ジョジョの奇妙な冒険8部ことジョジョリオン。杜王町が舞台であり、4部とはまた違う世界線での物語でした。
7部以降は6部以前のオマージュのような描写が見られますが、今回はジョジョリオンの転生キャラクターや設定をまとめてみました。
※以下、8部のネタバレしかないです。
- 東方定助の転生
- 広瀬康穂と広瀬康一、虹村億泰
- 豆銑礼と鋼田一豊大、徐倫のストーン・フリー、花京院のハイエロファントグリーン
- 東方憲助と噴上裕也のハイウェイ・スター
- 東方常敏と噴上裕也、DIO、空条承太郎など
- 東方鳩とディオ
- 東方常秀とブチャラティのスティッキィ・フィンガーズ、空条承太郎のタグ・ホイヤーなど
- 東方大弥とンドゥール、プッチのホワイトスネイク、小林玉美のザ・ロックなど
- 東方花都とストーンオーシャン、宮本輝之輔のエニグマなど
- 東方密葉と広瀬康一のエコーズACT3
- 虹村京と虹村形兆・億泰、空条承太郎など
- ジョニィ・ジョースターとジョナサン・ジョースター
- 吉良・ホリー・ジョースターの転生
- 笹目桜二郎とポルポ、イルーゾォ戦
- 作並カレラと山岸由花子
- 岩人間と柱の男(闇の種族)
- 八木山夜露とブチャラティ
- 大年寺山愛唱とナランチャのエアロスミス、ワムウの神砂嵐
- エイ・フェックス兄弟とソリョラ・ロペスのジョイ・ディヴィジョン、フーゴのパープル・ヘイズ
- 田最環とトリッシュのスパイス・ガール、ポルポのブラックサバス
- ドロミテとスポーツ・マックスのリンプ・ビズキット、エンヤ婆の正義
- アーバン・ゲリラとドレミファソラティ・ドと、チョコラータとセッコ
- プアー・トムとマニッシュ・ボーイ、ラング・ラングラーのジャンピン・ジャック・フラッシュ
- 羽伴毅とチョコラータ、アンジェロのアクア・ネックレス
- 透龍とオブラディ・オブラダの転生
- カツアゲロードと振り返ってはいけない小道
- 東方邸近くの木の落書きとジョナサンが名前を彫った木
- まとめ:ジョジョリオンでは明確な転生から、荒木先生の遊び心が感じられる描写まであるのでは
東方定助の転生
まずは主人公の東方定助ですが、名前から浮かぶのは4部の東方仗助。背中には星形のアザがあり、ジョースター家の血筋も伺えますね~!
スタンドのソフト&ウェットの能力のシャボン玉はシーザーを、ラッシュ時の掛け声の「オラオラ」は承太郎らを思い出します。基本スタンドからさらに発現したソフト&ウェット・ゴー・ビヨンドは、立ち位置的にはスタープラチナ・ザ・ワールドやゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに近そうです。細い線が爆発的な回転でゼロになる原理は、スタープラチナが超高速で動くことで時を止めたことにも似ています。また通過する軌道上のものを消し去るところは、ヴァニラ・アイスのクリームに近い能力と言えるのではないでしょうか。
台詞面で印象的だったのは、ゴマ蜜だんごのシーン。
荒木飛呂彦(2011年)『ジョジョリオン』1巻 集英社
「ンマイなぁあぁぁぁーッ」と大絶賛。億泰の「ゥンまああ〜いっ」のパロディーっぽいですよね~!また6部以前からの転生ではありませんが、ベッドマットの下で寝るなど圧迫されるのを好む様子は、スカーレットの圧迫祭りを思い出します。
吉良吉影の転生
そして定助の正体だった一人が、吉良吉影です。4部の吉良と同姓同名で、部屋にはモナリザの絵を飾り、切った爪の瓶を保管していた点がパロディっぽい人物でした。4部吉良は手という特殊な性癖を持っていましたが、8部では吉良自身の手が美しく、女性を拘束した写真が何枚も見つかっているところも近そうですよね…胸元には仗助がつけていた錨のような飾りをつけています。
また定助には目測で距離や全長を正確に測る特技がありましたが、4部吉良も同じようなことをやっていましたね~!
