのか理由を考察してみた

ジョジョコラム
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ジョジョの奇妙な冒険3部の主人公である空条承太郎。初登場時にはスタープラチナを「悪霊」と命名し、取りつかれたと考えていました。

今回は承太郎がなぜ「悪霊」とまで名づけ、牢屋にこもっていたのか、理由を考察してみます。


1. 承太郎が「悪霊」と名づけた理由

まずは承太郎と「悪霊」という名づけの理由を考えてみます。「悪」と「霊」というあたり、スタープラチナにネガティブなイメージを持っていたことが伺えますよね~!

それもそのはず、ビールを持ってくる一方で喧嘩を始めたりと敵か味方かも不明だわ、本を読み漁っても何者かわからないわ…そんな存在が突如現れたら、誰だって良くは思わないよね。ましてや超能力的な力を持っていたのであれば、「悪霊」と名づけたくなるのもわかる気がします。

またこの頃のスタープラチナは、承太郎の意志に反した行動をとっていました。例えばホリィがお迎えに来た際に、銃弾で自らのこめかみを撃ち抜こうとするも、スタープラチナに弾丸キャッチをされてしまうシーン。荒木先生曰く、これはホリィに悪霊の恐ろしさを見せつけていただけではなかったそうで…

承太郎は自分でも制御できない暴力性を抑えるために、自ら牢屋に入って自殺しようとしているのですが、何か得体の知れない力がそれをとどめています。こういう異様な始まり方は、「ジョジョ・ワールド」の典型でしょう。
荒木飛呂彦(2015年)『荒木飛呂彦の漫画術』 集英社(91頁)

承太郎、覚悟が決まりすぎていた。うそだろ承太郎…

他人に迷惑をかけまいとする心の優しさはもちろん、だいぶ追い詰められていたことが伺えますよね~…でも命を絶とうとする意志すら止められてしまったら、ますますパニックになるわけで。生きていれば他人を傷つけてしまうけれど、死ぬこともできない。そんな状況であれば、どれだけメンタルが強くとも、海洋冒険家になるほどの学者肌であっても、「悪霊」という非科学的な名前をつけてしまうのかもしれません。

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2. 承太郎の牢屋の中から見える「悪霊」への気持ち

今度は牢屋の中の様子から、悪霊に対する承太郎の思いを考えてみます。こちらが牢内の様子ね。


荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(16-17頁)

レザージャケット、ラジコン、エレキギター、筋トレグッズ…と男子のロマンが詰まった部屋ですね~!ここまで娯楽アイテムだらけだったところを見るに、本気で牢屋から出ないつもりだったんだろうな~…

また「悪霊」研究のための本も多数置かれており、そのタイトルは「オカルト」「死者の書」「神秘と魔法」「GHOST」など。歴史、ファンタジー、スピリチュアル系と色々なジャンルを読み漁っていたことが伺えますが、スタープラチナに似た記述がどこにもないとなれば不安は募るだろうし、「悪霊」と名づけたくもなるよね~…あるいは読み漁った上で、善悪でいえば「悪」、最も近そうな存在が「霊」と考え、「悪霊」と名づけたとかね。

また姿勢にも注目してみると…いつもは仁王立ち、指をさしてビシッと決めるポーズなど、堂々としているイメージの承太郎が片足を立てて縮こまり気味に座っています。なんだからしくないのは、得体の知れない悪霊への恐れがあるゆえなのかもしれません。そりゃ~意味不明なものがつきまとっているなんてイヤだよな~…

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承太郎は本当にメンタルが強いのか

ここで承太郎のメンタルについて少し考えてみます。困難を前にしても臆することなく、強敵相手にも立ち向かっていった承太郎。誰もが憧れるメンタルの強さがあることは間違いありません。

が、それでもやっぱり焦る時は焦るわけで。牢屋から出てきた時は「おじいちゃん」と呼んでいたものの、ジョセフが1年前にスタンド能力が発現したと話すと、顔に汗をかきながら「じいさん」呼びに。さらに星のアザの話をされると「てめー」と呼びながら、「何の話だ」「何が写るんだ」と急かしまくっていました。


荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(57頁)

他人の家の話なのに一緒になって汗を流してくれるアヴドゥルさん。 

平常心ではなさそうですよね~…いくらメンタルおばけの承太郎でもスタンド、星のアザ、運命と色々聞かされれば落ち着かなくなるよね。そして花京院を連れて帰った時にはいよいよ「じじい」呼びに。雑な呼び方に変わっていきましたが、これはジョセフへの悪態というより、自分の気持ちが現実に追いついていなかったゆえの気がします。

普段は強靭な精神力でも、常に冷静というわけではない承太郎。「悪霊」との牢屋暮らしも大混乱に陥ったり、気が動転した時もあるんでしょうね~なんせ命を絶とうとしていたんだもんな~…スタンドのことだって「悪霊」とも言いたくなるよね。

でもやっぱり承太郎はメンタルが強かった話

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3. 承太郎にとっての「悪」と「悪霊」と出所した理由

最後に承太郎にとっての「悪」と「悪霊」と出所した理由についてです。さて「悪」と名づけている以上、スタープラチナを良く思っていないようですが、そんな名前をつけた理由は牢屋にこもる動機からも伺えました。


荒木飛呂彦(1989年)『ジョジョの奇妙な冒険』13巻 集英社(39頁)

他人に害を与えるからイヤだとのこと。そりゃ~牢屋内で勝手に喧嘩を始めるのだから、外に出たら家族など大事な人にも迷惑をかけるはず、と思うよね~!根は優しい承太郎にしてみれば、「悪」に見えていたのではないでしょうか。

だからこそアヴドゥル戦後にはあっさり出所していたわけで。マジシャンズレッドについて「アヴドゥルの意志で自在に動く悪霊」と説明された上で、それを体感したんだもんね。「悪霊」の正体はもちろん、スタンドは悪ではないこと、制御できることを知り、安心して出てきたんじゃないかな~…少なくとも「自分が操作すればいいのか!」くらいには思っていたはずです。

弱者を踏みつけるのは悪!と他人への迷惑を許さなかった承太郎。だからこそスタープラチナは「悪」であり、「悪」を外に出すくらいなら牢屋にこもる方がマシと考えていたのではないでしょうか。ホリィの言うとおり、根は優しいんだもんね~!上のコマでアヴドゥルに「テメェ死ぬぞ」と忠告しているのも、実はけっこう優しいよな~…

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まとめ:承太郎が「悪霊」に取りつかれたと思った理由は制御不能で他者を傷つける存在だったから

承太郎が「悪霊」に取りつかれたと考えた理由を考察してみました。自分の周りに勝手に動き出す存在がいれば怖いはずですが、他者に迷惑をかけるのが許せず、「悪」という言葉で名づけたのが承太郎らしいところではないでしょうか。

ただ制御可能と知ってからの、スタンド使いとしての成長が速いのが承太郎のすごいところ。最強のスタンドを操る本体もまた最強ですよね~!絶~~~~っ対に牢屋から出ないという頑固さがある一方、納得できれば柔軟に対応できるのも彼の強さなのかもしれません。

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