ディアボロの過去や母親を生き埋めにした理由を考察してみた

ジョジョコラム

ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したディアボロ。過去が描かれたものの、その生い立ちは謎多き人物でした。

別人格が発現していることから悲惨な過去の可能性が高そうですが、今回はそんなディアボロの過去を推測、考察してみました。


1. なぜディアボロは母親を生き埋めにしたのか

最初にディアボロが母親を生き埋めにした理由を想像してみます。あれだけ慎重派なのに殺さずに生かしていたあたり、母親への歪んだ感情が伺えますが、そもそも母親を愛していたのか否か次第で事情が変わってきそうですよね~…

まずディアボロが母親を愛していたのであれば、彼なりに愛情を注ぎたかったものの正しい愛し方がわからず、歪んだ愛情表現になってしまったのかもしれません。なんせ実の親から愛されてこなかったんだもんね…そして生き埋めにしたのは、自分の愛し方に口出しされたくなかったからとかね。ホラーだな、オイッ!

反対にディアボロが母親を愛していなかったケースも考えてみます。さてディアボロは過去についてこんな発言をしていました。


荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』61巻 集英社(154頁)

「過去に打ち勝つ」だの「試練」だのと口にしていたので、過去に対していい思いはないどころか、彼に立ちはだかる壁のようなもののようです。だから母親との幸せな記憶も少ないんじゃないかな…

で、もし愛情が欠如していたのであれば、あえて殺さず、死んだように生かしていたのではないでしょうか。そしてその動機は、死ぬに死ねない苦痛を味わわせたいからなんでしょうね…母親は口が縫い合わされていましたが、これでは舌を噛み切って自ら死ぬこともできなさそうなところ。実際に口の上下を軽く手で押さえただけでも、舌を自由に動かせなくなるし…

しかもディアボロの最期は薬物依存者に殺されたりと因果応報の描写があったので、死ぬに死ねない苦痛を与えた行いが自分に降りかかってくる可能性もありそうです。んも~~ボスったら、特大ブーメラン食らってばっかりなんだから~!

あとは自分と同じように苦しみの中で生きる経験をさせたい、とかね。なんせ犯罪者の息子だからね〜…アニメ版ではドッピオを轢きそうになった運転手に怒鳴られながら「神父様には言うんじゃねぇぞ」と言われていたので、神父がいなければ結構な扱いを受けている可能性も。他にも「臆病でどんくさい」なんて評判が立っていたりと、なんだかちょっと肩身が狭そうですよね~…

他の5部のキャラクター同様、悲しい過去が想像できそうなディアボロ。でも母親への愛情があったならまだしも、なかったとすれば生き埋め状態こそ「それでいいっ!それがBEST!」なんだろうな。怖~~~~~っ!!!!

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2. ディアボロが問題視していた過去の内容

次にディアボロとドッピオの過去について考えてみます。原作では二重人格に気づいたポルナレフが「24人のビリー・ミリガン」の例を挙げていましたが、ビリーは幼い頃に受けた虐待が人格分裂のきっかけとなっています。で、もしこの話が参照されているとしたらさ、神父が幼いディアボロを(以下自粛)嘘だろ、神父様。

とはいえ、車でも買ってあげようかな~なんて考えていた優しい神父さんなので、恐らく手を出していないはず。しかもディアボロは過去についてこう発言しています。


荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』58巻 集英社(101頁)

娘の存在に恐怖していたように、血縁こそがディアボロにとって問題なんですよね~…特に「過去はバラバラにしてやっても石の下からはい出てくる」という発言は、生き埋めにしていた母親を連想できるところ。だからディアボロにとっての過去の問題は、母親を含めた血の繋がりについてではないでしょうか。

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ディアボロはなぜ過去に恐怖していたのか

ディアボロにとって血縁が問題だったとして、今度は恐怖していた理由を考えてみます。確かに血縁を辿れば正体がバレるだの、サルディニア島での放火を疑われるだの、困ることはたくさんあるはずです。でも本当に怖かったのは自分のペースを保てなくなることではないでしょうか。

絶頂でいるために物事を慎重に見極め、最適なタイミングで最善を尽くしてきたディアボロ。でも彼らしくない行動もけっこうあるんですよね~…ほら…

ドナテロを妊娠させる
・正体を明かしたくないのにドナテロには手を下さず行方をくらます
・床下の母親を見つけられてしまう
・ブチャラティの前でトリッシュの手首を切り落とし、その場で殺さない
・「何かわからんがくらえッ!」
トリッシュに次の行動を読まれた上に「逃げる気だわ」と言われた屈辱で行動変更

血縁問題ばっかりでしたわ。そしてそこに混ざってくる「何かわからんがくらえッ!」とかいうパワーワード。

こりゃ~~~恐怖するわな~!というラインナップですが、なぜディアボロは血縁問題でミスを犯すのか。これね~…微妙な情が邪魔をするのかな~と思ったんですよね~…ドナテロには恋愛感情が芽生えて妊娠させてしまい、情があるゆえに手を下すこともできなかったとかね。

トリッシュのことも口では「始末する」と言うものの実は決めあぐねていたり、いざ娘の姿を見たら躊躇したのかもしれません。愛情とまでいかなくとも、血が繋がっていることをつい意識したり、他人事とは思えない感情が生まれていたからこそ、行動に迷いが生まれていたりして…

でもね、その娘がエレベーターで「父親を好きになれるかしら?」と不安を口にしながらやったのがこれよ。


荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』55巻 集英社(162頁)