荒木飛呂彦(1996年)『ジョジョの奇妙な冒険』47巻 集英社(49頁)
多分このオマージュなんだろうな…笹目桜二郎に「サーファーは陸の男なのか?海の男なのか?」と詰め寄ったり、「曖昧なのは男じゃあない」と発言するなど白黒はっきりさせたがるところはギアッチョっぽくもあります。ギアッチョならもっとキレてそうだけど。
スタンドはキラークイーンで、姿かたちは4部のキラークイーン、ラッシュ時の掛け声は「WRYYYYYEEEEAッ!!」とDIO似でした。シアーハートアタックも健在で、8部では自分の意志で動かせる上に、複数出現させることができます。すげ~~~…
父親の名前は吉輝と4部吉良の父である吉廣に、母親は吉良・ホリー・ジョースターと承太郎の母ホリィに近そうです。家系図では祖父はジョセフ、そのまた祖父はジョニィ(ジョナサン)にたどり着く点も、承太郎と似ているのではないでしょうか。
空条仗世文の転生
もうひとりの正体だったのが空条仗世文。名前はジョセフ似で、漢字には仗助の1文字が使われています。携帯電話には「JOSEPHMI」と書かれており、スペルもジョセフと共通点がありました。胸元にはハートとピースマークのような飾りをつけており、髪型はリーゼントと、外見は仗助に似ていそうです。
家族関係では父は貞文、母は聖美と、承太郎の父の貞夫、母はあだ名が聖子のホリィだったことを彷彿とさせます。ラッシュ時の掛け声もオラオラと承太郎に近いので、ジョセフ、承太郎、仗助をミックスさせたキャラ設定といったところでしょうか。
またラヂオ・ガガ事件では名前の由来となった人物は文くんで、仗世文と書いてジョセフと読むことも判明しました。ルーシーを救うことになった文くんですが、その時の攻撃見て…
荒木飛呂彦(2021年)『ジョジョリオン』27巻 集英社
クラッカーヴォレイ、ポイしちゃう。荒木先生の読者サービスだ!
クラッカーヴォレイは使われませんでしたが、ハーミットパープルのような茨を出して戦っていました。ラッシュ時の掛け声は「ウリャアアアアーッ」でしたが、「オラァ」と承太郎っぽさを感じさせる一言も。
その後はスージーQと結婚、ホリーを授かる点や、星のアザがあるところもジョセフと同じでした。カジノホテルに就職したところも、ジョセフのギャンブラーな気質に似ていますよね~!だから転生としては、文くんがジョセフ、仗世文は仗助らに近いイメージの気がします。
広瀬康穂と広瀬康一、虹村億泰
8部のヒロインこと広瀬康穂ちゃんは広瀬康一と一文字違いの女性です。1巻では「やれやれだわ」と徐倫を彷彿とさせる台詞も見られました。豆銑礼のロマノフを食した時には…
荒木飛呂彦(2017年)『ジョジョリオン』16巻 集英社
顔も台詞もプリン食べた時の億泰やん。横で泣いてる定助もシュール…
あとはカラー版コミックスでは髪がピンク色、シングルマザーの家庭、音声案内ではありますが喋るスタンドといったところは、トリッシュに近いものがありますよね~たまたまだとは思うけど…
豆銑礼と鋼田一豊大、徐倫のストーン・フリー、花京院のハイエロファントグリーン
お次は豆銑礼です。スキーリフトの上で暮らしており、鉄塔暮らしをしていた鋼田一豊大のような生活スタイルでした。
スタンドのドギー・スタイルは体をワイヤー状に解き、伸ばすほどに体が欠けていく能力で、徐倫のストーン・フリーに似ています。体を解いて紐のように使っていた、花京院のハイエロファントグリーンとも近そうですね~!6部以前の転生ではありませんが、外見はジョディオのノーヴェンバー・レインっぽいかな~…
他にも留置所で同部屋の男性の自傷行為に対して「良しッ!(グッド)」と、ダービー兄弟やミラションを思い出す台詞もありました。お菓子作りの腕前が一流なところは料理人のトニオさんと近そうだったりと、意外と色々な共通点がありそうな豆銑さんなのでした。
