ジョジョの奇妙な冒険の第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場した吉良吉影。一見普通に見えながらも、特殊な性癖で杜王町を事件に巻き込んでいきました。
そんな吉良吉影の名言は英語だと何と訳されたのでしょうか。聞き取りに挑戦してみました!
東方仗助と岸辺露伴の名言の英語訳はこちら。
戦ったとしても負けんがね
もっとも闘ったとしてもわたしは誰にも負けんがね
荒木飛呂彦(1994年)『ジョジョの奇妙な冒険』37巻 集英社(76頁)
女性の手を持ち歩いているところを見られてしまった吉良吉影が、重ちー相手に放った名言です。英語訳はこちら。
I would win the battle without question.
engage in combat=戦う、戦闘する
without question=疑いもなく
直訳は「もちろん、戦ったとしても疑いもなく勝つだろうけどね」と、ほぼ原文通りでした!
スタンドが強くて、手を持ち歩いている人に、こんなの言われたらゾッとしますよね…平穏を望んでいるのに、強気で変態なのが吉良らしいところです。
質問を質問で返すな
質問を質問で返すなあーっ!!疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?
荒木飛呂彦(1995年)『ジョジョの奇妙な冒険』44巻 集英社(59頁)
電車で出会ったカップルの彼女・美那子に名前を聞くも、質問で返されて激高した時の吉良の名言です。そう言いたくなる気持ちも分かるような気もしますが…英語訳はこちらでした。
You did learn proper etiquette while you were in school, now didn't you?
don't ever~=2度と~するな
proper etiquette=正しい礼儀作法
直訳はこのような感じになりそうです。「2度と質問に質問で答えるな!学生時代に正しい礼儀作法は学んだだろう?」
英語訳ではproper etiquetteという言葉が使われています。正しい礼儀作法という意味ではあるのですが、学校のことを尋ねているので、「道徳の授業」のようなニュアンスでも良さそうです。
うらやましいなヒマそうで
うらやましいな…ヒマそうで…………
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』46巻 集英社(72頁)
下着ドロボーだと疑われた吉良吉影が放った名言。吉良らしい煽り方のセリフですね~!英語訳はこちらです。
must be=~に違いない(絶対~じゃん!のようなニュアンス)
直訳的には「暇な時間があるなんて、良いことだな…」。英語でもしっかりと煽っています!
mustはとても便利な表現です。must beの形で、She must be beautifulで「彼女は絶対に綺麗だよ!」のように絶対~だよ!の意味で使います。
またmust doの形でもよく登場します。You must eat itで「絶対に食べるべきだよ」のように絶対~するべきだよ!の意味合いで使われます。
こちらも覚えておくと、便利です!
激しい喜びはいらない…
激しい「喜び」はいらない…そのかわり深い「絶望」もない………「植物の心」のような人生を…そんな「平穏な生活」こそわたしの目標だったのに………
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』45巻 集英社(185頁)
吉良吉影の人生観を表している名言です。
本当に心の平穏を望んでいたんですね…英語訳はこんな感じです。
I was content to live as carefree as a daisy.
More than anything, I sought to live a quiet life of peace and tranquility.
so long as=~するのであれば
dispiriting=落胆させる
content to=満足している
carefree=のんびり
tranquility=平静
少し長いですが、直訳はこのような感じでしょうか。
「いや…落胆するようなことがない限りは、ヒナギクのようにのんびりと暮らせればいいと思っていた。何よりも平和で静かに暮らしたいと思っていた。」
英語訳では「植物の心」の植物が、daisy=ヒナギクと具体的です。
なぜヒナギク?と思って調べてみたところ、ヒナギクの花言葉のひとつが「平和」。daisyが選ばれた実際の経緯は分かりませんが、花言葉まで調べてつけていたら、ちょっと凝っていますよね~!
「命」を「運」んで来ると書いて『運命』
「命」を「運」んで来ると書いて『運命』!………フフ よくぞ言ったものだ
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』45巻 集英社(205頁)
川尻早人がストレイキャットを持ってきたことにより、吉良吉影が望んだ攻撃が完成してしまったシーンでの名言。漢字の意味を使った名言ですが、英語ではこんな訳でした。
Hah, how deliciously apropos.
make up=作り上げる
apropos=ふさわしい
deliciously=心地よい
「しかし「運命」という言葉を構成する文字は「運ぶ」と「命」。なんと美味しそうな当て字だろう」と、英語版でも、ちゃんと漢字の説明をしています!これは意外でした~!
ポイントは、日本語の「「命」を「運」んで来ると書いて『運命』」は、そのままだと英語圏の人には伝わらない一文です。
そこで、「「運命」という言葉を構成する文字は「運ぶ」と「命」」と、「運命」という言葉はどの漢字を使っているのか説明されています。
漢字を使った言葉を、上手く英語で表現した名言でした!
限界だ押すね!
いいや!限界だ押すね!
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』46巻 集英社(184頁)
バイツァ・ダストを発動しようとする吉良吉影が、東方仗助達が阻止を試みようとした時に、言い返した名言でした。英語訳はこちら。
reach one's limit=限界に達する
time to=~の時間だ
直訳としては「私はお前に対して限界に達した。死ぬ時だ」のようなニュアンスです。
「限界だ」の辺りは意味合い的に同じですが、「押すね!」は使わずに、Time to die!=「死ぬ時だ!」なんですね~。こちらは日本語の「押すね!」の方がシンプルで、インパクトが大きい気がします。
まとめ:吉良吉影の名言は、英語でも面白い!
ジョジョの奇妙な冒険の第4部「ダイヤモンドは砕けない」の吉良吉影の名言をご紹介しました。
日本語通りの訳から、漢字の意味を上手く説明した訳などもあり、英語でも面白い内容でした。吉良吉影の平和主義だったり、ちょっと強気だったりする名言の数々。ぜひ英語でも楽しんでみてくださいね~!
東方仗助と岸辺露伴の名言の英語訳はこちら。
参考教材:
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure Set 4: Diamond Is Unbreakable Part 1』, Warner Bros.
津田尚克, 2021, 『Jojo's Bizarre Adventure Set 5: Diamond Is Unbreakable Part 2』, Warner Bros.