ジョジョの奇妙な冒険5部に登場したポルポ。ジョルノに入団試験を与えたパッショーネの人物でした。
ジョルノはライターを使った試験でしたが、この試験はどのような目的や手順で行われていたのでしょうか。考察してみました。
1. ポルポの入団試験の目的
まずはポルポによる入団試験の目的についてです。さてポルポは「面接試験」としてジョルノと話す中で、人が人を選ぶ際に最も大事なことは「信頼」だと述べていました。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(72頁)
シーシーしながら面接するとか、信頼できない人すぎる。ジョルノ、ちょっとガンつけてるやんけ…
「信頼>頭の良さ、能力」とのことで、パッショーネ入団には戦闘能力、スタンド能力、頭脳などの才能よりも、信頼を勝ち取ることが重要な様子。そして入団試験では、ジョルノの信頼を見たいと話していました。
でもジョルノが合格した後にはこんな本音も…
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』49巻 集英社(21頁)
どうやら都合よく利用できる団員の数を増やすことが真の目的のようです。とはいえ組織として利用するためには、信用できない人はいらないよね~という意味で、やっぱり信頼度は見ておきたいはず。つまり入団試験はポルポの出した条件をクリアしようとする態度や行動から、組織への忠実さを見せてもらうためのテストといえるのではないでしょうか。
ジョルノへのテストから考えるポルポの入団試験の手順
次にジョルノへのテストから、ポルポの入団試験の手順について考えてみます。先程のコマでポルポはジョルノについて「まじめに24時間炎を守ったのか?再点火して『スタンド使い』になったのか?」と述べていました。つまり24時間炎を灯し続けて合格するか、ブラック・サバスの矢でスタンド使いとなって合格するという流れのようです。
前者は命令通り一生懸命炎を守ったので、信頼できる人間=合格と判断されるのではないでしょうか。一方後者の場合は、再点火というルール違反(=信頼できない行為)を犯すとブラック・サバスが出現し、再点火を見た者を矢で貫いてスタンド使いの適性をテストするようです。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(119頁)
このお爺さんはスタンド使いの素質がなく死亡しましたが、もしお爺さんが受験者であれば組織に使える人間ではなかったと判断され、死をもって不合格ということになるんでしょうね~…そしてスタンド使いになれれば、行動は信頼に欠けるが能力的には使える人間として、合格に近づけるのではないでしょうか。
ただもしスタンド使いになれたとしても、そこでブラック・サバスの攻撃が終わるとは限りません。発現したスタンドを使ってブラック・サバスを倒した上で、ポルポの元に戻らないと合格を勝ち取れない可能性もありそうですよね~!戦闘力のないスタンド使いは、パッショーネ的にいらない人材だし…
ということで、ポルポの命令を遂行できた人間は信頼に値するので合格、ルール違反をすると信頼に欠ける人間ではあるものの、スタンド使いとして活躍できる可能性はあるため、ブラック・サバスが矢で射貫いて適性を見られるというテスト内容なのではないでしょうか。
でもジョルノはパッショーネの入団試験だけじゃなくて、アバ茶とかいうチームへの加入試験(?)もあったからな。ギャングへの道は厳しい…
ポルポが入団試験で渡したライターもスタンドという可能性
次にポルポのライターに注目してみます。さて炎が灯ったライターは合格に必要なアイテムであり、再点火することでブラック・サバスを出現させるスイッチのような役割も果たしていました。だからこのライターだってスタンド能力の一部という可能性も考えられます。
そもそも組織に忠実な駒となれるかをテストされているのだから、ただパンに挟んで炎を見張れば終わり!というだけでいいのか?という気もするしな~…もしライターもスタンドだとすれば、試験中は必ず炎を消すよう邪魔を引き寄せる能力が備わっており、掃除のお爺さんや康一くんの出現などを引き起こしていたとかね。その邪魔からも守り切れてこそ、信頼できる人物として認められるのかもしれません。
しかも見てよ、このライター。そこら辺に売ってる既製品ではなく、工芸品のような細工がされています。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(109頁)
ライター上部の「POL」はポルポの服にも見られたデザイン。名前の一部ですね~!それかポルナレフね。ポルポルくん仲間やん!
ポルポ仕様のところを見るに、やっぱり普通のライターではない可能性もありそうなところ。本当にライターまでもスタンド能力ならば、試験内容は全てライターを使ったものだったのかもしれないですよね~!ジョルノは「炎を24時間消さずに持ってくる」が条件でしたが、「炎をつけないこと」「ライターを落さないこと」など色々なパターンがあったりして…
2. 他のパッショーネの団員が受けたポルポの入団試験の内容
「スタンド使いになろうがなるまいがどちらでもいい」と考えていたポルポですが、ブラック・サバスを発現させずに合格した団員はいるのでしょうか。ここでは他のパッショーネの団員の入団試験の内容を考えてみます。
まずブチャラティを見てみると…入団試験前のジョルノに「いつ能力を身につけた?」「他にも能力者はいるのか?」と聞かれてこう返していました。
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(53頁)
「行けばわかる」という台詞から、ブチャラティは入団試験を通じてスタンド使いになったことが伺えます。しかも「その話は追々」「色々な人がいるから…」といった曖昧な答え方ではなかったので、チームのメンバーも入団試験でスタンド使いになったっぽいですよね~!