東方憲助と噴上裕也のハイウェイ・スター
東方家の大黒柱こと東方憲助は、あまり転生設定が色濃く表れた人物ではなさそうですよね~…ただちょっと気になるのがスタンドのキング・ナッシング。匂いを追跡したり、可視化できる能力でした。匂いを嗅ぐといえば噴上裕也の特技であり、匂いを追跡できるハイウェイ・スターの能力に近いのではないでしょうか。
東方常敏と噴上裕也、DIO、空条承太郎など
次は東方家の長男の常敏です。クワガタが大好きで定助とも対戦していましたが、勝負に勝利した時には「お前の目玉を舐めさせろレロレロ」と、花京院のあの擬音を使っていました。兄弟揃って似てるな…
スタンドはスピード・キング。噴上裕也の胸元のリボンには「SPEED★KING」と書かれており、親子揃って噴上との共通点が伺えました。加熱させる能力から連想できそうなのは、リキエルがスカイ・ハイで熱を奪っていたシーン。効果は逆だけど…
ラッシュ時の掛け声「SPEEEEEEYIYYYYYー」と「メラァリャリャアアアア」と、DIOの「WRYYY」、承太郎たちの「オラオラ」とも似ていましたね~!悪役と主人公サイドの中間のような人物ってことなのだろうか…
東方鳩とディオ
お次は東方家の長女の鳩ちゃん。見かけはアバッキオに似た雰囲気の女性です。スタンドのウォーキング・ハートは踵を硬質化させて伸ばしながら攻撃する能力。転生という訳ではなさそうですが、スタープラチナの流星指刺が近いかな~
能力発動中の鳩ちゃんは、踵で壁を突き刺しながら垂直に歩いていました。
荒木飛呂彦(2016年)『ジョジョリオン』14巻 集英社
これ、1部でディオもやっていましたね~!
荒木飛呂彦(1988年)『ジョジョの奇妙な冒険』2巻 集英社(138頁)
壁に足ごと突き刺していくスタイル。
鳩ちゃんより豪快に壁を上っていくディオ。こんなことをスタンドなしで平然とやってのけるなんて…さすがディオ!そこにシビれる! あこがれるゥ!
東方常秀とブチャラティのスティッキィ・フィンガーズ、空条承太郎のタグ・ホイヤーなど
8部の中でもキャラの濃ゆ~い次男の東方常秀。康穂に熱狂的な愛を寄せ、「康穂にはキスを許されている」なんて話していましたね…されてないだろ。
荒木飛呂彦(2013年)『ジョジョリオン』4巻 集英社
レロレロといえば花京院がチェリーを食べる時の擬音ですが、常秀は康穂の話になると披露しています。どっちも変わったやつだな。
スタンドはナット・キング・コール。物体を接続、分解する能力で、ブチャラティのスティッキィ・フィンガーズに近いのではないでしょうか。本体もおかっぱだし…
またミラグロマン戦では腕時計を買おうとするシーンがありました。
荒木飛呂彦(2016年)『ジョジョリオン』14巻 集英社
これ、承太郎が使用していた腕時計のデザインに近いですね~!多分タグホイヤーのアクアレーサーがモデルだろうな~!
荒木飛呂彦(1998年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』17巻 集英社(98頁)
常秀は50万円で買おうとしていましたが、そんなブランドの時計を高校生の時からしている承太郎って…そりゃ~~~生意気って言われるよな~!この金持ちめ~~~!!!!
東方大弥とンドゥール、プッチのホワイトスネイク、小林玉美のザ・ロックなど
東方家の次女は大弥ちゃん。弱視という点はンドゥールやジョンガリ・Aと近い人物です。ンドゥールは音の探知能力が優れていましたが、大弥は物体の位置に関する記憶力がグンバツでしたね~!