初対面する娘がいきなり男と手繋ぎ始めるなんて…これにはお父さんプッツンですわ。

だってボスの父親よりも、部下のブチャラティを信頼しているってことでしょ~~~?屈辱的なのはもちろん、トリッシュに少しでも情を持っていたとすれば、お父さん相当ショックだろうな~…だからこそやっぱりトリッシュは葬らないとと思い直していたりして…自分を傷つけたり不安にさせる人間には、容赦ないもんな。

でも血縁関係に情があったのであれば、母親の扱いは酷くてもそれなりに愛していたのかもしれないですよね~…過去は「乗り越えなくてはいけない」というのは、母親をやむを得ず殺すことになった悲しみも含まれていたりとかね。そのショックで別人格ができたのかもしれないし…切ないな。

このように血縁や家族の問題になると慎重派な自分とは思えぬ行動をとってきたことが、ディアボロにとっての「未熟な過去」だったのではないでしょうか。でもそのミスが重なって最後は敗北した訳で。ディアボロの言う通り「他人ではどうでもいいことが血縁ではぬきさしならない事」になっちゃったんですよね~さすがボス、未来をわかってるよな(褒めてない)

結構人間くさいですよね、ディアボロ大先生。

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ディアボロの「故郷はついてる」発言の意味から見える母親への感情

次はディアボロの「故郷はついてる」発言の意味と、母親に対する感情を考えてみます。アバッキオを殺害した直後の台詞でした。


荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険』59巻 集英社(109頁)

慣れ親しんだ町だし景色もいいし、故郷って最高だよね~!ではなく、あくまでも「ついてる」からいいのだそう。

で、「ついてる」で思い出すディアボロの過去と言えば、ディアボロが死亡者リストに載った火事です。犯人は十中八九ディアボロで、動機は神父に母親を見つけられたことのはず。火事にしなければディアボロが逮捕なり指名手配なりされたであろう出来事なので、神父の行動に気づけたことが「ついてる」のではないでしょうか。

そして最も懸念していたアバッキオを殺害できたのも、ボールを取ると手助けしてくれたためでしたが、これも運が味方していますよね~だから故郷はピンチな状況を一転できる、ラッキーな場所と思っていたのかもしれません。でも母親の存在がバレたために放火したのであれば、ディアボロは母親の扱いが許されざることという自覚はあったんだろうな。やっぱり歪んだ親子関係だよ…

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3. ディアボロの出生の謎

最後にディアボロの出生について考えてみます。父親は既に死亡しており、2年以上の妊娠期間を経て誕生していましたが、父親不在での妊娠と誕生と言えば、キリスト教のマリアの受胎とキリストの誕生を思い出します。だからキリストが人間には難しい数々の奇跡を起こしたように、ディアボロも5部の中でかなり特殊な存在として描かれていたんじゃないかな~と。

しかもディアボロがボスだったことを知る生存者はジョルノたちだけで、その他の人々はディアボロの存在さえ知りません。ドッピオにいたっては、死亡したことすら誰にも気づかれなかったし…おおかわいそうなドッピオ…

だから端から見てみると、ディアボロの存在ってファンタジーなんですよね~!存在していたのにジョルノたち以外にはまるで初めからいなかったような不思議な人物で、どれが主人格かもわからない。アニメ版では生まれた直後に目の色が変わったりで人間かすら不明と、ジョジョでも屈指の特殊キャラではないでしょうか。

5部って本当、キリスト教ネタだらけですよねという話はこちらで…

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パッショーネにおけるディアボロの存在感

最後に謎すぎる生い立ちと関連して、パッショーネにおけるディアボロの存在感について考えてみます。さて初めてディアボロからブチャラティにメールが届いたシーンを見てみると…


荒木飛呂彦(1997年)『ジョジョの奇妙な冒険』51巻 集英社(114頁)

アバ茶を勧めてくるほど気が強い人間が目をひん剥き、ブチャラティは汗タラタラ。緊張感が漂っており、ディアボロがいかに別次元の存在と思われていたかが伺えます。

その一方でブチャラティチームの安否を気遣ったり、トリッシュの護衛ありがと!と感謝を表す丁寧な文面を送る一面も。側近にはお人好しそうなペリーコロさんがおり、ボスのおかげで実り豊かな人生だったと言い残していたので、部下には仕事に厳しくも、思いやりのある人に見えていたはず。読者も5部中盤まで、ボスがあんな人だと思ってなかったでしょ???まあ薬物は売りさばいてたけど…

あとは姿がわからないからこそのカリスマ性や神秘性もありますよね~遠隔から指示を出すことでミステリアスな存在感を演出するのはもちろん、自分の弱いところを見せずに済むので、それこそ神のように崇められている人だったのかもしれません。

でも神のように君臨していた人が、神の意味を持つDIOの子にやられるというのもなんだか皮肉というか。最期なんて犬や少女にも怯えてたしな。本当はビビリなんだもんね~!

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まとめ:ディアボロの過去は情に振り回されてきたのではないか

ディアボロの過去について考察してみました。

母親のや娘の扱いが異常で、本人の言う通り血縁が大きな問題となっていそうだったディアボロ。でもそれは血縁に関することになると、らしからぬ行動をとってしまうからなのかもしれません。予想外の出来事にはけっこうパニックになるからな、ディアボロって…

また人間のような、そうでないような生い立ちを持っており、独特な存在感を持ったキャラクターでもありました。ジョジョのボスってみんなキャラ濃い目だけど、ディアボロもけっこうなクセ強だよな~!スタンドも本体同様、お顔が2つあるし。凝ってるキャラ設定ですよね~!

5部の記事はこちらもどうぞ~!

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