ジョジョの奇妙な冒険7部ことスティール・ボール・ラン(以下SBR)。6部以前の世界線は違った舞台の物語でした。
7部以降は6部以前のオマージュのような描写が見られますが、今回はSBRの転生キャラクターや設定をまとめてみました。
※息をするように7部のネタバレがあります。
8部の転生はこちら
- ジョニィ・ジョースターの転生
- ジャイロ・ツェペリの転生
- ディエゴ・ブランドーとDIO
- ルーシー・スティールとエリナ・ペンドルトン
- スティーブン・スティールとアバッキオ
- ヴァレンタイン大統領の転生
- 道端に座っている占い師とエンヤ婆
- ウルムド・アブドゥルとモハメド・アヴドゥル
- ミセス・ロビンスンとドノヴァン
- ブンブーン一家の転生
- マウンテン・ティムの転生
- F・V・シュトロハイムとルドル・フォン・シュトロハイム
- ポーク・パイ・ハット小僧とペッシ
- ブラックモアのキャッチ・ザ・レインボーとサーレーのクラフト・ワーク
- サンドマンのイン・ア・サイレント・ウェイと広瀬康一のエコーズ、イギーのザ・フール
- シュガー・マウンテン回で登場した農夫と岸辺露伴
- マジェント・マジェントの最期とカーズ、アヌビス神
- アクセル・ROのシビル・ウォーと「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の黒い絵
- ホット・パンツとディエゴのキスシーンと、DIOとエリナのキスシーン
- その他レースの参加者
- まとめ:SBRの転生キャラクターや設定がたくさんある!?
ジョニィ・ジョースターの転生
まずは主人公のジョニィについてです。ジョニィの本名はジョナサン・ジョースターと、1部のジョナサンと同姓同名でした。ただ性格的には黄金の精神ではなく、漆黒の意思の持ち主であり、過去には騎手として出世し始めたことで天狗になっていたことも…さらに兄弟の有無や、父親を愛したジョナサンに対し、ジョニィは複雑な感情を抱くなど、家族関係でも違いが見えます。
ジョニィと父ちゃんの話はこちらで…
またペットの名前は両部とも「ダニー」でしたが、ジョナサンのダニーは犬、ジョニィは白いネズミに。犬はディオに殺されてしまいますが、ネズミは森に放たれた後で何度も似た姿のネズミがジョニィの元に現れるなど、別れ方にも違いがあります。
台詞的には承太郎のオマージュらしきものも…
荒木飛呂彦(2005年)『STEEL BALL RUN』5巻 集英社
DIO戦での承太郎の「ここは満員だ…逃げることは…できねーぜ…」っぽいですよね~!他にも服装には旧世界線のジョースター家のシンボルの星模様など、ジョナサンを中心にジョースター家と類似点のあるジョニィなのでした。
8部で明かされた設定はこちらにまとめています
ジョニィのスタンド能力「タスク」
そしてジョニィのスタンドであるタスクも見てみると…Act1から4まで進化していく様は広瀬康一のエコーズ、泣き声の「チュミミ~ン」はエンプレスと似ています。虫刺されフェチのジョニィのエコーズが、虫刺されのように皮膚に発現するスタンドと同じ泣き声なんて、荒木先生狙っていたのでは…?
また承太郎や徐倫と同じくスタンドの掛け声は「オラオラ」。スタンドにもジョースター家らしさのあるジョニィなのでした。
ジャイロ・ツェペリの転生
続いてジャイロ・ツェペリについてです。ジャイロの本名はユリウス・カエサル・ツェペリで、カエサルは英語読みでシーザーと2部のシーザーと共通点のある設定でした。また兄であることや主人公のバディ的ポジション、ジョースター家に技術を教えるという点も2部シーザーと似ています。
そして台詞も見てみると…ジャイロには馬糞を舐めるシーンがありました。
荒木飛呂彦(2009年)『STEEL BALL RUN』17巻 集英社
ジャイロといえばレラレラですが、こちらで登場したレロレロで思い出すのが花京院、そして人が舐めないようなものを舐めるというのは岸辺露伴っぽさもあります。あとポルナレフもう○こついた便器舐めてたな。
他には「もらえるものは病気以外ならなんでもイタダくぜ」と億泰そっくりの台詞や、「ニョホホ」という花京院の「ノホホ」そっくりの笑い声、承太郎たちと同じ「オラオラ」の掛け声も見られるジャイロ。最期のシーンはブチャラティっぽいんですよね~!