大弥ちゃんは定助に一目ぼれしたらしく、ベッドの上で誘惑するなど大胆な行動をとっていました。ただ定助が康穂に助けを求めていたことがわかると「消えちまえぇぇえーッ」と由花子ちゃんばりにブチギレ。定助のために献身的に尽くすのも由花子ちゃんっぽいですよね…
スタンドはカリフォルニア・キング・ベッドちゃん。記憶を奪い、返すこともできるという点でプッチのホワイトスネイク、罪悪感を利用するところは小林玉美のザ・ロックと似ています。
東方花都とストーンオーシャン、宮本輝之輔のエニグマなど
次は東方家の母親で出所してきた花都さん。刑務所で着用していた衣服の文字を見てみると…
荒木飛呂彦(2016年)『ジョジョリオン』14巻 集英社
STONE OCEANらしき文字が書かれており、刑務所が舞台の6部を想起させます。
スタンドのスペース・トラッキングはカードとカードの間に物を挟んで隠すことができる能力。挟む、隠すという点では、宮本輝之輔のエニグマ、7部以降ではヴァレンタイン大統領のD4Cに近いのではないでしょうか。
東方密葉と広瀬康一のエコーズACT3
次は常敏の奥さんこと東方密葉です。学生時代はミスさくらんぼだったと自慢しながら「レロ♡」なんて言っていました。どんだけ花京院いるんだ…
明確な転生設定でキャラクターではなさそうな密葉さん。スタンドはアウェイキング・Ⅲリーブスで矢印を使い、その方向に力を移動させる能力でした。重力をも操れましたが、その点では広瀬康一のエコーズACT3に近いかな~…
虹村京と虹村形兆・億泰、空条承太郎など
虹村京の虹村で思い出すのが形兆・億泰兄弟。2人とも数の単位に関する名前がつけられており、億、兆の次に大きいのが京になります。兄が吉良吉影なので、偽名の可能性もあるけど…
星柄の服装、学帽を被っており、ホリーの娘という点は、承太郎にも近い設定です。クールでポーカーフェイスなところも似てるっちゃ似てる。
スタンドのボーン・ディス・ウェイの周囲を凍結させてしまう能力は、ペット・ショップのホルス神を彷彿とさせるところ。転生ではありませんが、閉じたものが開くと出現するというところは、ヴァレンタイン大統領にも近いのではないでしょうか。
スタンドのヘルメットには、キラークイーンにも似た顔飾りがついていました。
荒木飛呂彦(2012年)『ジョジョリオン』3巻 集英社
兄のスタンドと同じく4部のキラークイーンとほぼ同じデザインです。吉良吉影との兄弟っぽさが感じられますね~!
ジョニィ・ジョースターとジョナサン・ジョースター
7部の主人公だったジョニィは、1部主人公のジョナサンと同姓同名の人物でした。8部では日本人の理那と結婚したり、聖なる遺体を掘り起こしたりなどとんでもない事実が明らかに…!
で、家系図を見てみると…
荒木飛呂彦(2012年)『ジョジョリオン』3巻 集英社
ジョニィの息子はジョージ・ジョースター三世と、ジョナサンの息子ジョージ・ジョースター二世そっくりの名前です。結婚相手にはエリザベスと、リサリサの本名と同じ名前が書かれています。孫夫婦の名前は先程登場した文くんことジョセフとスージーQで、ひ孫はホリー。旧世界線のジョセフ一家に似た名前のようです。
また死に方を見てみると…ジョナサンは首を切断され、首より下がDIOのものとなりましたが、ジョニィは岩で首より上が潰れています。どっちも悲惨だ…
7部のジョニィの転生の話はこちらで…
吉良・ホリー・ジョースターの転生
次はホリーさんについてです。吉良吉影、ホリィ、ジョースター家と名前のそれぞれに旧世界線との類似点がありました。主人公の母親が病に侵されるところも、ホリィと似ているのではないでしょうか。
物語後編では忘れっぽくなったからという理由で体中にメモをとっていたホリーさん。こちらは徐倫がジェイル・ハウス・ロック対策として、メモ魔になっていたシーンを思い出します。
荒木飛呂彦(2002年)『ジョジョの奇妙な冒険 第6部ストーンオーシャン』11巻 集英社(153頁)
笹目桜二郎とポルポ、イルーゾォ戦
次は笹目桜二郎についてです。吉良に「サーファーは陸の人間の人間なのか?海の人間なのか?」と散々なじられた挙句、自分の指を食べてしまうところは、ポルポを思い出します。
定助戦ではヘビの解毒剤を持っていましたが、ヘビと解毒で思い出すのがイルーゾォ戦。ジョルノはフーゴのパープル・ヘイズ対策としてワクチンを使っていました。正確にはワクチンではなく血清であり、アニメ版でも変更が加えられていましたが、ジョジョリオンでは血清で表記されています。
作並カレラと山岸由花子
作並カレラのスタンドはラブラブデラックスと、山岸由花子のラブ・デラックスそっくりの名前。他人が触れた場所にその人の髪の毛を生やすと、髪の毛に関する能力であることも同じです。ただラブデラックスが本体と一体化しているのに対し、ラブラブデラックスは本体とは別に人型のスタンドが現れていました。
由花子ちゃんと同様に強い恋心を持ち、ストーカーのような行動をしていたのも印象的。でもスタンドを使って焼き鳥に髪の毛が入っているといちゃもんをつけ、金をせがみ、他人のカードの暗証番号を盗み、歩き方はフラフラ…と由花子ちゃんよりもだらしなさそうですよね~…
由花子ちゃんに負けず劣らずの強烈なインパクトを残した作並カレラ。もっと登場して欲しかったな~!