じゃあスタンド使いにならずに合格した人っているんか?と気になるところですが…これね~~~ペリーコロさんがそうじゃないかな~!ボスのために命を捧げるくらいだから、組織としては信頼に値する人だし。意外とパッショーネの中には、スタンド使いではない真面目な人もそれなりにいたりして…
ボスに尽くし続けたペリーコロさんの話はこちらでも触れています~
3. ジョルノがポルポの入団試験でレクイエム化しなかった理由
最後に入団試験の最中に矢に触れたジョルノのゴールド・エクスペリエンスがレクイエム化しなかった理由についてです。試験の段階でどこまでレクイエム化の設定が固められていたかは不明ですが、ここでは終盤でのレクイエム化の様子から考えてみます。
さて「矢は矢を支配できる資格のある者を選ぶ」という台詞があったように、ディアボロ戦では矢がレクイエム化する者を選んでいる描写がありました。
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』63巻 集英社(34頁)
矢は貫けないし、手にささくれも出来ちゃうディアボロ先生。ハンドクリーム塗っとく?
矢にも資格ある者を選ぶ意志があるとすれば、序盤のジョルノはまだレクイエム化に向いている者ではなかった、と判断されたのかもしれません。
で、レクイエム化に向いている人間って何よ~?と考えた時に思い出すのがポルナレフです。
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』62巻 集英社(53頁)
ディアボロを追いかける強い意志を持っていたポルナレフはレクイエム化できる資格のある者でしたが、戦闘者としてコントロールする体力的な力がないために矢を他人に託そうとしていました。つまり矢に選ばれるためには精神的な強さが必要ということのようです。
でも序盤のジョルノが精神的に成熟しておらず、終盤にかけて成長したか、といわれると微妙ですよね~…なんせ強面のアバ茶パイセンの前でも「このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!」とか言えるくらいにはタフだからな~!徐倫のように明確な成長の描写がある人物ではないし…
あえて挙げるとすれば、ブチャラティの死亡により、ギャングのトップとして生きる決意をあらためて持ったとかね。仲間のために犠牲となり、昇天していくブチャラティを見るシーンの顔見てよ…
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』63巻 集英社(45頁)
ブチャラティの行動への驚き、逝ってしまうことへの悲しみや憂いなどが表れた、何ともいえない顔ですよね~…このチームリーダーのブチャラティとの別れこそ、部下だったジョルノがギャングとしてトップに立つことを強く自覚した瞬間であり、ひとつの成長といえるのかもしれません。
あとは矢を取りたい!という気持ちがレクイエム化に大事とかね。これなら入団試験でジョルノがレクイエム化しなかったことはもちろん、家具の裏に落ちた矢を取りたいと思ったポルナレフがレクイエム化したことも一応説明がつきます。意志の強さがジョルノたちとは段違いだけど…
いずれにせよジョルノが矢に触れてもレクイエム化しなかったのが精神面による理由とすれば、ギャングのトップに立つという決意の強さや、矢を手にしたいという意志が足りなかったことが考えられそうです。
ブラック・サバスが既にレクイエム化していた説
もうひとつ挙げられるのが、ブラック・サバスが既にレクイエム化していたという説です。これは結構ファンの中でも囁かれていますよね~!まずはゴールド・エクスペリエンスがレクイエム化する時の描写に注目してみます。
荒木飛呂彦(1999年)『ジョジョの奇妙な冒険』63巻 集英社(70頁)
右腕から矢が吸収されるように取り込まれるのが特徴的でした。シルバー・チャリオッツ・レクイエムも首元に矢の形が表れており、レクイエム化すると何らかの形で矢がスタンド体内に取り込まれたような描写があるようです。
そしてブラック・サバスが矢を出す描写を見てみると…
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』48巻 集英社(53頁)
カードダスみたいな出し方するな。しかもよだれ(?)つき。
口から矢が出現していることから、体内に取り込んでいたっぽいんですよね~!そしてディアボロ戦で矢の取り合いをしていたように、レクイエム化できるのは1つの矢につき1体が基本の模様。つまりポルポ所有の矢はブラック・サバスに使っていたためにジョルノはレクイエム化の影響を受けなかったのかもしれません。もしジョルノが矢を完全に奪ってスタンドに刺していれば、レクイエム化できたりして…
他にもポルナレフが持っていた矢だけがレクイエム化できた、など色々な条件が考えられそうなところ。レクイエム化は謎も多いので断定しづらいところではありますが、ブラック・サバスのレクイエム化もひとつの仮説としては考えられそうです。
まとめ:ポルポの入団試験はライターや矢とスタンドとの関係に秘密があるのかも
ポルポによる入団試験について考察してみました。
スタンド使いになろうがなるまいが、パッショーネにとって使える人材なら合格できそうだったこの試験。でもただ炎を守ればオッケ~というシンプルな話ではなさそうですよね~!ライターもなんか怪しいしな~!
でもジョルノが能力者と思っていなかったポルポは、監獄の外であんなスタンドバトルが起きていたなんて思わなかっただろうな~!しかも康一くんとかいう部外者も参加してたし…もしそれを知ったら合否はどうなるんでしょうね…う~~~~ん…
5部の話はこんなのもあります~