荒木飛呂彦(2011年)『STEEL BALL RUN』23巻 集英社
昇天していく様子はもちろん、台詞的にもブチャラティの「これでいい気にするな」「みんなによろしくと言っておいてくれ」と近いのではないでしょうか。
鉄球についての類似点
ジャイロの使う鉄球もシーザーとの共通点がありました。例えばディ・ス・コ戦では、自分の攻撃についてこう説明しています。
荒木飛呂彦(2009年)『STEEL BALL RUN』17巻 集英社
鉄球を用いて光線を屈折させているとのこと。シーザーがシャボンレンズで太陽光の屈折を用いていたのとそっくりですね~!
また遺体の右目により発動したスキャンの能力では、回転の振動波による透視について「まるで『波紋』だ」と発言。この辺りも2部との共通点が伺えます。
ディエゴ・ブランドーとDIO
お次はディエゴ・ブランドーについてです。見かけはもちろん通称はディオ(Dio)と、ディオ・ブランドーやDIOと共通点がありました。
荒木飛呂彦(2004年)『STEEL BALL RUN』1巻 集英社
さらに父親は母親とディエゴを大事に思っておらず母親は早世、イギリス下級階層出身ながら「イギリス競馬界の貴公子」と評されるほど成り上がっていく様子など、過去においても共通点が見られます。性格的にもDIOのように姑息な手段すら選ぶほどの上昇志向、金への執着など似ていますよね~!
平行世界から来たディエゴとの比較
そして平行世界からやってきたディエゴのスタンドは、時を止める「THE WORLD」とDIOのザ・ワールドにそっくりでした。膝のハートや肩の時計など多少の違いはあるものの、姿かたちも似ています。
またこのディエゴは、時を停止させたまま3部のようなナイフ投げを披露していました。
荒木飛呂彦(2011年)『STEEL BALL RUN』23巻 集英社
効果音は「ビタァァァッ」と3部での「ビタァッ」と酷似している他、ジョニィは承太郎と同じく全ては避けきれずダメージを食らった上に、「単純にテクニックやスピードじゃない」とポルナレフのような台詞でスタンドを評するなど、その後の展開にもオマージュが見られます。
他にもガソリンの雨を降らせてジョニィを火だるまにしようとするシーンは運命の車輪戦を、ルーシーへの罵倒「薄っぺらなたかがカスの小娘」はプッチの「このちっぽけな小僧が」など、様々な場面との共通点があるこのディエゴ。しかしかなりDIOにそっくりですよね~!掛け声は「無駄無駄」だし。
ルーシー・スティールとエリナ・ペンドルトン
次はルーシー・スティールについてです。ルーシーの旧姓はペンドルトンと、1部のエリナと同じでした。
14歳の若さながらも夫を守るために奮闘し、最後は遺体を切断するまでのガッツを見せたルーシー。そのタフさは泥水で口をすすぎ、夫の遺言を守って赤子を助けたエリナと近いところがあります。夫に関わることだと強いんですかね、ペンドルトン家は。
また主人公クラスの能力を持たない中でも敵に立ち向かう姿は、ポコや川尻早人にも近いのではないでしょうか。ただルーシーはキル数が段違いなんですよね…本当すごいよな~!
スティーブン・スティールとアバッキオ
夫のスティールさんにもちょっと気になるシーンがあったんですよね~…
荒木飛呂彦(2008年)『STEEL BALL RUN』16巻 集英社
「大切なのは救い出そうとする意志」のくだりは、アバッキオの同僚の「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だ」を彷彿とさせる台詞です。18歳で騎兵隊を除隊され途方に暮れたところは、アバッキオが高校卒業後に警官になるも汚職により堕ちていった様子にも近いのではないでしょうか。あとはなんといっても、スティールさんの髪型ね。アバッキオの帽子そっくりでは…?
また過去の恋人である花屋の娘が死亡というのは、「運命の奴隷」のスコリッピっぽさもありますよね~!けっこう5部と共通点がある人なのかもしれません。
ヴァレンタイン大統領の転生
お次はヴァレンタイン大統領です。まずはこのビールの飲み方ね!