岩人間と柱の男(闇の種族)
次は岩人間について、柱の男(闇の種族)と比較してみます。まず共通点で挙がるのが長期の睡眠をとること。柱の男は二千年周期、岩人間は睡眠の時期が突然訪れ、30~90日眠り続けます。
ただ他には似ているようで、真逆な点が多いんですよね~…例えば柱の男は太陽光を浴びると活動停止してしまうのに対し、岩人間は太陽の下でも生活できます。生殖も可能でしたが、柱の男は生殖の必要性自体が低いようです。
また岩人間は炭素系の生物が絶滅した際の保険となるために誕生した存在で、食事もマンゴー以外の野菜や果物、魚肉類を食べ、戸籍を奪いながら職業に就き、人間社会に寄生して生きていました。一方柱の男は食物連鎖の頂点で人間よりも上の立場です。地底で暮らし、食料は吸血鬼とこちらも違います。
他にも柱の男とは違って岩人間はスタンド使い、死亡時には岩人間は崩壊するのに対し、柱の男は灰化していました。かなり真逆な設定が多いので、柱の男のキャラクターをベースにしながら考えられたのが岩人間っぽいな~という気がします。
八木山夜露とブチャラティ
次は顔や髪型がブチャラティそっくりの八木山夜露についてです。ブチャラティは汗を舐める嘘発見器でしたが、夜露は目からラップを出すと両者とも謎の特技を持っているところも似てる…
頭の植物の王冠のような飾りはスコリッピっぽさもあります。スタンド名は岩人間らしくアイ・アム・ア・ロックで、石に関するローリング・ストーンズとの関連も指摘できそうです。
さらに岩石のように肌を硬質化すると…
荒木飛呂彦(2014年)『ジョジョリオン』8巻 集英社
ローリング・ストーンズのブチャラティやん。
突き詰めるほどにブチャラティと関係が深そうな八木山夜露。まさかブチャラティが転生でこんなキャラクターになるとは思わなかったな~…
大年寺山愛唱とナランチャのエアロスミス、ワムウの神砂嵐
杜王スタジアムの職員の大年寺山愛唱は、彼女には浮気された挙句に家を売られるなど、何かとツイていなかった岩人間でした。スタンドはドゥービー・ワゥ!。対象者の呼吸を感知すると竜巻が発現し、殺害するまで自動追跡します。呼吸に反応するといえばナランチャのエアロスミス、竜巻は柱の男ワムウの神砂嵐を連想できるのではないでしょうか。
しかしシアーハートアタックやらボーン・ディス・ウェイやら自動追跡型のスタンドは、迫力あって怖いよな~…
エイ・フェックス兄弟とソリョラ・ロペスのジョイ・ディヴィジョン、フーゴのパープル・ヘイズ
次はエイ・フェニックス兄弟です。一卵性双生児のようなそっくりの顔立ちですが、双子といえばプッチとウェザー・リポートを思い出します。
スタンドのショット・キー。No.1は左手にあるものを瞬時に右手に移し替えることができます。こちらは5部の小説版「ゴールデンハート・ゴールデンリング」に登場するソリョラ・ロペスのジョイ・ディヴィジョンの右手と左手のものを入れ替える能力に近いのではないでしょうか。
No.2はサッカーボールの中に毒ガスが詰まっており、皮膚がただれたり、呼吸器官にダメージを与えていました。こちらは両手のカプセルに殺人ウイルスを入れていたフーゴのパープル・ヘイズとの共通点が伺えそうです。
田最環とトリッシュのスパイス・ガール、ポルポのブラックサバス
ダモカンこと田最環のスタンド、ビタミンCは指紋に触れた人間をトロトロに柔らかくする能力で、トリッシュのスパイス・ガールに似ているものがあります。姿はポルポのブラックサバスが、イタリアのヴェネツィアカーニバルの衣装のようなデザインでしたが、ビタミンCもちょっと近い気がします。これがビタミンCで…
