ジョジョの奇妙な冒険4部に登場した音石明。スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」を扱う、物語序盤の強敵でした。
濃ゆいキャラクターと卓越したギターテクを持ち、一流ギタリストを目指している音石明ですが、音楽的な元ネタはあるのでしょうか。元バンドマンだった頃の知識を総動員して、探ってみました!
1. 音石明の外見とギターの元ネタ
まず音石明のモデルについてです。顔の左側の模様から、見かけは大槻ケンヂで間違いないかと思います。音石は紫色のウェーブがかった長髪ですが、大槻ケンヂにもそのヘアスタイルの時期があります。
両腕の「←AC」「DC→」はロックバンド「AC/DC」が意識されている模様。そういえばAC/DCのロゴって雷みたいなマークが入っていますね~。スタンドの電気の能力を連想させるな…
そしてレッド・ホット・チリ・ペッパーのスタンド名は、バンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」由来です。
さて音石明と言えばギター!ということで、元ネタを見ていきます。これが音石明の使用ギターです。
荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』33巻 集英社(183頁)
まず外見のモデルは、恐らくヤマハのパシフィカ。音石明のギターには、ヘッド部分の〇のようなマーク、pから始まっていそうな筆記体のモデル名が入っていました。パシフィカにもヘッドに、丸いヤマハのロゴと筆記体で「pacifica」の文字が入っています。
次に注目したいのはネック部。「100年暖炉に使用された超乾燥のくるみ材」で作られているそうですが、モデルはクイーンのギタリストであるブライアン・メイの「レッドスペシャル」。こちらも100年以上暖炉に使われたマホガニー材で作られています。ブライアン・メイはお父さんと作成していますが、音石明はくるみ材を盗んできたそうです。こらぁ~~~~~っ!
そういえば音石明の明は音読みすると「メイ」。これもブライアン・メイを意識したのかもしれません。
ところで音石のギターって、初登場時はちょっと形が違うんですよね~…
荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』33巻 集英社(176頁)
フェンダーのテレキャスターっぽい。ブランド名はKINGSと書いてあるような…そんなブランドあるのかな…?この辺りは細かな設定が定まっていなかったのかもしれません。
2. 音石明の音楽的な元ネタとルーツ
次に音石明の音楽的な元ネタやルーツを探ってみます。音石明はギターの音を使って喋る場面がありました。
荒木飛呂彦(1993年)『ジョジョの奇妙な冒険』33巻 集英社(187頁)
ギターを使って究極の怒りを表現しているそうですが、このモデルはスティーヴ・ヴァイの「喋るギター」かと思われます。ギターが喋っているかのように演奏する技術なのですが、こんな感じです。
喋るというか、テルミンっぽいというか…その点、音石は「テメエノ オフクロモ コロシテヤル」とはっきりギターで表現できている辺り、すごいです。
音石明のテーマ曲の元ネタ
そんな音石明ですが、アニメで実際に演奏していたのがこちらの曲。サントラには「エレキなギタリスト」の名前で収録されています。
色々なオマージュが詰まっている曲なので、簡単にまとめてみました。
1:34 アームが使用され、雰囲気がジェフ・ベックっぽくも、スティーヴ・ヴァイの喋るギターっぽくもある
3:05~ もろヴァン・ヘイレンのEruption。3:17~のライトハンド奏法も超オマージュ!!!
他にも元ネタを見つけられそうですが…とにかくヴァン・ヘイレンやジェフ・ベックなど、音石明が好きだと明言しているギタリストへのオマージュが詰まっている曲でした!
サントラ分析はよろしければこちらもどうぞ~!ジョジョのサントラは分析すると超面白いです。
アニメオリジナルシーンの音石明のピック
そしてアニメオリジナルシーンとして、音石明が使っていたピックのカットが入りました。
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない :レッド・ホット・チリ・ペッパー その2. TOKYO MX, 2016-06-18.(テレビ番組)
「A.O」は音石明のイニシャルっぽいですね。横の羽みたいなやつは何だろう…エアロスミスのロゴ意識なんだろうか…
で、「ONE WAY TICKET(片道切符の意味)」って何だろうな~って思ってたんですけど、Eruptionというグループにこのタイトルの曲があるんですよね。そういえば先程登場したヴァン・ヘイレンの曲名もEruption。実はEruption繋がりという遊び心だったりして…
3. 音石明の元ネタとジョジョの繋がり
最後に音石明の元ネタ関係と、ジョジョの繋がりも見ていきます。
まずライト・ハンド奏法がオマージュされていたヴァン・ヘイレンには「ダイヴァー・ダウン」という曲があります。6部のスタンド「ダイバー・ダウン」の元ネタですね~!
そしてヴァン・ヘイレンは、マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」でギターソロを担当しました。「今夜はビート・イット」と言えば、3部で承太郎が本物のジョセフか確認するための質問で登場した曲です。
荒木飛呂彦(1992年)『ジョジョの奇妙な冒険』28巻 集英社(296頁)
そしてこの曲でバッキングギターを弾いたのが、TOTOのスティーヴ・ルカサー。7部のポール・ルカサーの名前の元ネタであろう人物です。ちなみに7部のジョージー・ポージーも、TOTOの曲名「Georgy Porgy」由来。
で、マイケル・ジャクソンから連想されるのは、3部でアヴドゥルが飼っていた鶏の名前です。
荒木飛呂彦(1990年)『ジョジョの奇妙な冒険』19巻 集英社(54頁)
プリンス、ライオネルもそれぞれ歌手のプリンス、ライオネル・リッチーから由来している訳ですが…
そんなことより何この服装。素足丸出し…アヴドゥル遊んでるでしょ!
マジシャンズレッドの使い手が、食用鶏を育てているのもなんだかシュールだし…
アヴドゥルのことはさておき、音石明が憧れているギタリストにも注目!ジェフ・ベックやジミー・ヘンドリックスと、どちらも凄腕ギタリストな訳ですが、ジェフ・ベックは2部に登場したジェフ・バックの元ネタです。ジミー・ヘンドリックスは代表曲の「パープルヘイズ」が5部のフーゴのスタンド名として採用されています。
などなど…挙げ始めるとキリがないくらい、ロック関係のジョジョネタは永遠に出てきます…
まとめ:音石明の元ネタはロックまみれだった!
音石明の元ネタを探ってみました。
外見やギターのエピソードから、サントラに使用されたテーマ曲まで、あらゆるところにロックのネタが散りばめられていた音石明。音楽好きにはたまらない要素が詰まったキャラクターでした!
4部の記事はこちらもどうぞ~!