荒木飛呂彦(2005年)『STEEL BALL RUN』6巻 集英社
業務中に飲むのはイエスッイエスッじゃなくてNO!NO!NO!なんよ…
承太郎スタイルでビールを嗜む大統領ですが、飲み方は承太郎の方が上手なようです。なんなんだあの高校生。
またスタンドのD4Cには同一の物や人が出会うことで、スポンジ状にして消滅させる能力がありました。
荒木飛呂彦(2009年)『STEEL BALL RUN』18巻 集英社
こちらはメローネのベイビィ・フェイスによる攻撃で、キューブ状にされる様子とも似ています。
さらに最期は永遠に生き埋めにされ続ける様子は、いつまでも死にたどり着けないディアボロやカーズに近いのではないでしょうか。ジョジョのラスボス、無限地獄に落ちがち。
道端に座っている占い師とエンヤ婆
お次はポコロコの運勢を占った占い師についてです。
荒木飛呂彦(2004年)『STEEL BALL RUN』1巻 集英社
小汚いとか言われている婆ちゃんですが、見た目はエンヤ婆そっくり。ピースが可愛い。エンヤ婆、この世界では誰の配下にもならずにのんびり暮らしているみたいです。
しかしこの婆ちゃんの占い、見事だったからな…5部のドッピオを占った占い師のオマージュか?ってくらい当たる。
ウルムド・アブドゥルとモハメド・アヴドゥル
次はウルムド・アブドゥルについてです。モハメド・アヴドゥルのそっくりさんで、特徴的な髪型は見られなかったものの、アンクの入ったごっついネックレスのようなピアスやエジプト出身という設定は受け継がれていました。あとはあっさり倒れてしまうところも…
荒木飛呂彦(2004年)『STEEL BALL RUN』1巻 集英社
ほら…しゃべり出すぞ…今にきっと目をあける…起きてくれ…たのむ…アブドゥルさん!
…と花京院ばりに願うも、結局そのまま退場。3部では超主要メンバーだったのに、あっさりすぎんか…?もう一回くらいどこかで出てこないかな~アヴドゥルのそっくりさん。
ミセス・ロビンスンとドノヴァン
次はミセス・ロビンスンのサボテンによる攻撃を見てみます。
荒木飛呂彦(2004年)『STEEL BALL RUN』3巻 集英社
こちらは2部のジョセフとドノヴァンのサボテンによる戦いを思い出しますよね~!そういえばミセス・ロビンスンは左目を犠牲にして虫を飼っていましたが、ドノヴァンは右目に方位磁針を埋められていましたね…サボテン、目、すぐやられると共通点がいっぱいだな~!
ブンブーン一家の転生
次はブンブーン一家についてです。スタンドのトゥーム・オブ・ザ・ブームは、鉄を操る点でマライアやリゾットとそっくり。またチームプレーで戦い、気弱な性格のメンバーが一人いるという点は、ちょっとセックス・ピストルズっぽくもあります。
そしてアンドレの特技を見てみると…
荒木飛呂彦(2004年)『STEEL BALL RUN』3巻 集英社
ジョルノと同じ耳芸を披露。これ地味にすごいよな…スタンドにも特技にもオマージュが見られるブーンブン一家でした。
マウンテン・ティムの転生
次はマウンテン・ティムについてです。外見や女性への優しい言葉はホル・ホースを思い出しますが、戦闘になるとこんな言葉遣いも…
荒木飛呂彦(2004年)『STEEL BALL RUN』4巻 集英社
こんなに煽りキャラだったんか、ワレェ…
吉良吉影やホルマジオの「質問を質問で返すな」を思い出しますよね~…ただオマージュというよりは、定期的にジョジョに登場する系統の台詞というだけの可能性もありそうです。それにしてもミスタの「質問の答えになってねぇんだよォ~このマヌケが!」など、ジョジョ界では質問にちゃんと答えないとめちゃくちゃ怒られるな。
ちなみに怒られたオエコモバは、ボクのリズムを聴いてくれのスタンド能力は爆弾と、吉良吉影との共通点があります。
F・V・シュトロハイムとルドル・フォン・シュトロハイム
次はF・V・シュトロハイムです。2部のようなやかましさはありませんでしたが、名前、見た目、ドイツ人という共通点があるルドル・フォン・シュトロハイムのそっくりさんでした。あとはこれね。
荒木飛呂彦(2005年)『STEEL BALL RUN』5巻 集英社
また改造人間やってる。やっぱりシュトロハイムはこうでないとな~!