荒木飛呂彦(2016年)『ジョジョリオン』13巻 集英社
ヴェネツィアカーニバルのこんなマスクのイメージに近いかな~…
また仗世文、吉良戦では2人が上陸するだろう土地として、「岸辺露伴は動かない」に登場する密漁海岸を挙げていました。というか「岸辺露伴は動かない」は、7部以降と同じ世界線の可能性もありますよね~どうなんだろうね…
ドロミテとスポーツ・マックスのリンプ・ビズキット、エンヤ婆の正義
次は岩人間のドロミテです。スタンドはブルー・ハワイ。体液に触れた者を標的に向かって直線に進ませ続ける能力でした。能力にかかった人間はゾンビのような状態となっていましたが、ゾンビを作り出すといえばスポーツ・マックスのリンプ・ビズキット、ゾンビを動かす点ではエンヤ婆の正義あたりが近そうです。
また定助が交戦中に駆け込んだのは、4部でも登場したOWSONでした。
荒木飛呂彦(2017年)『ジョジョリオン』16巻 集英社
横に小道はなさそうでした。8部では東方フルーツパーラーの果物の卸先としてトラサルディーが挙げられているなど、4部の店舗も営業中のようです。
アーバン・ゲリラとドレミファソラティ・ドと、チョコラータとセッコ
お次はアーバン・ゲリラとドレミファソラティ・ドについてです。アーバン・ゲリラはラング・ラングラーのようなマスクを被った見た目でした。表向きは医者、戦闘時にはドレミファソラティ・ドとコンビを組んでおり、チョコラータが元医者でセッコと行動していたところに似ています。アーバン・ゲリラのブレイン・ストームは細菌のようなスタンドで、接触した生物の細胞を破壊する能力で、チョコラータのグリーン・ディの殺傷能力のあるカビを生やす能力と比較的近そうです。
またドレミファソラティ・ドは地中を素早く移動できる能力ですが、こちらはセッコがオアシスで地面を泥化させて進んでいたことと共通点があるのではないでしょうか。ドレミファソラティ・ドはアーバン・ゲリラのペットでしたが、チョコラータはセッコに「良お〜〜〜〜し よしよしよしよしよし(以下略)」と犬でも撫でまわすかのように褒めていましたよね~!こんなところまで転生だったりして…
プアー・トムとマニッシュ・ボーイ、ラング・ラングラーのジャンピン・ジャック・フラッシュ
喋り言葉や顔のシワはお爺ちゃんなのに、全体的には幼さを感じさせる容姿だったプアー・トム。年相応ではない感じがマニッシュ・ボーイを思い出すんですよね…2人とも喫煙者だし、プアー・トムはイチイを口に入れて負傷していましたが、マニッシュ・ボーイはう○こを食べて大ダメージを食らってたし。
スタンドのオゾン・ベイビーはレゴ製のような家の形のスタンドを埋めると、射程範囲内で加圧と減圧により減圧症を引き起こせる能力。効果的にはラング・ラングラーのジャンピン・ジャック・フラッシュが近いかな~…発動中は車輪と手が組み合わさった形が印象的な像が出てきており、造形的にはイギーのザ・フールっぽさもあります。
羽伴毅とチョコラータ、アンジェロのアクア・ネックレス
次は羽伴毅。ロカカカ研究を進める医者であり、「ロカカカの等価交換は公益」「公益ならどんなゲス行為も許される」と発言していました。密葉に宿った命が等価交換の対象になることには「14週目は合法だから」とまで…ゲスで医者とくればチョコラータですよね~…
スタンドのドクター・ウーも体を粒子レベルに細かくできる能力で、チョコラータが体をバラバラにしていたシーンを思い出します。体内へ侵入して操作するところは、アンジェロのアクア・ネックレスにも近いのではないでしょうか。