ポーク・パイ・ハット小僧とペッシ
次はポーク・パイ・ハット小僧についてです。スタンドのワイアードは、口から2本の釣り針を出して対象を引き上げる能力でした。
荒木飛呂彦(2005年)『STEEL BALL RUN』5巻 集英社
これによく似た能力が、ペッシのビーチ・ボーイ。ペッシは釣り竿を使用して対象を引き上げますが、能力的にはかなり近いのではないでしょうか。あとちょっと抜けてるところも似てるっちゃ似てる。
ブラックモアのキャッチ・ザ・レインボーとサーレーのクラフト・ワーク
次はブラックモアのスタンド能力を見てみます。キャッチ・ザ・レインボーは、触れた雨粒を空中に固定できる能力でした。
荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』8巻 集英社
こちらはサーレーのクラフト・ワークの触れた物を固定できる能力と似ています。ちょっと下位互換っぽくはありますが、ブラックモアは本体が超キレものだからな…
サーレー戦のミスタの話もあります。
サンドマンのイン・ア・サイレント・ウェイと広瀬康一のエコーズ、イギーのザ・フール
次はサンドマンのスタンド、イン・ア・サイレント・ウェイの能力についてです。
荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』10巻 集英社
もろ康一くんだな~!音を文字にして形にする描写はエコーズACT2にそっくり!ただしエコーズACT2は音により感覚を刺激するのに対し、イン・ア・サイレント・ウェイは音により物質を破壊する違いがありました。形になった音に乗ることもできたりと、戦うにはちょっと便利な能力です。
スタンドの頭部の羽は、イギーのザ・フールのデザインと近いかな…
荒木飛呂彦(2006年)『STEEL BALL RUN』10巻 集英社
サンドマンらしくネイティブ・アメリカンの羽飾りのデザインです。またイギーとはアメリカ出身、協調性が高いというより自分の道を行くタイプの性格も似ています。
シュガー・マウンテン回で登場した農夫と岸辺露伴
次はシュガー・マウンテン回で登場した名もなき農夫についてです。妙に印象的な人物でしたが、なんせ台詞がこれだもんな~!
荒木飛呂彦(2007年)『STEEL BALL RUN』12巻 集英社
岸辺露伴の「だが断る」のパロディーですよね~!自分にとって良い条件を断るというシチュエーションも似ていました。見かけは全く露伴先生そっくりじゃないんだけどね…
マジェント・マジェントの最期とカーズ、アヌビス神
お次はマジェント・マジェントについて、最期を見てみます。
荒木飛呂彦(2007年)『STEEL BALL RUN』12巻 集英社
カーズの最期「そのうちカーズは考えるのをやめた。」そっくりの台詞で、結末も死にたくても死ねないカーズ様と同じに…川に沈んだという点では、アヌビス神とも似ています。ジョジョにたまに出てくる死にたくても死ねない人定期。
アクセル・ROのシビル・ウォーと「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の黒い絵
次はアクセル・ROについて、スタンドを見てみます。シビル・ウォーが罪の意識で相手を追い詰めるのは、小林玉美のザ・ロックに似ていました。過去が蘇って攻撃してくる点では、「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の黒い絵こと「月下」の話にも近いのではないでしょうか。犯した罪がキーという点も似てる…
荒木飛呂彦(2008年)『STEEL BALL RUN』15巻 集英社
そしてアクセル・RO戦ではジョニィが自分自身を攻撃していましたが、露伴もヘブンズ・ドアーで自らの記憶を書き換えています。この辺りもオマージュとして登場させているのかもしれません。
ホット・パンツとディエゴのキスシーンと、DIOとエリナのキスシーン
お次はホット・パンツとディエゴのキスシーンです。
荒木飛呂彦(2009年)『STEEL BALL RUN』19巻 集英社
さすがディエゴ!機転を利かせて相手を道連れにしようとするッ そこにシビれる!あこがれるゥ!
…と騒ぐ野次馬はいませんでしたが、ディエゴから仕掛けているところは1部とそっくり。ただ1部の効果音が「ズキュウウウン」だったのに対し、こちらは「ズギュウウウン」。ホット・パンツに再起不能にされかけているからなのか、より力がこもってるような音なのでした。
その他レースの参加者
最後にその他のレース参加者の名前を見てみると…
荒木飛呂彦(2005年)『STEEL BALL RUN』6巻 集英社
シゲチーとタルカス…!?まあ重ちーは金の亡者だもんな…
他にもディキシー・チキンはホルマジオのスタンド名でもあるバンドのリトル・フィートが発売したアルバム名、東方家と同じ苗字のノリスケ・ヒガシカタ、など既出のキャラクターとの関連も伺えます。こんなところにも注目してみると、面白いかも…!?
まとめ:SBRの転生キャラクターや設定がたくさんある!?
SBRの転生キャラクターや設定についてまとめてみました。
DioのTHE WORLDのようなファンサービス的な設定から、「でも断る」のようなモブキャラまで…かなり色々な設定があったように思います。荒木先生の遊び心が感じられますよね~!
ここでは挙げていませんが8部にまで繋がる設定もあり、意外と奥深い転生キャラクターたち。こんなところもジョジョの新世界線の面白さではないでしょうか。
元ネタ系の話はこちらもどうぞ~!