透龍とオブラディ・オブラダの転生
透龍くんとオブラディ・オブラダについても見てみます。康穂ちゃんの元カレだった透龍くんですが、凡人に見える人物がラスボスという設定は吉良吉影を思い出します。
スタンドはワンダー・オブ・Uで明負悟の正体でした。スタンドが独り歩き、追うと攻撃してくる、本体死亡後も能力が解除されないなどの点は、シルバー・チャリオッツ・レクイエムに近そうな能力です。追うと厄災を食らう能力で思い出すのは、D4C-ラブトレイン-。こちらは吉良が集まり、害悪を遠くに飛ばして他の誰かがおっかぶると真逆の力を持っていました。また転生ではありませんが、スタンドのワンダー・オブ・Uによる服をも貫通する雨粒は、ジョディオのノーヴェンバー・レインにも似ています。
他には「無事が何より」の台詞は平穏を求める吉良吉影、康穂に暴言を吐きながら死亡するのはプッチ、岩人間という点では柱の男だったカーズなど、歴代ラスボスらしさも感じられる設定ではないでしょうか。
そしてオブラディ・オブラダは明負悟が使用していた岩昆虫で、アヴドゥルの首飾りのような丸い形が連なった外見でした。生物の血液や体液を吸って増殖し、取りついた相手を行動不能にすることができますが、性質的には水によって無限に増殖できるプランクトンのフー・ファイターズに近いですよね~!そういえばF・Fは「思い出を作ることが生きること」と考えていましたが、透龍くんも思い出がひとつのキーワードであるキャラクター。こんなところも近いのではないでしょうか。
カツアゲロードと振り返ってはいけない小道
カツアゲロードにはオータム・リーブスというスタンドが存在しており、落ち葉を踏むと滑って元の位置に戻ってくるという不思議な能力がありました。不思議な現象が起きる道といえば、4部の振り返ってはいけない小道を思い出しますね~!
オータム・リーブスは本体不在のスタンド使いで、その点ではアヌビス神やノトーリアス・B・I・G、シルバー・チャリオッツ・レクイエムなどにちょっと近いところ。ただしこれらは本体が死亡してもなお動き続けているのに対し、オータム・リーブスは自然現象らしく元々本体がいないようです。
またジョジョリオンには本体不在のスタンドとして、ミラグロマンがいました。こちらはカツアゲされるのではなく、お金が増えていく能力。似ているようで真逆なのが面白いな。
東方邸近くの木の落書きとジョナサンが名前を彫った木
東方邸近くの木に彫られていた落書きも見てみます。
荒木飛呂彦(2013年)『ジョジョリオン』5巻 集英社
ハートにジョナサンとエリナの名前を彫った木を思い出しますね~!こちらは恋人同士の名前に加え、露伴を連想させる「岸辺」の文字、ポルナレフのピアスのようなブロークンハート、後ろの木には鈴美の飼い犬だったアーノルドの名前も!荒木先生の遊び心が見える描写ではないでしょうか。
まとめ:ジョジョリオンでは明確な転生から、荒木先生の遊び心が感じられる描写まであるのでは
ジョジョリオンの転生キャラクターや設定を考察してみました。
明確な転生もあれば、旧世界線の設定と偶然にも似ていそうなもの、さらには真逆の設定もあるようです。またクラッカーヴォレイのように本編の重要アイテムではなくとも、一目でジョセフを思い出すような描写には荒木先生の遊び心が感じられるのではないでしょうか。7部以降はこういうのを見つけるのが面白いよね…!
ジョジョの元ネタ系の話はこちらもどうぞ